GM:そこへやっとフローラが到着する。
フローラ:おまたせ、みんな。
ガルフ:一足遅かったな。もう決着はついたぜ。
クロヌシ:仇は取っておいたぞ。
フローラ:そいつはどうも。
ラズリ:でもね、ティンベルが死んじゃったの……。
フローラ:(わざとらしく)「そいつはちょうどよかった。
実は偶然カスタさんから復活の『霊薬』をもらってたんだ。これを飲めば大丈夫だ。
ラズリ:なるほど、「御都合主義」だね……。
ガルフ:御都合主義で生き返っていいのか? 本当にいいのか?(自問自答)
ティンベル:(『霊薬』を飲ませてもらって) 復活! でも干からびてるから水分も補給しとこう(笑)。
ガルフ:そういえばコピーはどうなったんだ? ひとつほしいんだけど。
クロヌシ:ラズリのをか?(笑)
ガルフ:もち!
GM:リューデスが死んだからコピーは全部消えたよ。残念でした。
ラズリ:あんなのが10体もあったら困る。連動してるし。
GM:コピーは消えたけど……橋の触手はそのままだからね。
ラズリ:えっ、えええー!? じゃああたしは縛られたままなの?
フローラ:ほーう、それはそれは。
ラズリ:クロヌシ〜斬って〜!
クロヌシ:(タバコに火をつけて) ふー。少し休むか(笑)。
ラズリ:クロヌシ許すまじー!
GM:で、本当に休んでいくの?
フローラ:いや、とりあえずこの空間から出よう。また何年か過ぎたりしたらイヤだからな。
GM:戻るの? それとも橋を渡るのかな?
ガルフ:正義は常に前にある! (あるのか?) 橋を渡るぞ。
GM:橋を渡ると、転送空間がぽっかりと黒い口を開けている。
ガルフ:さ、行こうぜ。
ラズリ:あたしを置いてかないでね。
GM:転送空間をくぐると元の世界だ──ただし地上5メートル。
一同:うわっっと!
ティンベル:余裕で着地。
ラズリ:『魔浄扇』でふわっと着地。
フローラ:ガルフの上に着地。
ガルフ:こらこらこら。
クロヌシ:で、どこに出たんだ?
GM:見覚えのある村だよ──アレグの村だ。ちょっといろんなところで火が燃え上がってるけどね。
フローラ:それはみんなでたき火をしてるってこと?
GM:んなワケないでしょ。襲われたの。
フローラ:あ、やっぱり?
ガルフ:とにかく火を消すぞ!
ラズリ:人命救助が先!
GM:ところがぱっと見たかんじ誰もいない──死体もね。
ラズリ:さらわれたってこと……?
フローラ:どこかに隠れてるのかもしれないぞ。火を消しながら生存者を探そう。
ガルフ:うらー、斬馬刀で破壊破壊破壊ぃー!
GM:誰もいないね。
ラズリ:アユモ君は? オルディさんもいたはずだよ。
ガルフ:ニーナもな。あいつがそう簡単に捕まったりするとは思えないんだが。
ティンベル:今日はここで休まない?みんな結構疲れてるし、誰か帰って来るかもしれないし。
クロヌシ:だが敵が来るかもしれんから見張りは立てた方がいいな。
ガルフ:で、誰がやるのかな?
クロヌシ:もちろんお前だ。
ガルフ:しくしくしくしくしく……。
GM:さて、ここでちょっと視覚判定してみて──成功した人はシャルトルーズの森に白いドーム状の物体があるのに気がつく。
ラズリ:なにあれ? 東京ドーム?
GM:建物じゃないかんじがする。そう──『結界』みたいだ。
フローラ:結界って──土地神が造ったのか? 森のどこらへん?
GM:<空の鏡>があった所だね。
ガルフ:気になるな……。行ってみるか?
クロヌシ:もう少し休んでからにしようぜ。
ティンベル:できれば一晩ぐらい休みたいとこだけど。
GM:ぼうっとした顔でニーナが帰ってくる。
ガルフ:「ニーナ、無事だったか! 一体何があったんだ?」
ニーナ:「私にもよく分かんない……。私はラピスの森に行ってたの……。そしたらオニキスがいなくなってて……」
ラズリ:「姉さんが!?」
ニーナ:「手紙が2通、残ってた……。どちらもラズリ宛て」
ラズリ:「あたしに?」
GM:1通はオニキスから。そしてもう1通はペリダートから。まずはじーさんの手紙ね(ラズリに手紙を渡す)。
ラズリ殿GM:こっちがオニキスからの手紙だ。
今更、何をどう詫びたところで儂は許されんだろう。
だからせめてもの罪滅ぼしとして、ここに儂の罪を記そうと思う。
今から25年前、魔界への『扉』が開いた。
そして、お前の母アメシストが『鍵』となり、『扉』を閉じた。
それから半年ほどして、アメシストは双子の赤子を産んだ。
産まれたと聞いたとき、とてもうれしかった。待ちに待った女の子じゃったからな。
だが、その片方が魔界の力をもつ者と知り、儂の喜びは絶望に変わった。
そして儂は、オニキスを捨てた。アメシストに黙ってな。
そのすぐ後だった。アメシストが湖に身を投げて死んだのは。
許してくれラズリ。お前から母を奪ったこの儂を。
すまない。すまない。すまない。
ペリダート
妹、ラズリへラズリ:「姉さん……バカなことを……」
自分でもよくわからない。なんだって私がお前に手紙なんて書いてんだろうな。
じじいの手紙、お前にだまって読んじまった。あっったまきたぜ。
私にはこれっぽっちも悪いと思っていやがらねえ。──まぁそうだろうとは思ってたけど。
5年前、お前といれちがいに私はラピスの森に行った。
ガルフがつれてってくれたんだ(それまで私は魔族ハーフの村にいたんだ。いーだろ)。
みんなバカみたいに気づかないんで、私もネコかぶってラズリのふりしてた。
じじいはたぶん知らないふりしてたんだと思う。
死んだはずの孫が生きててびっくりしただろうな。ざまぁみやがれ。
私はいま、せまい小屋に閉じこめられている。軟禁ってやつだな。
ヒマでヒマでしょうがねぇ。だから手紙なんて書いてんだけど。
なんか外でバカおやじが騒いでる。アメシストのババアが生き返る?
ばぁーか、んなことあるワケねーだろ。
──ババアと言えばよ、なんで私ばっか魔界なんぞの力をもってんだろうな。
ババアが魔族とヤっちまったのかな?
でもお前はふつーなんだよな。うーん、謎だぜ。
きのうナタリーとかいうオバンが来た。私に協力してくれだってよ。笑っちゃうよな。
──で、行こうと思うんだ、私。
あのオバンは『扉』とやらを開きたいらしい。
で、お前らはそうされると都合が悪いんだろ?
だから、私が閉じてやる。オバンをだしぬいてな。ま、まかせろって。
じゃーな。
美人な姉、オニキスより
PS ガルフによろしく伝えといてくれ。忘れんなよ、ブス。
ニーナ:「オニキスは自分の意志でナタリーについて行ったのね」
ラズリ:「助けにいくからね……絶対……。オニキス、待っててね……」
ガルフ:「オニキスがいなくなったんだろ? で、魔族ハーフたちがどこかにさらわれた」
ラズリ:「この森の奥の白いドームも何か関係あるの?」
オルディネール:「そうですね。オニキスはあのドームの──『結界』の中にいます。魔族ハーフたちも。ナタリーも」
クロヌシ:「全員集合ってわけか。で、あのドームは何なんだ?」
オルディネール:「あの『結界』の中にあるもの──<空の鏡>が、『扉』だったのです」
ラズリ:「あの湖が『扉』──てことはナタリーたちが『扉』を開こうとしてるってこと?」
オルディネール:「そうです。そして、『鍵』であるオニキスが<空の鏡>に接触したため、『結界』が生じました」
フローラ:「じゃあドームの中には入れないんだな」
オルディネール:「その辺のことも含めて、一度話をまとめてみます。あなた方が知らないこともまだたくさんありましたし」
ガルフ:「おう、やってくれ」
オルディネール:「『扉』というのは、魔界と人間界をつなぐゲートのことです。
そして、それを閉じるには『鍵』と『祭器』と地水火風の土地神の力が必要です」
ラズリ:「閉じる? 開くんじゃないの?」
オルディネール:「その名のとおり開閉どちらでも出来ます。
そして本来『儀式』は、開きかけた『扉』を閉じるために行うものなのです」
ニーナ:「『扉』って勝手に開くものなの?」
オルディネール:「数百年に一度ですがね。機嫌をそこねると開くんです」
一同:「???」
オルディネール:「ところが今回はわずか数十年で開こうとしています。
『ホフヌング』が開かなくてもあとわずかの時間で開いたんです──内側からこじ開けられてね」
ラズリ:「内側……」
ニーナ:「あ! それが『ホフヌング』が目覚めさせようとしていた……」
オルディネール:「そう、『魔獣』です」
ガルフ:「で、そいつを『神』にぶつけようってわけか……」
オルディネール:「話を戻します。『ホフヌング』は『朔夜』とオニキス、魔族ハーフたちの魔力を使って『扉』を開こうとしています。
普通そんなことは不可能なんですが、パワーバランスの乱れと『魔獣』の力があれば可能なのかもしれません。
──ナタリーが実行に移したんですから可能なんでしょうね」
ラズリ:「姉さんはそれを止めるって言ってたけど……」
オルディネール:「その言葉を信じ、異例の『儀式』であることを考慮すると、開くまでにはまだ時間があります。
その間に我々がすべきことは──」
ラズリ:「姉さんを助ける」
オルディネール:「ええ──そのためにはあの『結界』を取り除くこと、そして【火】の土地神を捜し出すこと、この2つです。
そうすれば我々も『儀式』を行えます」
フローラ:「【火】の土地神っていないのか?」
オルディネール:「全土地神にこの森に集まるよう伝えてもらったんですが、ひとりだけ返事がなかったそうです。
"反応はあるが返事がない"と『長』はおっしゃってました」
ガルフ:「だからオレたちに様子を見てこいと?」
オルディネール:「そういうことです。それから──空中要塞アラバスターの発掘も」
クロヌシ:「アラバスター──どっかで聞いたような……」
フローラ:「あ、ガトーさんのとこで発掘してたやつだ! でも何に使うんだ?」
オルディネール:「アラバスターの主砲で『結界』を砕くんです。今のところ、方法はそれしかありません」
ガルフ:「力押しか──オレ好みだな」
オルディネール:「時間がありません。一刻も早く見つけてきてください」
──気がつきましたか?
ラグランジェ:「あんた……誰だ……?」
──私は………