GM:こっそり後をつけてる金太郎たちに話を移そう。バスを降りた栞は、自宅の方に向かっている。ではここで『心』判定をするのだ。修正はマイナス10。
金太郎:そんなん、成功するワケないやん。(コロコロ)ほら失敗や。
GM:ならNPCの方も判定を……(コロコロコロ)一真が気づいた。栞は、バスに乗るときには付けてなかったペンダントを、首から下げてる。
チャーリー:ふーん(気のない返事)。
金太郎:家までちゃんと帰るか、尾行しよか。
GM:どのくらい離れて尾行する?
涼:気づかれないけど気づかない、それが2キロという微妙な距離。
金太郎:2キロは離れすぎや(笑)。50メートルぐらいにしよか。
GM:ふむ。……では、家の前まで来た。門を開けて玄関に手を……かけたところで、くるっと振り返り、門の外へ。
金太郎:お? 出てきたで。
浩之介:目はうつろなかんじ?
GM:(お前はここにいないだろ)暗いし遠いから、よく分からない。
金太郎:「よし、追跡するで。……ここからが本番や」
GM:金太郎の『技』と栞の『心』で即決勝負(お互いの判定の成功度で勝敗を決める方法)しようか。
金太郎:(コロコロ)53成功や。
GM:(コロコロ)それは大きく負けてるなぁ。栞は尾行に全く気づかないまま、とあるアパートの前まで来た。で、2階の真ん中ぐらいの部屋に、入っていく。ノックして、中から誰かが開けたみたい。
金太郎:誰かの部屋を訪ねたってことやな。──こっそりドアの前まで行こう。表札には、何て書いてある?
GM:小沢。
金太郎:小沢ぁ? 体育教師の、小沢小次郎かいな。覗きしてた。
GM:さあ、そこまでは分からない。担任でもない先生がどこに住んでるかなんて、普通知らないでしょ。
金太郎:……とりあえず進吾たちのところまで行って、このことを伝えるで。
進吾:「小沢ぁぁぁぁぁぁッ!!!」 (突撃モード)
一真:「おい、やめろ進吾」(必死で止める)
二葉:(同じく進吾を止めながら)「進吾くんはこっちで何とかするから、あとよろしく」
金太郎:「はあ? ……わ、わいひとりで……?」(急に弱気)
一真:(進吾の口を押さえながら)「まかせた」
金太郎:「……よし、わいにまかせときッ! ……まずは涼に電話や」
涼:(携帯を取って)「はいもしもし……おう金太郎か。どうした? 小沢の住所? 名簿に載ってるだろ。今外にいる? なんで小沢の住所なんだ? ……ああ、分かった分かった、ちょっと待ってろ。(受話器を押さえて)澪ちゃん、名簿どこにある?」
澪:(覚えているかどうか判定してみると……ファンブル(笑))「さあ? 電話帳の下にない?」
涼:「そもそもその電話帳はどこにある?」
澪:「えーと……捨てちゃったかも」
涼:「電話帳を捨てるなよ……。──もしもし、名簿、捨てたらしい。悪いけど、分からん。……急いでる? って言われてもないものは……(ふと気づき、自分で判定して)あ、あったあった。小沢だな。住所言うぞ」
金太郎:(住所を聞いて)「小沢の家に間違いないようやな……。──よし、いくで!」
金太郎はドアの前にまで移動すると、聞き耳をすませた。
金太郎:(コロコロ)男と女の声やな(笑)。
涼:小沢って、何歳ぐらい?
GM:んーと……40歳前後かな。未婚だよ。
金太郎:よし、ピンポンピンポンピンポン〜!
GM:玄関に人が来る気配が。
金太郎:せやけど……乗り込んでどないしよ。よく考えたら栞ちゃんて自分からここに来たんやったなぁ。……しばらく様子を見よか。
GM:呼び鈴鳴らして様子見るの?
金太郎:鳴らしてへん。
GM:鳴らしたじゃないか。
金太郎:鳴らしてへん、さっきのは妄想や〜!
GM:分かったよ(苦笑)。──んじゃ、しばらくして小沢先生と栞ちゃんが出てくる。
金太郎:こそこそ(隠れる)。
GM:ふたりはアパートの前に出ると、コクッとうなずきあって、別れるね。
涼:チュウしたりはしないのか。
GM:しないね。栞はぽてぽてと歩いていく。で、小沢はアパートに戻ろうと……
金太郎:(偶然を装って)「あれ、先生やないですか。……さっき一緒にいたの、栞ちゃんでっか?」
小沢先生:「栞とは誰のこと……っタイ」
金太郎:「全部見てましたで〜。フッフッフッ」
小沢先生:「………………」
金太郎:「小沢センセ?」
小沢先生:「それより成瀬、お前最近遅刻が多いそうじゃ──」
金太郎:「話をそらさんといてください」
小沢先生:「な、何を言ってるか分からん……っタイ」
金太郎:「進吾〜、とりあえず栞ちゃん捕まえてこいや」
GM:言われるまでもなく、後を追ってる(笑)。(コロコロ)ファンブルか。小沢先生は明らかに動揺しているぞ。
金太郎:「4人も見てたんでっせ?」
GM:先生は……いきなり、君を突き飛ばして走り出すぞ。
浩之介:ををぅ、あまりに露骨!
GM:でも何だか足元がおぼつかない。鉄ゲタのせいかもしんない(笑)。
金太郎:「待てぇい、『金太郎キーッック!!!』」(コロコロ)あ、あかん、失敗してる。
GM:何やってんだか。先生は逃げるぞ。
金太郎:「くそぉ、待ちや〜!」
GM:金太郎、ちょっと『心』で判定してくれる?
金太郎:(コロコロ)成功してる。
GM:じゃあ、聞こえてるな。
一真:「しょうがない、二葉、やれ!」
二葉:「うんッ!」
次の瞬間──小沢先生が、豪快に転んだ。
浩之介:おお、スネアー!
金太郎:何やぁ!? でもチャーンス! 押さえ込むで。
GM:一真も上に乗ろう。
小沢先生:「授業で分からんというとこを教えていただけ……っタイ」
金太郎:「だったら何で逃げたんでっか?」
隆志:……ちょっと待って。授業って……『保健体育』?
一同:うわーッ!(笑)
浩之介:手取り足取りそんなことをッ! こりゃ、兄貴には言えないなぁ。
小沢先生:「ま、まだ未遂だった……っタイ」
金太郎:「コ、コイツ、ほんまもんや……」
GM:そこへ、進吾が戻ってくる。
進吾:「すまん、見失った」
金太郎:「駄目じゃん」
進吾:「う……」
金太郎:(先生の方を見て)「お前……栞ちゃんに何をしたんや」
小沢:「ナニ……。……でも未遂っタイ」
一同:あ、言っちゃった。
GM:金太郎を押しのけて、進吾が小沢先生をボコボコに殴るね。
金太郎:「……これで、アンタの教師生命は終わりや」
GM:その前に人生そのものが終わってるかもしれない。──『心』判定ばかりで申し訳ないが、受動値でちょっと判定してくれる?
金太郎:(コロコロ)成功しとるで。
GM:小沢先生のジャージのポケットから、コロリと青い石が転がり落ちたよ。
金太郎:……何やろ? 気にしな〜い。
GM:(触らないか……。なら判定はなしだね)
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