リューセ:「ことわざ教の総本山に殴り込んだらいけないの?」
アルバス:「ことわざ教は直接は関係ないだろ。だいたい総本山はどこにあるんだよ。──オレたちとしては船が奪えればそれでバンバンザイなんだけど」
サリース:「まったく、そのとーり」
てなわけで、港である。時刻は午前0時を回っている。
GM:「港と言っても、海があるわけじゃない。湖を改造して造られた、陸の港だ。湖が『マナ・ライ』につながってて、船が出入りしてる」
ゼナ:「船って動いてないときは水に浮かんでないといけないの?」
GM:「いや、そんなことはない。ちゃんと着地もできるよ。で、今も君たちの目の前を、1隻の船がざざざーっと水しぶきを上げながら出航していく」
サリース:「湖か……。やっぱり中から出てくるのかな、巨大ロボットが(笑)」
アルバス:「湖を割って出てくるのはあいつだろ───モーゼ」
一同、大笑い。
サリース:「出てくるんじゃなくて、2つに割るの、モーゼは!(笑)」
リューセ:「出てきたら困る(笑)」
GM:「さて、君たちが今いるのは倉庫がたくさん並んでるところだ。そばには滝がある。で、こそこそと暗がりを進んでると──」
アルバス:「何でだよ。堂々と歩けばいいじゃないか。オレたちは善良な一般人だぞ」
リューセ:「いやほら、ジャッハさんが指名手配されてるから」
アルバス:「め〜わくな話だ……」
サリース:「まったくねぇ……」
GM:(サイコロを何回か振って)「警備員には見つからなかったみたいだね。ではここで、『心回避』プラス20で判定するのだ」
ゼナ:(コロコロ)「クリティカルで成功してます」
アルバス:「失敗したのはオレだけか?」
GM:「成功した人は、見覚えのある男(ランディ)がこそこそと倉庫の中に入っていくのが見えた」
ゼナ:「追いかけましょう!」
リューセ:「でも倉庫でしょ? あからさまに怪しいよね」
サリース:「念のために聞いとくけど……港に船はないよね?」
GM:「普通の船ならたくさん停まってるよ。お目当ての船──エスペルプレーナはないみたいだね」
サリース:「じゃあ追っかけるしかないわね。他に手掛かりがないんだから」
GM:「では、倉庫の前だ」
ゼナ:「そっと覗いてみる」
サリース:「そーっと覗いてみてごらん♪」
アルバス:「あいや♪」
サリース:「変な合いの手入れないで!(笑)盆踊りじゃないんだから……」
ユンケ・ガンバ:「「ねえねえ、『ワンダフルジャスティスアーイ』で覗いてみる」」
アルバス:「罠なし鍵なし、どかーん!」
ゼナ:「中は真っ暗なの?」
GM:「いや、どっかに窓があるらしくって、ぼんやりと中の様子は分かるよ。木箱とかが積んであるみたいだね。でも奥の方までは見えない」
リューセ:「やっぱり罠っぽいよぉ」
ゼナ:「ランディはどんなかんじで中に入っていったの?」
リューセ:「あわてて入っていった、とか」
GM:「こそこそっと倉庫に近づいて、こそこそっと中に入った」
ゼナ:「罠かどうかまでは分かんないか……。……大丈夫だと思うんだけどなぁ」
アルバス:「中に入ってみて、罠だったらじゃーん♪ で終わるだろ」
サリース:「……またドリフネタ?」
リューセ:「じゃーん♪ で終わるような罠だったらいいんだけどね……(笑)」
アルバス:「ま、何にしてもオレは暗いとこは苦手だから……」
ゼナ:「そうなの?」
アルバス:「だってまだガキだもん」
ゼナ:「いや……ボクの方が4つもガキなんですけど……」
アルバス:「君と一緒でボンボンだしね」
サリース:「ゼナ、明かりの発明ない?」
ゼナ:「明かりですか? 確か内ポケットにライトか何かが……」
GM:「さすが発明狂。で、ライトの名前は?」
ゼナ:「名前?」
GM:「ほら、ドラ○もんみたいにさ。スモ○ルライト〜とか」
アルバス:「ジョナゴールド〜──ってこれはリンゴだな(笑)」
ゼナ:「でも、ライトつけて大丈夫ですかね?」
サリース:「うーん、ペンライトぐらいだったら大丈夫だと思うけど……」
リューセ:「では中に入りましょう〜」
アルバス:「……やっぱり行くの? オレも行かなきゃダメ?」
サリース:「当ったり前でしょ。ほら、早く!」
アルバス:「なんでみんなもっと明るい所で行動したがらないんだよぉ〜(半泣き)」
サリース:「だーって向こうがそうなんだから仕方ないでしょ。それに──あたし、暗いとこ好きよ(笑)」
アルバス:「外で待っとく、じゃダメ?」
ゼナ:「そうですねー、見張りでもいいですけど……」
GM:「見つかっちゃうかもしれないぞ」
アルバス:「オレはそれでも構わ──なくはないか。1回追われてるんだ」
ゼナ:「そうですよ。それに今はコインを持ってるし」
サリース:「警備員はともかく、ことわざ教に見つかったらヤバイでしょ」
アルバス:「うぅ〜、じゃあライト持ってるヤツ」
ゼナ:「はい」
アルバス:「ぴたっとくっついていくぞ(笑)」
サリース:「あらやだ、男どーしなんて☆」
リューセ:「たまには新鮮でいいかも(笑)」
ゼナ:「でも、ライトはつけませんよ」
アルバス:「なぜ!? ちょっとでも明かりがあれば平気なのになぁ……」
ユンケ・ガンバ:「「ゴキブリにでも中の様子を聞こうかな……」」
サリース:(顔をしかめて)「できるの……? そういうこと……」
GM:「で! どうするの?」
ゼナ:「中に入ります。ライトはつけませんからね」
アルバス:「え〜暗いぞ〜はぐれるぞ〜」
リューセ:「みんなで手をつないでいけば大丈夫だって。で──中はどんなかんじ?」
GM:「そんなに広い倉庫じゃない。両脇に木箱が積んであって、道ができてるね。で、奥に続いてる」
リューセ:「用心しながら進みます」
GM:「んじゃ、奥の方。ちょっと広くなってて───床の隠し戸の中に、今まさに入ろうとしているランディの姿が!(笑)」
アルバス:(びしっと指差して)「それ、出口? ねえ、それ出口?」
サリース:「アルバス……あんたいきなり何聞いてるの?」
アルバス:「暗いとこイヤなんだよ〜」
GM:「そだねえ、なんか隠し戸の奥がぼんやり明るい気がするねえ」
アルバス:「出口か? 出口なんだな? その奥は明るい所につながっているんだな?」
GM/ランディ:「『いや……出口って言えば出口だが───ああ〜お前たち! く、くそっ!』」(隠し戸から出ようともがく)
アルバス:「問答無用で突撃。『オレが先に入る〜!』」(隠し戸に頭から突っ込む)
GM/ランディ:「『ば、ばっきゃろ、俺は外に出たいんだー!』」
アルバス:「知ったことか! オレは中に入りたいの!」
ぎゅうぎゅうどたどたぎゅうぎゅうどったーん!
GM:「……ランディ下に落ちちゃったぞ」
ゼナ:「下ってことは──階段でもあるの?」
GM:「縦穴になっててハシゴがかかってる。電灯か何かがあるらしく、奥の方──横穴がある──が明るいよ。んで、ランディはよろよろと起き上がると、横穴の中に姿を消す」
アルバス:「ハシゴがあるんだな? じゃあ普通に降りて、ヤツを追うぞ」
土壁の洞窟。古ぼけた電灯がつるしてあって、奥に点々と続いている。
ゼナ:「隊列は先頭がアルバスさんで、サリースさん、ユンケ、ガンバ、ボク、で最後がリューセさん」
GM:「了解した」
アルバス:「出口じゃないじゃん……」
ゼナ:「きっとこの奥がどっかに通じてるんですよ。さあ、行きましょう」