#2 『LONELYPHANTOM』 02


 2年C組09:14 a.m.

GM:古典の時間だよ。──んじゃ、あとよろしく。

隆志:黒板に、『まんじゅうこわい』って書く。

浩之介:古典落語かッ!

隆志:駄目? なら、蕎麦をすする動作を納得いくまで繰り返すとか。

金太郎:自分でダメ出しするんやな。

浩之介:いいのか、そんな授業で。

隆志:いいのだよ、誰も聞いてないから。

GM:そうすると、麗香がガターンと立ち上がる。

涼:お?

GM:で、しばらくわなわな震えていたけど……また、どすんと座る。

浩之介:怒らない怒らない、いつものことなんだから。

隆志:ふむ……(気にしてない)。
 

 教室には……隆志が蕎麦をすする(マネをする)音が響いていた。いつまでも。いつまでも。

 給湯室12:45 p.m.

GM:早々と奥さんお手製の弁当を食べてしまった隆志は、給湯室で自炊中……だったよね?

隆志:そうだね。

GM:さて、そうしてると、先生たちがひそひそ話をしているのが聞こえてくる。

教師A:「また事件があったみたいですね」

教師B:「隣の高校、生徒が行方不明になったらしいですよ」

教師A:「うちも気をつけないと……」

教師B:「夏に自殺騒ぎがあったばかりですしねー……」

GM:んじゃここで、『心』判定をするのじゃ。

隆志:知力は低いよ。(コロコロ)失敗。もっしゃもっしゃ(食べてる)。

GM:失敗かぁ。じゃあ何も思い出せない。──では、そろそろ授業が始まるから、教室に向かうように。

 2年A組前13:16 p.m.

GM:隆志は、次の授業のために……そうだな、D組に行く途中、A組の前を通った。──さ、『心』の能動値で判定するのだ。

隆志:(コロコロ)成功しているねぇ。

GM:そうするとだね、どこからか『カナゾウ……』って声がする。

一同:カナゾウ……?

GM:はーい、それじゃ午後の授業が始まるよー。

金太郎:うおー、なんやったんやー!

 2年A組14:43 p.m.

GM:午後の時間は相変わらずだらだらと過ぎていく。マンガを読んでるもの、寝てるもの、フケてるもの……

チャーリー:そして授業をちゃんと聞いてても分からないおバカな僕。

一同:うん、そうだね(←冷たい)。

GM:さて金ちゃん、ちょっと『心』で判定してみて。

金太郎:なんや? (コロコロ)あー、おしい、4足りん。

GM:(少し失敗か。なら……)君は、うとうと居眠りをしてしまった。で、目を覚ますと……ノートにこんな落書きが。

←こんなの

金太郎:なんやこれ……? ちゅーか、誰が書いたんや?

GM:さあねえ(ニヤニヤ)。

 2年C組04:33 p.m.

GM:放課後である。C組のヤツ……って涼ぐらいか、『心』で判定するように。

涼:(コロコロ)失敗してる。かなり豪快に失敗してる。

GM:そうか、じゃあ今回は気づかなかったんだね。小鈴だけ、A組の方にいくことにしよう。

 2年A組04:34 p.m.

GM:金太郎が帰る準備をしていると、ガラスの割れる音がする。

チャーリー:Oh、そういえばそんなことがありマシタねー。……はっ!

浩之介:どうした、何か伏線がつながったか?

チャーリー:全然。

信也:「あーあ、掃除やり直しかよー」

二葉:「あたし手伝うよ」

信也:「あ、二葉ちゃんはいいよいいよ、ここのクラスじゃないし」

進吾:「それより七曲、チリトリ持ってこいよ」

信也:「なーんでオレが。カズマがいるだろー?」

一真:「ちゅーか、ワリ。割ったの俺だわ」

進吾:「何だよ百瀬、ほうきでも振り回したのか?」

一真:「えーと……ひじうち」

金太郎:「あーこりゃ弁償してもらわなアカンなぁ。……てことでガラス代十億万円や」(←値段上がってるし)

二葉:(小鈴に気づいて)「あ、小鈴ぅ」

小鈴:(ぽてぽて歩いてきて)「もー、また生徒会の仕事増やしてー」

二葉:「こういうのって、生徒会の仕事なの?」

小鈴:「違う気もするけど……まあいいわ。話、つけといてあげる。──それより、ケガとかしてない?」

一真:「ああ、大丈夫だ」

GM:金太郎、もう一回『心』で判定してくれる?

金太郎:おう。(コロコロ)成功しとるで。

GM:なら、一真と二葉がこそそこそ話してるのが聞こえる。

二葉:「カズマ、ごめん……」

一真:「それより、お前じゃないのか?」

二葉:「んーん、あたしじゃないよ。今日は違うヤツだし」

一真:「なんだ、かばって損した」

金太郎:「……お前ら、大丈夫か?」

一真:「ん、をう、金太郎か。……ほら、足元、ガラス気をつけろよ」

金太郎:「うおー、あぶねーあぶねー。もう少しで足がちぎれるところやった」

一真&二葉:「「なんでやねん」」

信也:「カズマ、手伝えよー! お前がやったんだろー!」

一真:「やっぱそれ、俺じゃないってコトで」

信也:「何言ってんだ、アホウ!」

 セ式茶道部室前04:47 p.m.

GM:涼が部室に向かっていると……向こうから、こそこそと平くんが歩いてくる。

浩之介:平?

涼:『1回目』のとき、部活に来なかったヤツだ。

平:「うあ、先輩……?」

涼:「よう。もうすぐ部活、始まるぞ」

平:「それがその……そう……腹痛、とかじゃダメですか?」

涼:「何を言ってるんだお前は。正直に言え」

平:「それがその……」

浩之介:デートか。

涼:駄目だ(即答)。

平:「いや、デートというか、その準備というか……コンサートのチケットを買いに……。今日行かないと、間に合わないんですよぅ」

涼:「誰のコンサートだ?」

平:「加藤チャゲ&アショカです」

涼:「行っていいぞ」(即答)

平:「ホントですか? ありがとうございます!」

涼:「明日は部活来いよー」

平:「はーい!」(走り去る)

涼:(部室に入って)「うーっす」

後輩:「ちゅす、先輩」

涼:「じゃ、始めるぞー」
 

 その後、「前にも言ったと思うが……」を連呼しつつ、『セ式茶道』について語った、涼なのであった。

 梨畑家07:12 p.m.

GM:涼が家に帰ると、澪さんが夕飯の支度をしている。

涼:「あれ、今日お前だっけ?」

澪:「へ?」

GM:(えーと、あ、そか、今日は涼の番か。勘違い勘違い……)

澪:「んーとぉ……そのスーパーの袋って……」

涼:「晩飯の材料」

澪:「あ、そか、今日はあたしじゃないんだっけ……」

涼:「もう作ったのか。なら、こいつは明日に回すか」

澪:「明日作ってくれるの?(嬉)」

涼:「そっちが間違ったんだから、明日も作ればいいだろ。順番変えるとややこしくなる」

澪:「やっぱりか……。……ちぇっ」

浩之介:まあそこはそこで、イチャイチャしててくれい。わしは寮でごはん食べよ。

GM:早く嫁もらえよ、ホント(笑)。

 結城家07:18 p.m.

GM:隆志は、いつもとーり小鈴の後に帰ってきた、と。

隆志:そうだね。

GM:(小鈴、PCじゃなくなったんだっけ。てことは……)隆志、電話が鳴ってるよ。

隆志:「はいもしもし結城ですが」

男性の声:『もしもし。あの……水沢さんはご在宅でしょうか?』

涼:お前に妹はやらん! ガシャーン!

隆志:でも男の声なんだよね。「……妹はいません」(←大嘘)

GM:(……そうなるよなぁ。これじゃ小鈴に話が伝わらないよ)

隆志:10月6日午後7時18分、男から電話アリ。声紋とか記録しておこう。

GM:こえ〜(笑)。

 結城家09:31 p.m.

GM:(えーと、小鈴に話が伝わらないとマズイんだよな……)夜、再び電話が鳴る。今度は奥さんが取って、

ヒフミ:「小鈴ちゃーん、電話よー」

小鈴:「はーい」(自分の部屋の子機を取る)

隆志:(自分の部屋でヘッドホンをはめて、何か機械をいじりはじめる)

浩之介:盗聴してるよ〜(笑)。

平:『もしもし、あの……僕、1年B組の平といいます』

小鈴:「はいどうも〜。はじめまして〜」

平:『あの、ぶしつけなお願いなんですけど……、明日の夕方5時、屋上に来てもらえませんか?』

小鈴:「いいですよ〜」(←何も考えてない)

平:『あ、ありがとうございます! それじゃ、あの、また、明日、お待ちしてます! お休みなさい!』

小鈴:「はーい、おやすみ〜」

チャーリー:全然意識されてないところがかなしいデース。

隆志:メモしたよ。明日5時、屋上、と。
 

 こうして、平和な(?)夜は更けていく……


Brand-new Heaven TRPG
<L・P>
<L.P>目次
TRPG TOP
HOME