旅の終わりに思い出すのは、はじまりのこと。
そしてそれは。そしてそこから。
消えていく。
遠くへ。果てへ。
全ては、消えていくのだ……
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GM:ではその日の夜。みんなはお城に一泊、かな。
キュア:そうなるね。
ビオ:今日はボルサオに関する情報はナシか。
ヴァンダイク:捜索隊が全員ハムスターだったのかもしれん。
ドモ・ルール:それなら情報がないのもうなずける。
リトナ:ものすごい数のハムスターが一斉に城から出ていくんだね。
アリア:……お城、崩れちゃうんじゃ。
リトナ:いや、それよりも──
そのまま、ハムスター談義に突入するプレイヤーたち。
GM:話進めるぞー。
一同:おう!
GM:お返事だけはよろしいようで……。
GM:さてアリア。君は、お城の廊下をぽてぽてと歩いている。
アリア:Yeah♪(元気よく手を挙げる)
GM:……テンション高いね。
アリア:高いね〜。何でかな、これで赤編が最後だからかな。あたしはこのまま赤編を永遠にやってたいよぉ〜!
GM:無茶を言わない。
アリア:で、あたしは何で廊下をうろうろしてるの?
GM:さあ? トイレ、とか?
キュア:夜食の後、とか。
ヴァンダイク:ただの徘徊とか。
アリア:そんな理由はイヤぁー!
GM:そんな夜中でもないしね。夕方ぐらいだし。
リトナ:全然夜じゃないじゃん。
アリア:城内探検だー。出歩いちゃえー。
GM:そうすると……途中で、老人と出会う。ご意見番も兼ねたおかかえ魔術師のじーちゃん……かな。
アリア:「こんばんはー」
GM:老人も軽く頭を下げ、すれ違おうとして──足を止め、アリアの方を振り返る。
老人:「翼を持つ方よ。高貴な方よ。いずこより、参られましたのかな?」
アリア:「東です」
老人:「ほうほう、そうでございますか。……まるで、天の御使い様のようじゃ。立派な翼を……お持ちのようですの」
アリア:「……翼?」
キュア:アリア、翼なんてあったっけ?
GM:いや、ないよ。ふわふわ飛べるけど、翼はない。
リトナ:(突然)もしも、ひとつだけ翼があったなら──
ゴルディッシモ:アイツに夢中でチャンバも走る♪
キュア:キャ〇テン翼(アニメ主題歌)かー。
リトナ:ゴーゴーサンマ、明石屋さんま♪
ゴルディッシモ:それ、歌詞違う。
アリア:「そうなんですか……? あたしに、翼なんてないのに。──浮けますけどね」(ふわっと宙に舞ってみせる)
老人:「おお、それこそまさに<翼>の力」
アリア:「そうなんだ……。……でも、普通に翼がある人もいますよ」
リトナ:ヴァンダイクのアレは着脱式だから(プロローグのキャラ設定ページ参照)。
GM:その設定はボツったんじゃなかったのか……?(笑)
ヴァンダイク:いや、当たらずも遠からずかもしれん。
老人:「きっと、その方も高貴な血筋の方なのでしょう」
アリア:(小声で)「アレが高貴……? でも、一応公国持ってたとか言ってたっけ……」
老人:「ふぉっふぉっふぉ。長々と失礼しましたな。……わしも、年を取ったということですかの」
アリア:「いえいえそんな。……ひょっとして、何かお話しがあったのでは?」
老人:「いえいえ。ただ、ふと目についたものですから。……これから何をなされるのかは存じませんが、頑張ってくださいませ」
アリア:「ありがとーございます」
老人:「姫様(キュアのこと)はお小さい頃からご友人と呼べる方が少ないお人でした。……姫様のこと、なにとぞ、なーにーとーぞー、よろしくお願いいたしまする」
キュア:ほっといて。
リトナ:あと少しの間は、友人いるから。
ヴァンダイク:旅が終われば赤の他人だがな。
老人:「お小さい頃から、自分の角でばかり遊んでおられて……」
ビオ:なるほど、それで今あんなことに……──って、そのネタはヤバイんじゃないのか?
アリア:「分かりました。……何とかしてみます」
GM:「何とかしてみます」ってのもスゴイ言い方だな。
アリア:本人の努力次第なんですけどね。
GM:それは言わないお約束。──というワケで、じいさんは去っていきます。
アリア:わーいじいさーんだぁー! わー! きゃー♪(←変なテンションだ)
アリア:やっほー! ──あたし、お姫様待遇かなぁ。
ビオ:ささやかな国のささやかな宴の料理を片っ端から平らげてやろう。
ゴルディッシモ:(おさかな天国のメロディで)モヤシモヤシモヤシ〜モヤシをたべーるとー♪
アリア:……どこまでいってもモヤシなのね……。
ゴルディッシモ:モヤシーのー、リークーエーェスト♪ さいごーのー、リークーエーェスト♪(←涙のリクエスト(チェッカーズ)、今の若い子は知っているのか?)
GM:ワケ分かんないし……。
ゴルディッシモ:(歌は止まらない)あしーもとにー、からみーつぅくー♪(←ルパン三世)
リトナ:モヤシがからみつくんだ。
キュア:イヤすぎる。
ゴルディッシモ:──というような宴をしているのだよ。
アリア:く、暗い……。
ゴルディッシモ:ささやかな宴。
ヴァンダイク:みんなでぼそぼそとモヤシを食べておるのだね。モヤシ酒、手酌酒。
リトナ:それはささやかっていうか……何か違うぞ。
キュア:そんな宴はイヤだー。
ゴルディッシモ:モヤシファンクラブ『モヤシングワールド』に入会された方にはもれなく、モヤシ一年分無料券プレゼント。
GM:(無理矢理話題を変える)キュア様は着飾ったりしないの?
アリア:はいはーい、着飾るー! 着飾るー!(←いや、君ではなくて)
リトナ:きかざるー! 聞か猿ぅー!
ビオ:見猿ぅー! 言わ猿ぅー!
アリア:着飾るー。(リプレイの)挿絵になるぐらい着飾るー。
リトナ:オレも人型で着飾ろうかな。……10分ぐらいで肩凝ってやめるだろうけど。
GM:んで。キュア様は着飾らないの? 主役なのに。自分の城なのに。
キュア:主役はお客様の方でしょ? こちらが着飾る必要はないんじゃ。
アリア:えー、キュアがドレス着ないと、あたしだけメチャメチャ浮いちゃうんだけど。何なのよ、あたしッ! ってかんじで。
GM:ホストが正装しないでどうするの。
リトナ:キュア様さぁ、それは人をもてなす礼儀として間違ってるんじゃないかなー。……まあ、猫の身としては何も言えないけどぉ。何も言えないけどぉ……──ビオさん、それオレの魚。
ビオ:ん? いやいや、そんなこたぁねえだろ。
リトナ:いやいや、あるんだってば。
アリア:キュアキュア〜、オシャレしようよー。民族衣装みたいのあるかもしれないんだしさぁ。
キュア:ほう……。それで、そのデザインをGMに任せると?
アリア:そうそう。
GM:(勝手なことを……)激しいのがお好み?
ゴルディッシモ:(胸と股間を押さえて)シール、シール、みたいな。
ヴァンダイク:露出度激しいな(笑)。……どちらかというと寒そうな国に見えるのだが。ということで……牛柄のパンチョでどうか。
リトナ:パンチョ伊東……?
アリア:それを言うならポンチョなんじゃ。
ヴァンダイク:そうとも言う。
ゴルディッシモ:さあみんなでモヤシを食べて、おいしさハートにビビンバこい!(焼き肉なべしま)
GM:そのネタはローカル過ぎて分からないぞ……。
リトナ:それは「リカちゃん、うちのおじいちゃんよ」(伝統にんにく卵黄)と同じぐらいローカルだ。
そんなかんじで宴が開かれ。宴は続いていく……