GM:──さて、どっちかもう一回2D6振って。

ティンベル:振るよ。(コロコロ)7。

GM:えーと、これは──クレリア、敏捷力なんぼ?

クレリア:アイテムで増強してるから15ですけど。

GM:(なにやらサイコロを振っている)えとね、サイフすられた。

クレリア:………………………え?

ラズリ:やった!  文無し!(笑)

クレリア:…………………………………………。

グレン/トム:「ふっ、この超神速にかかれば(笑)」

ラズリ:おまえかぁ〜(笑)。

グレン:トム大活躍!
 

 さんざんごねるクレリア。彼女は文無しになると判定にマイナス6のペナルティをくらう変わった体質なのだ。
 

クレリア:……結局すられたんですね?

GM:(大きくうなずく)

クロヌシ:でも、すられたと気づくまでは大丈夫なんじゃないか?

クレリア:サイフのあるところを押さえる癖があるんですけど。 「(ペタペタ触って)………ない」

グレン:……胸が(笑)。

ラズリ:ベしっ!

グレン:ああ! ほかのところからツッコミが(笑)。

クレリア:「……サイフが………」

一同:ない〜ない〜ない〜ない〜(とコーラス)。

クレリア:固まってます。

GM:じゃあヴィーが頭をかじかじしてあげよう。

クレリア:(はっと我に返って)「固まってる場合じゃない。すりを探さなきゃ!」 ──というワケであっちヘよろよろこっちヘよろよろ。

GM:とゆーことなんですがティンベルさん。

ティンベル:(ちょいちょいと肩をつつく)

クレリア:「てぃんべるさーん、さいふがないんですぅぅぅぅ!」

ティンベル:性格のこと知ってるから、とりあえず自分のサイフから20バールほどトランスファーするね(笑)。

クレリア:「ああ、ありがとうございますぅ。はぁぁ……。ちょっと落ち着いたなぁ」

ラズリ:いやなやつ、ホントに……。

クロヌシ:これで20バール借金な(笑)。

クレリア:「うっっ。──もしサイフをすった奴を見つけたら」(ゴゴゴ……)

フローラ:あのサイフはわが命。アレが無くなっては私は生きていけない。アレを無くしめるということは私に死ねと言うも同然。しからば彼には死をもって制裁せねば!

クロヌシ:長いって(笑)。

フローラ:でも、この位しないといけないんでしょ?

グレン:人のプレイをしてもなぁ(笑)。

GM:さてクレリアさん。後方から「すりだー!」という声が上がるんだけど。

クレリア:(きらーんと目が光る)全力だぁぁっっしゅ!

GM:では敏捷力で即決勝負といきましょうか。

クレリア:(コロコロ)ああ、ひどい! マイナス1成功。

GM:こっちはもっとひどい。失敗してる(笑)。

クレリア:とゆーことは──

GM:捕まったね。

クロヌシ/ナーリー:「ああ、トム!(笑)」

グレン/トム:「逃げるんだぁっ!」

ナーリー:「すまないトム。俺は……俺は……。──きっともどってくる! それまで生きてろよ!」

トム:「ガッツだぜ(笑)」

ナーリー:パワフル魂(笑)。

クレリア:「──サイフ、返してもらえませんか?」

トム:「さて、なんのことやら……」

ティンベル:首をつかんで、ぐいっと宙づりにする(笑)。

トム:(心の声)「こいつ、できる!  やばい、やばいぞこいつは……。ナーリー、帰って来てくれ!  オレの代わりに捕まってくれぇ〜!」

ナーリー:すごい裏切り(笑)。

クレリア:「素直に返してくれれば何もしませんよ」(にっこりと笑うが目が笑っていない)

トム:「ふっ、そう言われて返すオレだと思ったか。例えここで命を落としても……親友のナーリーを売るワケにはいかん!(笑)」

クレリア:「そーゆーこと言ってると右手から腐らせますよ」

トム「ちなみにナーリーというのはさっき逃げていった子供で……(笑)」 

フローラ:あっしは何も知りません。すべてナーリーがしくんだことで……。

クロヌシ;で、サイフもナーリーが持ってるのな(笑)。

GM:……そうなの?

ラズリ:トムでしょ、持ってるの。

クレリア:「いーかげん返してくれませんか?」

トム:「いや……だ……」

ティンベル:グイィッ。どこどこどこっ。

トム:プシュー(気絶してる)。

クレリア:とりあえず自分のサイフを懐に入れて……。

ナーリー:(大声で)「ああー!  あのおねーちゃんが友達をいぢめるぅ〜!」

GM:本当に叫ぶの? じゃあ、やじうまがぞろぞろと集まってくるぞ。

トム:その間に超神速で逃げる(笑)。

ティンベル:2階まで高さどれくらい?

クレリア:え……まさか……。

ティンベル:2階までぴょーんと跳んで逃げる(笑)。

クレリア:そ、そんなぁ〜!

GM:と、ここでドラがごわわ〜んと鳴る。オペラの始まりだ(なぜドラ?)

GM:さてさて。クレリアがすりを捕まえたところは、ちょーど泉の広場のオペラの舞台の前だった。ラズリもそろそろここヘ着くはずだ。そして舞台の上では、今まさにオペリオビッチ=ハイドレンジャー主演『オペラ 紫陽花通りの人々』が始まろうとしている。

オペリオ:♪(何やら踊っている)♪

GM:さてグレン、それからカレンはオペリオがいる劇団に用心棒として雇われている。

グレン:用心捧? 護衛みたいなものか?

GM:そ、護衛護衛。で、カレンがそーっと持ち場を離れようとしてるんだけど。

グレン:(静かに)「うろちょろするな、カレン」

カレン:「わたしもオペラ見るぅ〜見るぅ〜」

グレン:襟首つかむ。

カレン:ばたばたばた(暴れてる)。

オペリオ:「♪親父の方が一本多いぞ。僕数えてたもんね〜。僕参拾本親父参拾壱本!♪」

ラズリ:「ああ、これぞ芸術だわ」

クレリア:「……2年前とたいして変わってませんね」

グレン:「うろちょろするな、カレン」

オペリオ「♪オ、ペ、ラ、か、しゅ、は、歯が命!♪」 

GM:と、そのとき──
 

 いきなり空が光り、ばらばらと降ってくるクロヌシ、フローラ、ガトー、そして亀人2人とザコ4匹。
 

クロヌシ:「敵も一緒に転送したのか!」
 

 一気に騒然となる舞台。中には
 

ラズリ「今日のオペラは演出が効いてるわね」 
 

 などと言ってるやつもいたが。



リプレイ第二部目次