GM:おめでとう。やっと、10月9日を迎えることができたよ。
涼:やっと来たか、体育の日が。『時を繰り返して』いたのは、誰のせいだったんだ?
GM:さあねえ(ニヤリ)。でも偶然伏線が張れたから、よく思い出せば分かると思うよ。
涼:………………。──ああ、そういうことか、なるほどね。
GM:分かった?
涼:分かった。……でも、あの伏線張れなかったら、どうするつもりだったんだ?
GM:どうするつもりだったんだろうね(笑)。
金太郎:何の話や?
GM:偶然ってコワイね、って話。──さて、どうするのかな?
隆志:もう一度、金太郎の能力で敵の姿を確認しておくべきだろう。
金太郎:わいもそう思って枕元にスケッチブック置いといたんやけど……失敗してもうたんや。
隆志:なら仕方がない。……もう一度眠ってもらうことにしよう。
金太郎:ちょっ待てぇ、その手の中のゴッツイ壷は何やぁ! ぎぃやあああぁぁぁ……!
……暗転。
GM:加藤チャゲは……カトちゃんみたいに髪の薄い、チョビ髭のおじさんが、CHAGEみたいなサングラスと帽子をかぶっている、といった外見をしている。
隆志:(金太郎の描いた絵を見て)サングラスにチョビ髭、帽子らしきもの……加藤チャゲだと断定してよさそうだな。
涼:もうちょっと絵心のある奴がこの能力だったらよかったのにな。
隆志:では、コンサート会場に行くとするか。
金太郎:一真たちは来てないんか?
GM:彼らは直接コンサート会場に行くらしいから。
チャーリー:チケットが、4枚しか手に入らなかったデスしね。
GM:いつ、どうやって加藤チャゲと接触するつもりなの?
涼:コンサートが始まる前か……いっそのこと、打ち上げパーティを狙うか。
GM:それじゃあ、コンサートにいく意味がないじゃん。
涼:それはほれ……単に俺がいきたかっただけだから。
GM:平にはあれほどいくなと言っておきながら(笑)。
チャーリー:「それじゃ、出発デース。セバスチャン、車を用意してくだサーイ!」
涼:『核』っていうぐらいだから、相当大きな『石』なのか? それこそ、ステージの後ろにドーンと置かれているような。
GM:そんなに大きくはないよ。せいぜい、握りこぶしぐらいかな。
涼:てことは……加藤チャゲが肌身離さず持ってる可能性が高いな。
隆志:出来る限り、情報を集めよう。『石』のこととか、今夜の打ち上げの会場の場所とか。
涼:そんなの、教えてくれるか?
隆志:私と金太郎の能力を駆使してみよう。自らの能力に気づいたことで、より『力』が強くなったりはしないの?
GM:するねぇ。例えば君は、もうちょっと長い時間の『過去』を聞けたりする。
隆志:それでスタッフたちの立ち話を『聞いたり』して……偶然打ち上げの話を聞けるものなのかな?
GM:んー……まあ、聞けたことにしよう。金太郎が『敵の居場所』を描いたことにしてもいいし、チャーリーがスタッフをなだめながら(不信感を『取り除き』ながら)聞き出したことにしてもいいし。
涼:適当だな。
GM:まあまあ。チャーリーが金の力を駆使して調べ上げるよりはいいっしょ?
涼:ちゅーか、設営スタッフのフリをして「今日の打ち上げ、何時からでしたっけ?」と話を振るのが一番早いんじゃないか?
GM:……それじゃミもフタもないじゃん。
涼:まあいい、俺はコンサートを純粋に楽しむことにしよう。
GM:一真・二葉・織葉が待ってるぞ(笑)。
涼:「いやー、素晴らしいコンサートだった」
一真:「……平に言い付けてやる」
隆志:では、打ち上げ会場に先回りすることにしよう。
チャーリー:OK、リムジンでGOデース!
金太郎:……目立つやろ、それは。
GM:そーいや隆志以外は未成年だな。
浩之介:わし、そこにいないし。
涼:私服着てれば、分からないだろ。
GM:でもアルコールはダメ……──あ、二葉はビールが好きなんだった(笑)。
涼:まあ適当に飲み食いしていよう。──それより、加藤チャゲはいるのか?
GM:いるよ。他のお客さんも気づいたららしく、チラチラ見てるね。
涼:他の客がアショカを見てる中で、俺らだけチャゲを見てる、と(笑)。
隆志:バランスがいいね。
打ち上げはどんどん盛り上がり……ついに、酔った加藤チャゲが服を脱ぎ始めた。
涼:あーらら……。
チャーリー:で……『石』はどこにあるデスか?
金太郎:わいは、チャゲのカバンがあやしいと思う。
涼:俺は……あの帽子があやしいな。あれだけ脱いでも、帽子を取らないのが不自然だ。
隆志:単にハゲを隠すためでは?(笑)
GM:やがて……チャゲがトイレに立つよ。フラフラと、歩いていく。
涼:いこう。
チャーリー:僕もいきマース。
GM:織葉も……って、男子トイレじゃん。
涼:トイレのすぐ外で待っててもらおう。
二葉:「おるひゃ〜、ぐわんばってね〜」(酔ってる)
一真:「新崎、気をつけてな」
織葉:「……はい」
金太郎:わいは、カバンを探りにいくで〜! 酔ったフリして、近づいていく。
GM:では、トイレの方だ。加藤チャゲの後を追って中に入ると……姿が見えない。
涼:大きい方か。よし、不意打ちだ。
チャーリー:……涼、その手の中にあるビール瓶は何デスか?
涼:凶器だ。
しばしの、静寂。
そして、水の流れる音とドアの開く気配──
涼:おりゃ。(ビール瓶を振り下ろす)
ごすぅぅッッ!
GM:倒れる加藤チャゲ。帽子が取れ……そこには光り輝くハゲ頭が。
チャーリー:これが『核』!
涼:(淡々と)帽子の中の方だろ。
GM:そ。帽子の中に、握りこぶしぐらいの、青い、ぼんやりと光を放つ『石』がある。手に取るなら、『心』判定ね。
涼:『核』なんだろ? 判定するまでもなく失敗したことにしよう。
GM:ほう。
涼:今一番したいこと──事件が解決したので、タバコで一服。
GM:なら、タバコをまとめて口にくわえて、火をつけた(笑)。
涼:……倒れるな、それは。
再び、静寂。
ほとんど全裸で倒れている加藤チャゲと、タバコをくわえたままひっくりかえっている涼。
チャーリー:……それじゃ、僕は……帰りマース……。
一真:「どこへいく、どこへ」
チャーリー:「か、一真……? こ、これは、その……」
一真:「涼のヤツ、なにやってんだか……。……こいつを、新崎に渡せばいいんだな?」
一真は『石』を手に取り……平然とトイレの外へ出ていった。
GM:では金太郎の方に話を移そう。
金太郎:フフフ、接近して、こっそりカバンをあさるで。今度はもろた! もろたで〜!
GM:んじゃ、『技』判定するよーに。
金太郎:『技』技能は高いからバッチリ──失敗しとるぅぅ〜!(叫)
GM:(マヂですかい)
スタッフ:「コイツ! 加藤さんのサイフ盗もうとしてるッ!」
金太郎:「違うッ! 違うんや〜!」
GM:(あ〜あ……)
この物語は、ここで終わる。
涼と金太郎が何とか無事だったことだけ、付け加えておこう。
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