GM:「アルバス、館内放送が入るよ。『ことわざ百二十八将軍はただちに作戦会議室へ集合せよ』」
アルバス:「言っとくがオレは館内放送ぐらいじゃ動かないぞ」
GM:「ならしばらくして先輩の人が呼びにくる。『新入り、早く出て来い!』」
アルバス:「しぶしぶドアを開ける」
GM:「中に入って来て、ことわざの書いてあるたすきを渡してくれる。『これをつけて集合すること。いいな』」
アルバス:(おもむろに電子レンジを開け、中からカレーを取り出す。どっかりソファに腰を下ろしてカレーを食べながら)「──それが人に物を頼む態度か?」
一同:「態度でけー!!(笑)」
アルバス:「……ま、こんなとこでもめても仕方がない。行ってやるか」
GM:「カレーは?」
アルバス:「もちろん食べ終わってから行く(笑)」
GM:「お前なぁ……。そういうことしてると館内放送で呼び出されるぞ──」
『ことわざ百二十八将軍“天網恢恢、祖にして漏らさず”のアルバス=ファルバティス。至急作戦会議室へ来い!』
一同:「なにぃ!?(大爆笑)」
アルバス:「これでみんなにばれるんだな(苦笑)」
リューセ:「ヤツめ、ついに本性を現したわね(笑)」
アルバス:「まあいい。作戦会議室とやらに行ってやろう──遅刻してるにも関わらず堂々と」
GM:「中にはことわざ教幹部以下、百二十八将軍がずらっと勢揃いしている。武装した一般のことわざ教徒もいるね」
ユンケ・ガンバ:「「アルバスの通信機を開けっ放しにして、中の様子を聞けないかな」」
GM:「できると思うよ」
サリース:「──じゃあアルバスの部屋で聞いとこっか」
アルバス:「さーて、そろそろ通信機の電源切っとくかな──プチッ(笑)」
サリース:「こらこらこらー!」
ゼナ:「………………。どっちにしろ、アルバスさんの部屋には行きましょうよ」
アルバス:「部屋に行くのか。鍵は──掛けてなさそうだな、オレ」
リューセ:「アルバスの部屋を探して中に入ってます。四人でぞろぞろと」
GM:「──では点呼をとる」
アルバス:「オレ、一番最後じゃないか。……お茶でも飲んどこ」
GM:「出席を取った後、幹部たちの話が始まる。『──先程、侵入者が確認された。間抜けなことに部屋で着替えをしているところを、監視カメラがおさえた。これがその顔写真だ』」
アルバス:「ぶー!」(飲んでいたお茶を吹き出す)
GM/ヌキータ:「『直ちに見つけだして捕らえること。絶対に殺すな。──よし、行け!』」
サリース:「部屋に入れたのはいいけど……この後どうする? どっかのバカが通信機切っちゃうし……」
リューセ:「姫を探す……」
サリース:「どうやって?」
ゼナ:「サリースさんサリースさん、カレーを食べたあとがありますよ」
そこへアルバスが帰って来る。
サリース:「お帰り、アルバス(ニッッコリ笑う)。招集があったみたいだけど、何の話だったの?」
アルバス:「お前たちに答える義理はない。今すぐ、出ていけ」
ゼナ:「義理がないってことはないでしょう(笑)」
サリース:「すごいなー。どんどん外道になっていく」
アルバス:「何を言うか、こんなにパーティー思いなオレに」
GM:「……確かにみんなをかくまってるようにも見えないことはないな」
アルバス:「話すのもだるくなってきた。もういい、好きにしろ。(ソファに腰を下ろして)ゼナ、そこにカレーがあるからレンジで温めてくれ。42秒だぞ」
ゼナ:「はいはい……」
リューセ:「ねえねえ、この部屋に監視カメラとかあったらヤバくない?」
サリース:「もう遅いって」
アルバス:「確かに。オレが部屋に入ってすぐに破壊した」
サリース:「あ、そう……」
GM:「ではしばらくして──」
ゼナ:「え、何もしないんですか?」
アルバス:「カレーを食う」
サリース:「だから、何があったのかアルバスに聞いてるのに……」
アルバス:「答えたくない」
サリース:「どーして」
アルバス:「めんどくさいから」
GM:「そーすると再び招集がかかる。今度は内線で」
アルバス:「内線? 出るわけないだろう」
GM:「ほーう。なら呼びにいくしかないな。『開けろ、新入り』」
アルバス:(ドアまで行ったところでサリースの方を向き)「そーいやサリ、さっき何の話だったか聞いてたな。なんか、お前らを探してるみたいだぞ」
一同:「うわあああああ!(笑)」(あわてて隠れる)
アルバス:(ドアを開けて)「何の用だ?」
GM/先輩将軍:「『招集がかかったら早く来い』」
アルバス:「それが人に物を頼む態度か? ──なんでお前の手は地面から離れてるんだ? ん?」
一同、苦笑い。
GM/先輩将軍:「『なにワケの分からんこと言ってる。早く来い』」(ぐいぐいと引っ張る)
アルバス:「あ〜れ〜」
リューセ:「よ、弱い……(笑)」
アルバスはずるずると作戦会議室へ連れていかれる。
ゼナ:(ベッドの陰から出て来て)「さてどうしましょう」
サリース:「通気孔があればそこからもぐるけど……」
GM:「ここの通気孔は人が入れるほど大きくはない」
一同:「うーん……」
GM:「そこへ、また館内放送が入る」
『ゼナ=オーケンシールド君。直ちに出て来なさい』
ゼナ:「そんなこと言われて出ていくわけないでしょう」
ウェンディ:「受付で名前を書いたりは──」
サリース:「してない。……正体がバレてる?」
ウェンディ:「ゼナ君の名前が出てきたってことは、ゼナパパさんが映像を見たってこと?」
サリース:「そんなとこでしょうね」
GM:「『投降してこい』という放送が3回ぐらいあるけど?」
ゼナ:「投降なんてしませんよ」
ユンケ・ガンバ:「「ゼナがひとりで行けばいいだわさ」」
ゼナ:「だからひとりで行きたくないんだってば。絶対罠ですよ、これ」
『ゼナ=オーケンシールド君。いるのは分かっている。近くのディスプレイ付き端末にアクセスしたまえ』
サリース:「ふうん?」
ゼナ:「放送の声に聞き覚えは?」
GM:「ないね。中年の男の声だ」
ゼナ:「じゃあ逆探知防止用の装置をつけてから、端末にアクセスします」
GM:「そうすると総本山の見取り図が表示されて、『これから指定する場所に“クーア”を持ってこい』」
サリース:「なんでこっちが本物持ってることまで知ってるの……?」
ゼナ:「きっと父さんが持っていった『クーア』には『Made in China』って書いてあったんですよ(笑)。それをこうやってチャラチャラと見せてたんですね」
アルバス:「実はチャラチャラ見せてるときに偽物だって気づいてたんだったりしてな。でももう後には引けなかった」
GM:「『1時間だけ時間をやる。それまでに持って来なかったら──人質を殺す』」
リューセ:「人質ってやっぱり、姫?」
GM:「あとシモーヌさんもいるらしいぞ」
サリース:「そんなとこまでバレてるのか……」
ユンケ・ガンバ:「「5分ごとに指を1本ずつ切り落とすとか」」
GM:「あ、それもいいかもね」
ウェンディ:「ちょうどアルバスさんが将軍になってることだし、彼に連行されるフリをしていったらどうですか?」
アルバス:「オレがその任につくかどうかは分からんぞ」
サリース:「それにアルバスの顔はゲオルグも知ってるはずだし」
ゼナ:「……やっぱり正面突破ですか?」
サリース:「それしかなさそうね」
アルバス:「行くなら行ってくれ。部屋からいなくなってても気にしないし」
ユンケ・ガンバ:「「じゃあ壁に血で何か書き残してから行くだわさ」」
サリース:「それともルージュで伝言を残してく?」
ゼナ:「普通でいいですよ。地図をプリントアウトして、アルバスさんに置き手紙をしてから行きます」
ユンケ・ガンバ:「「すぐに破り捨てるかもしれないよ?」」
ゼナ:「ほんのこれっっっっっぽっちの希望を託すだけだから。──どこに行けばいいんです?」
GM:「地下11階だ」