チャーリー:(ソファーに座ってクールに)「──で、何があったのか、話してもらおうか」
金太郎:(問答無用でぶん殴る)
チャーリー:「アゥチ&ホワーイ!!」(イスから転げ落ちる)
涼:この痛みを、覚えておけー!
金太郎:「お前なあ……栞ちゃんがいなくなってもうたんや」
チャーリー:「ホワ〜イ?」
金太郎:「ホワイなんは、こっちや」
進吾:「コロースッ!(叫)」
一真:(後ろから羽交い締めにして)「落ち着けって。とりあえず話を聞こうぜ。……それで殺さなくちゃいけなくなったら、俺も手伝うから」
二葉:「あたしも手伝うよ」
小鈴:「うんうん」
隆志:(土屋邸の外で、うんうん)
金太郎:「……お前、いつ、どこで栞ちゃんと別れたんや?」
チャーリー:「どこって……門限前に、彼女の家まで送りマシタね」
金太郎:「家まで送った〜? だったら何でいなくなってるんや? ──進吾、お前、何時頃家に帰ったん?」
進吾:「あの後、すぐのバスに乗ったから……7時20分ぐらいには、家に着いたと思う。で、母さんに聞いたら、『まだ帰ってない』って……」
金太郎:「チャーリー、お前ホントに家まで送っていったんか?」
チャーリー:「間違いなく、彼女が『ここだ』という場所に、送っていきマシタ」
金太郎:その場所が実は違ったってことは……
GM:さすがに、ないみたい。
金太郎:「家に入るとこ、見たんか?」
チャーリー:「それは……。……だって彼女、僕が見えなくなるまで手を振ってたから──ポッ(赤面)」
進吾:「一度でいいから刺させろ〜!」
金太郎:「わいにまかせろ」(問答無用でチャーリーを殴る)
チャーリー:「なにするデスか〜!」
金太郎:「特にイミはない」
チャーリー:「ところで……何でこういうメンバーで来たデスか?」
金太郎:「う……(小声で)バカのくせにいらんとこに気づくな……」
一真&二葉:(しばらく見つめ合ってから)「「友情ッ!」」
チャーリー:「Oh〜! 僕、とっても感動しマシタ〜! アイムーヴドッ!」
金太郎:「……やっぱバカや」
一真:「ここにいても仕方がない。手分けして探そうぜ。俺と二葉は、遊園地まで戻ってみるから、金太郎と小鈴は駅周辺を。チャーリーと進吾は……学校の方を頼む」
チャーリー:「僕、進吾と一緒デスか? ……死の予感がしマース」
GM:がんばらないと、明日の太陽拝めないかもよ。
涼:ま、どんなにがんばっても明日の太陽は拝めないんだけどな。
GM:……そうなんだ……。
隆志:では、何か分かったらここに連絡するように。
小鈴:ああッ! いつの間にかお兄ちゃんが対策本部を設置してるッ!(笑)
チャーリー:しかも人の家に……。
GM:ホントにやるの?
隆志:ただの妄想だよ。──でもそろそろ急がないと、もう2時間以上過ぎてるよ?
GM:ん?
隆志:早く『ウィダーinゼリー』をチャージしないと。10秒キープ、2時間チャージ。
金太郎:あれ、10秒で飲むのが難しいんや(笑)。
隆志:そうだね。
金太郎:「進吾、警察には電話したんか?」
進吾:「まだだ……」
隆志:ファーストフード店で押収した、紙ナプキンを警察に届けるのはどうかな?
GM:チャーリーが栞の口を拭いたヤツか。……いつの間に(笑)。
涼:でも、警察にどう説明するんだ?
隆志:ああ、そのへんツッコまれると痛いね。……てことで、ボツ!
金太郎:「いくで、捜査は足や〜!」
チャーリー:「開け、オープンセェサーミ! ──って開くわけないデース……」
進吾:(門を飛び越えて侵入する)
チャーリー:ぐ、能力値低いのに……。ここで失敗するのが僕なの──(コロコロ)あ、クリティカル。
GM:イミもなく華麗に侵入したんだね。
チャーリー:ここはやっぱ……屋上デスかね。
GM:屋上は鍵がかかってるよ。
進吾:「栞〜!」
暴走する進吾に、一歩遅れてる上に要領を得ないチャーリー。
やっと帰ってきた不良舎監・浩之介や、宿直していたモグラ先生を巻き込んで学校中を探したが……栞は見つからない。
金太郎:「こういうときは、やみくもに動いても駄目や。頭を使わねば」
小鈴:「さっきと言ってることが違うね」
金太郎:「………………。──まず、彼女が家まで送ってもらったのは確かや」
小鈴:「チャーリーの言うことを信じるならね」
金太郎:「………………。……家の前まで来たのに家に入ってない、これは彼女が何か用事を思い出したからや」
小鈴:「案外チャーリーの家にいたりして」
金太郎:「………………。……この場合は忘れ物や。つまりッ! 栞ちゃんは遊園地におる! もろたッ! もろたで〜ッ! さっそく一真に電話や。──もしもし一真、わいや、栞ちゃんおったやろ? ……おらん? あ、そうか。そりゃそうや。わいは最初から分かってたで。……じゃッ!」
ブツッ! プープープー
小鈴:「………………」
金太郎:「………………」
プルルルル……!
金太郎:「はいもしもし──ああ、進吾か。学校にいない? そりゃそうやろー。こっちはもう居場所見つけたんで、あと10分もすればそっち連れていくよって。期待して待っててや。うん、うん、いやいや、そんな礼なんて後でええから……ん、ほな、切るでー。じゃーなー」
ブツッ! プープープー
小鈴:「………………」
金太郎:「ふふふ、もう分かったで。──彼女は一度家に帰った、その前提は変わりません。しかし、彼女にとっては初めてのデート、言いたいことはいろいろあったやろ。せやけどチャーリーはさっさと帰ってしまった……。チャーリーを追う栞ちゃん、せやけどここはどこわたしはだれ──つまりッ! 栞ちゃんは、チャーリー邸の近くにいるっちゅーこっちゃ。今度こそもろたッ! もろたでーッ! ……って、小鈴ぅー、どこや〜(笑)」
金太郎:そろそろ電話が来そうやな……電源切っとくかなぁ。
浩之介:おいおい。
金太郎:それとも醤油一気飲みして入院するか……。うーん……やっぱ、電源切っとこ。
進吾:「ありがとうみんな、今日はもういいよ……」
一真:「進吾……」
金太郎:「すまんなぁ、力になれなくて……」
進吾:「いや、手伝ってもらっただけで──って成瀬ぇ! お前、分かったって言ってたじゃないかーッ! どうなったんだ? え?」
金太郎:「い、いや、それが……急にばあちゃんの法事が……」
進吾:「んなワケあるかーッ!」
一真:「落ち着けって。……とにかく今日はもう遅いし、また明日探そう」
進吾:「そうだな……。──ありがとな、奥居も水沢も」
隆志:そうか、明日は体育の日で休みか。
GM:ん?
隆志:もちろん、分かっててこの日付にしたんだよね?
GM:お、おう……もちろん(……そーいやそうか、気づいてなかったよ)。
進吾:「ほな、また明日な」
チャーリー:「AHAHA、関西弁移ってマース。『金ちゃん菌』おそるべしデース!」
進吾:「そもそもお前のせいだろーがぁぁー! 笑ってんじゃねー、この大バカヤローッ!」
ド、ゴォォン!
チャーリー:「オー、マイ、ガーッッ!」(←バカ)
浩之介は夢をみた。
桜が舞い散る高校。
黒い学生服。
校舎裏。
恋文。告白。
「ごめんなさい……何かこういうの、気持ち悪いし……」
痛み。
引き裂かれそうな心の痛み。
アレはいつのことだったか……知らない。そんなこと……全然、知らない。
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