#1 『LOVEPASSION』 07


 ファーストフード店12:27 p.m.

チャーリー:それじゃ……ファーストフードにするデス。

涼:なぜファーストファーストにしたのか、その理由が大事。

チャーリー:ファーストフードなら、彼女が入りやすいだろうし、くつろぎやすいだろうと。

涼:なるほど、それでまずファミレスは落ちたな。(扇子でぱん、と膝を打って)……で、残り2つから、あえてファーストフードを選んだ理由は?

隆志:外人だから。

チャーリー:……話の腰を折らないでクダサーイ……。

涼:そういう風に他人を思いやって、その中で自分が「あ、これがいいんじゃないか」と判断する……──それがッ! 『セ式茶道』の、第一歩!

一同:おおおぅいッ!(笑)

GM:君は、どこからその講釈をたれているのだ?

涼:カウンターの奥から。実はバイトをしていたというオチ。(←ウソです。涼は遊園地に来てません)

金太郎:イヤなバイトやなァ……。

涼:俺はどこにいっても大概こうだぞ。

GM:ガソリンスタンドでなぜレギュラーを選んだか尋ねる店員、とか?

涼:そうだ。

GM:話を戻そう──チャーリーと栞は、ハンバーガーセットを食べている。

小鈴:わたしたちは外で、ヤキソバでも食べながら見張っておこう。

金太郎:わい、タコ焼きね。

GM:ふむ。で……だ。(ニヤリと笑い)ハンバーガーを食べていた栞の唇の端に、ケチャップがついてしまっているぞー!(笑)

チャーリー:なぜそんなに『お約束』ばかりーッ!
 

 それは、君がお約束が好きそうだからさ。
 

涼:「ついてるよ」と言う──それだけ。

浩之介:ぺろっとなめる。

GM:顔を、がしっとつかんで吸い付く。

隆志:殴って口の端を切って、ケチャップが目立たないようにする。

金太郎:指でふき取って、自分の口の横に塗る。で、ふき取ろうとしたら、にらむ。

小鈴:──さ、どれにする?

チャーリー:どれもイヤデースッ! じゃあ……紙のナプキンで、拭いてあげマース。

小鈴:ふ、拭いてあげるんだ……。

GM:で、なめるんだね。

チャーリー:なめませーん!

GM:分かった、なめたので拭くんだ!

金太郎:それはおばちゃんやーッ!

小鈴:拭いてもらったら……『らぶらぶポイント』は上がるのかなぁ?

浩之介:好意を持ってるなら、ひくことはないと思うが。

小鈴:でも、ツバがついたヤツで……

涼:ツバはつけーん!(笑) それは、俺でもひくぞ。

金太郎:小鈴、マジボケかいな……。

GM:じゃ、そういうことで、食事は無事に(?)終了だね。
 

 その後、コーヒーカップ、ゲームコーナー(ちゃちいの)と巡り……
 

GM:脱衣マージャンとか?

チャーリー:するかーッ!

金太郎:じゃあ、『松井ダージャン』

涼:『アンバDEサミーゴ』とかね。

チャーリー:次は、お化け屋敷にいきマース。

小鈴:ふふふ、わたし、怖いのも平気。遊園地大好き!
 

 楽しい時間は瞬く間に過ぎていく……

 観覧車04:16 p.m.

GM:いよいよクライマックスですな。

チャーリー:長い道のりデシタ……。

GM:で、どう座るのかな? 向かい合って? 並んで? 膝に乗せて?

チャーリー:うーあー……(悩んでいる)

GM:ほらほら、早くしないと、君が立ったまま観覧車は回っていくぞ(笑)。

チャーリー:おし、並んで座りマース!

GM:ほほう。

チャーリー:「最近のお化け屋敷はなかなかの迫力デスねー」(←恐怖判定に失敗した)

栞:「そ、そうですね……」(←恐怖判定に成功した)

チャーリー:「栞は全然平気そうだったのに……。自分が情けないデース……」

栞:「そんなことないですよ。──それよりほら、外の景色、キレイですよ」

チャーリー:「本当デース。でも……(耳元に口を近づけて)栞の方がずっときれいデスよ」
 

 などと言えるワケもなく……(笑)
 

チャーリー:「ハウビューテホウユーアー」
 

 というあやしげな英語を口走った、チャーリーなのであった……

 おみやげ屋05:13 p.m.

栞:「あ、これ『フォーチュン・ストーン』だ」

チャーリー:「ふぉーちゅんすとーん?」

栞:「これを持ってると、いいことがあるんですよ。今、すっごく流行ってるんです」

隆志:漢字で書くと『輝石』なのだね。

チャーリー:それ、別の話デース。──どうして流行ってるのか、聞いてみマス。

GM:どうして流行ってるのか……ですか?

涼:随分と難しいことを聞くな。

GM:かわいいからじゃ、ダメですか?

チャーリー:Oh、ソーリーソーリー。『フォーチュン・ストーン』って、いろんな色があるデスか?

GM:基本的には青かな。ペンダントとかブローチとかあるみたい。値段は高くないよ。

チャーリー:「じゃあ今日の記念に、おそろいで買っていきましょう」

栞:「いいんですか?」

チャーリー:「もちろんデース」(歯がきらーん)──買って、首にかけてあげマス。

進吾:(遠くで見てて)「もう我慢できるかー! 殺すー! 殺してやるー!」

金太郎:「落ち着け、落ち着け進吾、な、もうちょっと待ってみよ、な、ここからがいよいよ大人の時間──」

一真&二葉:「「アホかーい!」」(ダブルつっこみ)

金太郎:「とにかく殿、落ち着いてくだされー!」

進吾:「ええい、離せ離せ〜!」

金太郎:「殿がご乱心や〜!」

チャーリー:ええのんか〜!

GM:ええのんか?! ……チャーリー、まさかお前、ついに……

チャーリー:No〜! おとなしく、帰りマース。

 駅前広場06:10 p.m.

GM:では駅まで戻ってきた。と……君らのすぐ傍で、いきなりケンカが始まる。

チャーリー:ホワットハプン!?

GM:で、怖かったのか、栞がチャーリーに抱きついてくる。

一同:ををぉ〜!

チャーリー:それは……栞をかばうように立ちマース。……こっちにまで被害が来そうデスか?

GM:ううん。しばらくすると、仲間に止められる。でも栞は相当怖かったみたいで、君に抱きついたままだ。

チャーリー:(手が宙をさまよう)

栞:「先輩とこうしていると……なぜか落ち着く……」

チャーリー:(頭をなでながら)「ぼ、僕も落ち着きマスよ……」(←舞い上がってる)

小鈴:あらあら、また『殺意ポイント』アップね。
 

 やがて……ふたりは、静かに離れた。
 

チャーリー:栞の家はここから近いデスか?

GM:バスで10分ぐらいだよ。

チャーリー:なら、家まで送っていきマース。

GM:尾行組は同じバスに乗るとバレるから、1本あとのヤツだね。20分ぐらい後に出る。

小鈴:そうだね、そうしよう。

進吾:「いや、ここまででいいよ。あとは家に帰るだけだし」

金太郎:「そうか。なら、ワイらは帰ろうか」

小鈴:「そうだね。……月曜は休みだから、また火曜ねー」

進吾:「ああ、今日はありがとう」

GM:で、チャーリーは尾行組に気づかないまま栞の家に向かうワケだね。

チャーリー:「では、いきましょー、栞」

 八重木家前06:54 p.m.

チャーリー:「今日はとてもたのしかったデス。あなたはどうでしたか?」

栞:「とっても楽しかったです。あの……今日はありがとうございました」

チャーリー:「お礼を言うのはこっちデスよ。どうもありがとう」

小鈴:……で?

チャーリー:で、って……これ以上どうしろというのデス?

GM:いや……別に何かしろって言ってるワケじゃないよ(笑)。

チャーリー:じゃあ……手を振って帰りマース。

GM:栞も、門のところでずっと手を振ってるよ。

 成瀬家08:58 p.m.

GM:金太郎の携帯が鳴るよ。

金太郎:「はーい、もしもしどちらさんでっかー?」

進吾:「いもうとー!!!」

金太郎:「はい?」

進吾:「妹がいなくなったー! っていうか帰ってきてないし待っても待っても帰ってこないんだー!」

金太郎:「なんや? 進吾か? 妹って栞ちゃんのことか?」

進吾:「当たり前だー! あの金髪ヤロー……もう殺す、絶対殺す電話番号教えろー!」

金太郎:「落ち着けって。――わいが電話してみるから、お前ちょっと待ってろ。(チャーリーの携帯に電話して)もしもしチャーリーか?」

チャーリー:「イエス、そうデスけど……金ちゃんデスか?」

金太郎:「お前今どこにおるんや?」

チャーリー:「どこって……マイハウスデスが」

金太郎:「そうか、栞ちゃんさっそく連れ込んだんやなー! 待ってろ、今みんなでいくからな。首を洗って待ってろやー!」(ブツッと電話を切る)

チャーリー:「……なんなんデスか……?」


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