第九話「祭りの始まり」

レイナ:「私は信じてる──レミーラはきっと、どこかで生きてるって。……そうでしょ?  ルーン……」
 


フローラ:「レイナ……レミーラ……」
 


ガルフ:肉親に殺させるなんてな……。

ティンベル:ちょっと今無気力。『力』ってモノに対して疑問を抱き始めている。

ラズリ:無気力って言うか……怒りとやるせなさで胸がいっぱいだよ……。
    あんな風に人を殺すなんて、絶対に許されないことだと思う……。

GM:(思った以上に効いたな、これは……)  さて、どうするのかな?

クロヌシ:ツェラーはその何たら空間に姿を消したんだな?

GM:転送空間だよ。ツェラーが消えた後もまだ残ってる。

クロヌシ:後を追ってこいって言ってたな。──行くか?

ラズリ:そりゃぶち殺してやりたいのはやまやまだけど……(うんうんとうなずく一同)。

フローラ:ちょっと待ってくれ。まずレミーラの死体を何とかしたいんだけど……(いろいろと計算して)ダメだ、『生物封印』は無理だ。

ティンベル:死体だから『物』なんじゃないの?

フローラ:あ、そっか……。死んじゃったらただの物だもんな──うん、それなら水晶球に封印できるぞ。

ラズリ:封印しちゃうの?

フローラ:ああ。封印しておけば時間が流れないからな。いつか生き返らせることができるかもしれない。

GM:レイナはどうするの?

フローラ:それもあるんだよな。気絶してるんだろ? どっか安全なところに連れていった方がいいな……。

クロヌシ:だがその間に転送空間が消えちまうかもしれないぞ。この機を逃すわけにはいかん。

ラズリ:でも行くんだったらみんなで行った方がいいと思う……。

フローラ:この穴がいつまで持つかが問題だ。このまま戦わずにいて状況が悪化したらなんか悔しいし……。
     ほっといたらとんでもないことしそうだしな……。──すぐ消えそう?

GM:いや、しばらく持ちそうだよ。

ガルフ:……ツェラーは何て言ってその穴に飛び込んだんだっけ?

GM:復讐したかったら追ってこいって。

クロヌシ:雌雄を決したいってことか?

ラズリ:雌雄なんか決しなくていい〜。あたしはただ天誅を下してやりたいの〜。大自然のおしおきよ〜。

GM:落ち着け落ち着け(笑)。

フローラ:GM、レイナをどっか近くで安全なところに預けたいんだが──どこかある?

GM:おすすめは第七診療所かな。カスタのところが一番安全だろう。

ラズリ:そりゃそうかもしれないけど……なんか不安。

GM:もうナタリーもレイナを狙ったりしないよ(笑)。

一同:(疑いのまなざし)

GM:あ、信じてないな……。

フローラ:「でもそこしかないよな。──よし、みんな先に行っててくれ。オレも後から必ず行くから。
      (顔をキリッとひきしめて) それから──とろとろ行っててくれ。走って追いつくから(笑)」

ラズリ:「──分かった(笑)」
 

オルディネール:「──もうひとつの『祭器』が『ホフヌング』の手に渡りました」

ニーナ:「……そう……」

オルディネール:「扉を開くには『鍵』と『祭器』が必要です。次に彼らが狙うのはルルーさんか──」

ニーナ:「オニキスね」

オルディネール:「ええ、おそらく。──すみませんが、行ってくれますか、ラピスの森へ」

ニーナ:「いいわ。オニキスを守ればいいのね。──ガルフたちは?」

オルディネール:「彼らは今、ツェラーを追って異空間にいます。中で何が起こっているのかまでは分かりませんが……」

ニーナ:「──いよいよ本気でつぶしにくるつもりかしら」

オルディネール:「彼らは負けませんよ」

ニーナ:「それもそうね。──で、あなたはどうするの?」

オルディネール:「【竜】の土地神のところへ行きます。ツェラーの言っていた『過去の過ち』とやらが何なのか、聞いてきますよ」

ニーナ:「………。──聞いていい?」

オルディネール:「何です?」

ニーナ:「あなた、どこまで真相を知ってるの?何を望んでいるの?」
 

GM:さて、どっちからいこうかな──うし、ガルフたちからね。

ガルフ:周りはどんな様子だ?

GM:闘技場の観客席だよ。

ラズリ:闘技場──ってあの闘技場?

GM:そ。コロシアムってやつだね。中央にリングがある。

クロヌシ:どういうことだ?  ツェラーはどこにいる?

GM:さーてね。
   君たちの周りにはたっっくさんの観客──みんな半透明──がいるし、リングの上では誰かが戦ってるみたいだし……。

ラズリ:だれ?

GM:知力で判定してごらん。

ラズリ:(みんなでコロコロ〜)──あたしだけ成功してる。

GM:リングの上で戦ってるのは──アユモとマラカイトに見えた。

ラズリ:をを!?  それは駆け寄ってみるよ。

GM:観客や建物に触ってみる人はいる?

クロヌシ:半透明なんだろ?  そりゃ触ってみるさ。

GM:そーするとふっと闘技場が消えて、観客だけが残る。真っ黒な空間にみんな浮かんでると思って。

ガルフ:……嫌な予感がするんだけど。

ラズリ:アユモ君とおとーさんは?

GM:消えちゃった。──で、何万という観客たちが君たちに向かって襲いかかってくる。

ガルフ:だあー、やっぱりそうくるかぁ!

クロヌシ:これ全部と戦えってのか?ちょっと無理だぞ。

GM:(ニヤリと笑って) 2D振ってみて。

ティンベル:4。

クロヌシ:7。

ガルフ:5。

ラズリ:……あたし10なんだけど……。

GM:それだけの数の観客が君たちに手を触れた。そして君たちそっくりに姿を変える。

ガルフ:……なんかすごくヤバくない?(笑)

クロヌシ:なるほど、これと戦えってのか……。

GM:(ニヤリと笑って)いや、全員ふっと姿を消す。

ラズリ:あら?

GM:それから全員知力で判定してみて。
 


クロヌシ:で、何だったんだ、今の判定は?

GM:(ニヤリと笑って)ま、それは後のお楽しみってことで。

ニーナ:「──するとなに?  まだオニキスを軟禁してるわけ?」

サードニクス:「んん、まあ、ね。父がまだ、祖父を殺したのはオニキスだって信じててね」

ニーナ:「ヒドイ話ね。──とにかくオニキスに会わせてもらうわよ。彼女今、狙われてるの」

マラカイト:(突然出現して)「それはならーん!」

ニーナ:「きゃー!  ビックリしたー!」

サードニクス:「父上、普通の人にそれはきついっていつも言ってるでしょう。もっと普通に登場してください」

マラカイト:「む、それは失礼した。だがオニキスに会わせるわけにはいかん」

ニーナ:「様子を見るだけもダメなの?」

マラカイト:「ならん」

ニーナ:(皮肉たっぷりに)「父親がこんなだから、ちゃんと食事をもらってるかすっっごく心配なんです」

マラカイト:「駄目だ。駄目ったら駄目ったら駄目ったら駄目ったらぜーったい駄目だ!」

ニーナ:「なんでよなんでよなんでよなんでよなんでよ!?  (ばんっとテーブルを叩いて) あんまりわしを怒らせるな!」

マラカイト:(思わず後ろに下がる)

ニーナ:(涙声で)「私はもうこれ以上死んでほしくないの……誰にも……」

マラカイト:「…………」

サードニクス:「………。父上、会うくらいはいいでしょう?」

マラカイト:「……勝手にしろ。だがわしは、オニキスを許したわけでも信じたわけでもないからな」




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