ACT16.0[贖罪]01

旅の終わりに思い出すのは、はじまりのこと。

そしてそれは。そしてそこから。

消えていく。

遠くへ。果てへ。

全ては、消えていくのだ……


GM:ではその日の夜。みんなはお城に一泊、かな。

キュア:そうなるね。

ビオ:今日はボルサオに関する情報はナシか。

ヴァンダイク:捜索隊が全員ハムスターだったのかもしれん。

ドモ・ルール:それなら情報がないのもうなずける。

リトナ:ものすごい数のハムスターが一斉に城から出ていくんだね。

アリア:……お城、崩れちゃうんじゃ。

リトナ:いや、それよりも──
 

 そのまま、ハムスター談義に突入するプレイヤーたち。
 

GM:話進めるぞー。

一同:おう!

GM:お返事だけはよろしいようで……。

 <黎明のヴィエイユ>王城 夕暮れ──

GM:さてアリア。君は、お城の廊下をぽてぽてと歩いている。

アリア:Yeah♪(元気よく手を挙げる)

GM:……テンション高いね。

アリア:高いね〜。何でかな、これで赤編が最後だからかな。あたしはこのまま赤編を永遠にやってたいよぉ〜!

GM:無茶を言わない。

アリア:で、あたしは何で廊下をうろうろしてるの?

GM:さあ? トイレ、とか?

キュア:夜食の後、とか。

ヴァンダイク:ただの徘徊とか。

アリア:そんな理由はイヤぁー!

GM:そんな夜中でもないしね。夕方ぐらいだし。

リトナ:全然夜じゃないじゃん。

アリア:城内探検だー。出歩いちゃえー。

GM:そうすると……途中で、老人と出会う。ご意見番も兼ねたおかかえ魔術師のじーちゃん……かな。

アリア:「こんばんはー」

GM:老人も軽く頭を下げ、すれ違おうとして──足を止め、アリアの方を振り返る。

老人:「翼を持つ方よ。高貴な方よ。いずこより、参られましたのかな?」

アリア:「東です」

老人:「ほうほう、そうでございますか。……まるで、天の御使い様のようじゃ。立派な翼を……お持ちのようですの」

アリア:「……翼?」

キュア:アリア、翼なんてあったっけ?

GM:いや、ないよ。ふわふわ飛べるけど、翼はない。

リトナ:(突然)もしも、ひとつだけ翼があったなら──

ゴルディッシモ:アイツに夢中でチャンバも走る♪

キュア:キャ〇テン翼(アニメ主題歌)かー。

リトナ:ゴーゴーサンマ、明石屋さんま♪

ゴルディッシモ:それ、歌詞違う。

アリア:「そうなんですか……? あたしに、翼なんてないのに。──浮けますけどね」(ふわっと宙に舞ってみせる)

老人:「おお、それこそまさに<翼>の力」

アリア:「そうなんだ……。……でも、普通に翼がある人もいますよ」

リトナ:ヴァンダイクのアレは着脱式だから(プロローグのキャラ設定ページ参照)

GM:その設定はボツったんじゃなかったのか……?(笑)

ヴァンダイク:いや、当たらずも遠からずかもしれん。

老人:「きっと、その方も高貴な血筋の方なのでしょう」

アリア:(小声で)「アレが高貴……? でも、一応公国持ってたとか言ってたっけ……」

老人:「ふぉっふぉっふぉ。長々と失礼しましたな。……わしも、年を取ったということですかの」

アリア:「いえいえそんな。……ひょっとして、何かお話しがあったのでは?」

老人:「いえいえ。ただ、ふと目についたものですから。……これから何をなされるのかは存じませんが、頑張ってくださいませ」

アリア:「ありがとーございます」

老人:「姫様(キュアのこと)はお小さい頃からご友人と呼べる方が少ないお人でした。……姫様のこと、なにとぞ、なーにーとーぞー、よろしくお願いいたしまする」

キュア:ほっといて。

リトナ:あと少しの間は、友人いるから。

ヴァンダイク:旅が終われば赤の他人だがな。

老人:「お小さい頃から、自分の角でばかり遊んでおられて……」

ビオ:なるほど、それで今あんなことに……──って、そのネタはヤバイんじゃないのか?

アリア:「分かりました。……何とかしてみます」

GM:「何とかしてみます」ってのもスゴイ言い方だな。

アリア:本人の努力次第なんですけどね。

GM:それは言わないお約束。──というワケで、じいさんは去っていきます。

アリア:わーいじいさーんだぁー! わー! きゃー♪(←変なテンションだ)

GM:んで……その夜は、物語では恒例ともいえる『ささやかな宴』というヤツが開かれる。

アリア:やっほー! ──あたし、お姫様待遇かなぁ。

ビオ:ささやかな国のささやかな宴の料理を片っ端から平らげてやろう。

ゴルディッシモ:(おさかな天国のメロディで)モヤシモヤシモヤシ〜モヤシをたべーるとー♪

アリア:……どこまでいってもモヤシなのね……。

ゴルディッシモ:モヤシーのー、リークーエーェスト♪ さいごーのー、リークーエーェスト♪(←涙のリクエスト(チェッカーズ)、今の若い子は知っているのか?)

GM:ワケ分かんないし……。

ゴルディッシモ:(歌は止まらない)あしーもとにー、からみーつぅくー♪(←ルパン三世)

リトナ:モヤシがからみつくんだ。

キュア:イヤすぎる。

ゴルディッシモ:──というような宴をしているのだよ。

アリア:く、暗い……。

ゴルディッシモ:ささやかな宴。

ヴァンダイク:みんなでぼそぼそとモヤシを食べておるのだね。モヤシ酒、手酌酒。

リトナ:それはささやかっていうか……何か違うぞ。

キュア:そんな宴はイヤだー。

ゴルディッシモ:モヤシファンクラブ『モヤシングワールド』に入会された方にはもれなく、モヤシ一年分無料券プレゼント。

GM:(無理矢理話題を変える)キュア様は着飾ったりしないの?

アリア:はいはーい、着飾るー! 着飾るー!(←いや、君ではなくて)

リトナ:きかざるー! 聞か猿ぅー!

ビオ:見猿ぅー! 言わ猿ぅー!

アリア:着飾るー。(リプレイの)挿絵になるぐらい着飾るー。

リトナ:オレも人型で着飾ろうかな。……10分ぐらいで肩凝ってやめるだろうけど。

GM:んで。キュア様は着飾らないの? 主役なのに。自分の城なのに。

キュア:主役はお客様の方でしょ? こちらが着飾る必要はないんじゃ。

アリア:えー、キュアがドレス着ないと、あたしだけメチャメチャ浮いちゃうんだけど。何なのよ、あたしッ! ってかんじで。

GM:ホストが正装しないでどうするの。

リトナ:キュア様さぁ、それは人をもてなす礼儀として間違ってるんじゃないかなー。……まあ、猫の身としては何も言えないけどぉ。何も言えないけどぉ……──ビオさん、それオレの魚。

ビオ:ん? いやいや、そんなこたぁねえだろ。

リトナ:いやいや、あるんだってば。

アリア:キュアキュア〜、オシャレしようよー。民族衣装みたいのあるかもしれないんだしさぁ。

キュア:ほう……。それで、そのデザインをGMに任せると?

アリア:そうそう。

GM:(勝手なことを……)激しいのがお好み?

ゴルディッシモ:(胸と股間を押さえて)シール、シール、みたいな。

ヴァンダイク:露出度激しいな(笑)。……どちらかというと寒そうな国に見えるのだが。ということで……牛柄のパンチョでどうか。

リトナ:パンチョ伊東……?

アリア:それを言うならポンチョなんじゃ。

ヴァンダイク:そうとも言う。

ゴルディッシモ:さあみんなでモヤシを食べて、おいしさハートにビビンバこい!(焼き肉なべしま

GM:そのネタはローカル過ぎて分からないぞ……。

リトナ:それは「リカちゃん、うちのおじいちゃんよ」(伝統にんにく卵黄)と同じぐらいローカルだ。
 

 そんなかんじで宴が開かれ。宴は続いていく……



PREVNEXT

MONDF目次

リプレイTOPへ