ACT9.0[ゆがみのむこう] 01

 隠された礼拝堂。不気味なトカゲ。猫の視線。ワインづけの死体。謎の地下水路。

 そんなものばかりの建物が、自警団の『寮』となった。
 

GM:謎が多い建物だけど、みんなあんまり気にしないで住むことになった。

ヴァイス:そんなんでいいのかな……。

エミリー:そしてわたしもプロレスのツアーから帰ってきました。

ユリア:感染ツアーから。

ヴァイス:そっちか。
 

 どうでもいいが……『プロレス』って世界観と微妙に合わない気がするぞ。
 

GM:では感染したかどうか判定を。

エミリー:しなくていいです。

GM:んじゃ、久しぶりに全員集合ってことで。



GM:では、寮ができてから1カ月ちょっとが過ぎた。11月の上旬です。

フウゲツ:いつの間にそんなに。

GM:フウゲツもそろそろここの生活に慣れてきた。──2カ月の間に何かしたいことある人いる?

エミリー:肉ベッド製造……ウソウソ。

GM:それ、採用。

ユリア:害虫駆除を。

GM:それってヴァイスのこと?

フウゲツ:クリスマス公演に向けて劇団の特訓を。

ヴァイス:いつの間に劇団に。

エミリー:勉強が先です!

フウゲツ:勉強と劇団とどっちが大事だと──

エミリー:勉強に決まっておるわーッッ! どうしても劇をやりたいならワシを倒してからに……。

シュリ:ワシ……?

GM:変な風に感染してきたなぁ……。

エミリー:ごめんなさい、『わたし』です、『わたし』。

GM:──んで。毎月恒例の買い出しに行くですよ、シュリさん。

シュリ:あ、月一だったんだ。

GM:だいたいそんなもんです。──てことで、マーロ=クリンスキー登場。

シュリ:おー、久しぶりに見た。収穫祭でダンス断って以来かな。

GM:ヴァイスはどうする? 帝都までついてく?

ヴァイス:は? 特にいく理由はないと思うけど。

エミリー:帝都で羽を伸ばしてくればいいのに。

フウゲツ:(シュリが一緒だから)無理だと思うぞ。

シュリ:……それってどういう意味?

ヴァイス:羽を伸ばすどころか羽をむしられそうだ。

シュリ:むしられるだなんて……そんな風にかまってもらえると思ってたとは、心外だわ。

エミリー:帝都に知り合いとかいないの?

ヴァイス:知り合いはいるけど、友達はいない(←自分で言うなよ)。

ユリア:帝都の住民チェックをしてくればいいれすよ。

フウゲツ:「コイツは覚えてる〜」ってヤツだな。

レイチェル:そういえばそういうキャラだった……(ヴァイスは個人の詳細なデータを記録するのが趣味、という噂がある)

GM:(そして本人すら否定しないとこがミソ(?)だな……)

レイチェル:そういえば赤髪の殺人鬼の話は……。

GM:で、ヴァイスは結局どうするの?

レイチェル:赤髪の殺人鬼──

ヴァイス:いかないよ。

レイチェル:無視か。──私たちは殺人鬼の話は聞いたのか?

GM:聞いてないよ。

ヴァイス:ひぇ?

GM:いや、そんなビックリした顔されても……。──村長には言った、ゲインさんにも言った、でも自警団のメンバーには一言も言ってない。

ヴァイス:そうだっけ……?

シュリ:あたしはACT3.5を読んでないから、村長に報告したことすら知らない。……じゃあ収穫祭のとき女の子を見たって話も……。

GM:してないだろうね。
 

 今回、シナリオにはいくつかの分岐点(チェックポイント)がある。

 ヴァイスが帝都に行くか行かないか──これもそのひとつ。

 これでPCたちは殺人鬼に関する追加情報を得ることができなくなった。
 

エミリー:(考えて)わたしは、ウェンディ──妹が帝都にいるワケでもないし、他の家族がいるワケでもないから──

シュリ:ちょっと待って。

エミリー:ん?

シュリ:誰がアンタをさそったの?

エミリー:ああん!(一同苦笑) ……ね、シェオールたちってどうなったの?

GM:トパーズ・マフィ・シェオールの3人は、帰ったよ。もうこの街にはいない。
 

 トパーズたちが帰るか帰らないかも分岐点のひとつである(ACT7.0で仲良くならなかったので、自動的に帰ったことになった)
 

GM:んで? ヴァイスは殺人鬼のこと話すの?

ヴァイス:シュリには話さないと仕方ないだろう。

シュリ:もっと早く言いなさいよね。こっちはそれに対して何の準備もしてないんだから。
 

 帝都に出没するという赤髪の殺人鬼──<紅>。赤い髪が皇族特有のものであるため、大っぴらに噂することもできず、また有力な手掛かりもつかめないまま……であるらしい。
 

ユリア:その殺人鬼はカードで殺したりはしないの?

GM:それはどうだろう(笑)。

シュリ:ああ、第三部の撃墜王の話ね。

GM:そして撃沈王でもある。

シュリ:撃沈王はヴァイスでしょ?

GM:では、マーロ、シュリたちは帝都へ向けて出発ということで。

シュリ:「フウゲツは来てくれないの?」

ヴァイス:「護衛として、いってくれませんか?(笑)」

シュリ:「そんな言うならアンタが来なさいよ、いろいろ知ってんだから」

ヴァイス:「やだ」

フウゲツ:「あー……じゃあ、俺いきます」

シュリ:「やった♪」

エミリー:その間に子供たちにみっちり勉強を……。

フウゲツ:がーん……。

シュリ:いちゃいちゃしながら馬車に乗り込もう。

フウゲツ:妙な寒気を感じる……。冬の到来が早いな……。

GM:(マーロ、シュリ、フウゲツの一方通行三角関係か……)んじゃ、買い出し組は出発するよー。



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