小鈴:バイクをかっとばしてきた彼と同じクラスなのね。
涼:捕まったら、「今生徒会で新しい通学方法について検討中なんです」と言っておこう。
二葉:「小鈴、おっはよー!」
小鈴に声をかけてきたのは茶色い髪(生まれつき)の元気な少女。
彼女の名は奥居
二葉。
チャーリー:ん? あ、ほぉーう……(←何かに気づいたらしい)。
小鈴:「おはゆー!」
一同:ゆ?
小鈴:今週の流行語は『ゆ』よ! 黒板に『おはゆー』って書いておこう。
金太郎:見てるみんなが「さむ〜」って言ってそうやな。
二葉:「今日もギリギリだったね」
小鈴:「うちの時計、『登り』になると遅くなるのよね」
浩之介:電池変えろ、電池。
GM:二葉は一学期の始めに交通事故で入院したことがある。あと、A組の一真のところによく遊びにいってる。
チャーリー:妹の名前は唯ちゃん?
GM:そ。兄の名前がサブローさん。
涼:何の話だ?
チャーリー:GMのHPをチェックすれば分かるよ。
麗香:「全く、生徒会が聞いてあきれますわ」
イヤミたっぷりに小鈴に声をかけてきたのは九尾
麗香。チャーリーに負けず劣らずの大金持ちのお嬢様だ。
浩之介:見たまんまの人だな。
GM:今回は分かりやすいキャラでいこうかと。覚えるだけで大変だしね。──あと、C組には『外人よりも外人ぽい』八重木 進吾君がいる。
小鈴:(顔を見て)んー……そうかも。
GM:ではC組もホームルームを始めよう。C組の担任はモグラ先生(もちろんあだな)だよ。
出席を取ったり『おはゆー』論争したりして……ホームルーム終了。
モグラ先生:「世の中いろんなことがあるので、注意してくださいね」
GM:A組の一時間目は数学です。数学教師の名前は陸奥 宗光。細い縁の眼鏡をかけた、クールな色男だよ。
陸奥先生:「それではこれから、抜き打ちテストを行う」
そう言って、実際に問題を配るGM。
金太郎:何やこれ。
GM:有名中学の入試問題だよ。小学5年生用だったかな。──A組の生徒じゃない人にも問題あげるから、解いてみて。
チャーリー:ちょっと待って、本当にやるデスか?
GM:制限時間は5分でーす!
チャーリー:あわわ……!
カリカリと鉛筆を走らせるプレイヤーたち。なかなか苦戦しているようである。
涼:計算機を使うことに、すっかり慣れてしまっているな……。
GM:あと2分でーす。
チャーリー:ウソッ?!
GM:ウソでーす。
隆志:カッチ、カッチ、カッチ、カッチ、カッチ、カッチ……
涼:やかましいッ!(笑)
小鈴:できましたー。
涼:早ッ!
GM:採点は自分でしてね。これ、解答例。
小鈴:全部あってる〜。さすが委員長〜!
GM:(小鈴って委員長だったのか……)
つーか、小鈴はA組ではない。
隆志:他の生徒の代わりだったんだよ。その、眼鏡の子とか。
GM:なるほど、織葉の代わりか。
浩之介:できたー!
小鈴:採点してあげるね。……えーと、バツ、バツ、バツ!
浩之介:ウソォ!?
GM:お前は信也の代わりだ(笑)。
浩之介:とほほ……。
GM:(時計を見て)はーい、それじゃここまでにしまーす。
チャーリー:ふーう……。
GM:日本語が分からなかったってのはなしだからね。
隆志:問題が読めなかったと主張するのだな。
金太郎:「よっしゃー! もろたッ! もろたで〜!」
チャーリー:この人、こっちの方ちらちら見てマシタねー!
GM:あっはっは、設定どーりにカンニングしたワケだ。
小鈴:採点してあげるよ。……チャーリー、ひとつ間違い。……金太郎、満点。
金太郎:よっしゃ、満点や! 完璧や!
チャーリー:あれ、僕の写したんじゃないデスか?
金太郎:さっき小鈴が解答言ってたのを聞いてたんや。
一同:き、きたねーッ!(笑)
金太郎:これが『てくにっく』っちゅーもんやな。
GM:C組の授業は古典だよ。てことで、あとよろしく。
隆志:「──というのが英語の『study』のもとになった単語であって、本来は『勤勉にする』という意味であって、つまり……(レ点を打ちながら)『ゲルマン人は、あまり、熱心に、農業をしていなかった』という意味になる」
涼:……どこが古典だよ(笑)。
GM:誰も「先生、そこ間違ってます」とつっこめない(笑)。
隆志:そもそも、全員の教科書が違うからね。枕草子とか漢書とか。
金太郎:ハングル語辞典とか。
隆志:粘土板とかね。
小鈴:……さすがお兄ちゃんだわ……。
隆志:誰も授業なんか聞いてないだろうし、こっちも聞いてないことに気づいてないから、これでOK。
GM:……そうなのか……?
隆志:妹の方しか見てないから、それでいいのだよ。
浩之介:やることないから、寝ながらパチンコでも行くか。
チャーリー:寝ながらパチンコ行くデスか? 器用デスね。
涼:そのくらいできないで、何が寮の舎監だ。
浩之介:ちょいとちょいとお前さん……。
チャーリー:寮の舎監……奥が深いデース!
涼:全然深くないよ。──なあ?
小鈴:深いかも(笑)。
チャーリー:ところで……僕の『コマ』が持ってる本は、何ですか? のるま……?
GM:『ノルマンディ』と書いてある。『マディソン郡の橋』と書くつもりが、なぜか間違って『ノルマンディ』と書いてしまっていた(笑)。
金太郎:それはジャ○プのマンガや。
GM:お昼休みだよ。隆志は奥さんの弁当があるよね。
隆志:学校に来る前に食べてしまったので、給湯室で自炊。
金太郎:自炊かいな。
浩之介:妹のことしか見てないのに、よく奥さんヤキモチ焼かないよな。
涼:奥さんもそうなのかもしれんぞ。弟が大好き。
小鈴:てことは……カモフラージュのための偽装結婚?
涼:それもいいかも。
チャーリー:ちょっとちょっと……。
涼:夫婦仲良く同じ道を歩んでいれば、結婚生活はうまくいくんだよ。
GM:他の人はどうしてる?
小鈴:教室でみんなに囲まれて──
GM:──ボコボコにされてる?
小鈴:仲良くお弁当食べてるの!
チャーリー:優雅にアフタヌーンティーデース。ジャスミンティーでも飲んでマース。
涼:香港出身だからな。
小鈴:なぜか香港出身(笑)。
チャーリー:クラスの女子にだけ、ジャスミンティーを御馳走しマース!
小鈴:ヤなヤツ〜!
GM:「なんか臭いわ、これ」とか言ってるぞ──ジャスミン茶だから。
隆志:トイレの臭いがするのだね。
チャーリー:オーマイガッ! 僕としたことが。
金太郎:「貴様、毒を盛ったなー! わいには全てお見通しやー!」
チャーリー:「NO〜! 違いマース!」
小鈴:……A組って、楽しそうだよね……。
GM:午後の授業だよー。
浩之介:さー、負けた分を取り返しにいくぞー!
GM:またパチンコか、お前は。
隆志:授業もないし、大学の方に戻ろうかな。
涼:腹もふくれたし……寝るか。
眠っているもの。マンガを読んでいるもの。フケているもの。
隆志:そして、新しい生き物が後頭部から生まれているもの。
GM:なんだそりゃ(笑)。
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