その男は、紫煙をくゆらせながら、レプス04小隊に鋭い目付きを向けた。
ゆっくりと、タバコの煙を吐き出す。そして、言った。
黒炎:「いつまで待たせるつもりだ……阿呆が」
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アリア:しかも後ろから吹き矢で攻撃されました……。
GM:にゃはは、ちゃんと信用して待ってるかどうか、試してみたのだ。たまにはこう、じーっと待つだけというのもしんどくていいかな、と。
アリア:信用はしてたけど……心配だったってのもあるの〜。
GM:ほうほう。
リトナ:つーか、退屈だった。
GM:ふむ──そしてついにこのときが来てしまったんだな。
一同:???
GM:黒炎、ヴァンダイク、ラグランジェ──漢と、男と、オトコの、愛のバトルが。
ヴァンダイク:をを、そういうことか。
アリア:……まあ、ホモはホモどーしガンバって。
ビオ:黒炎はホモではない〜!
ラグランジェ:ボクだって〜!
ヴァンダイク:仕方ないではないか。『MONDF』のFは『フォモ』のFなのだから。
リトナ:『フォモ』って何だよ(笑)。
ヴァンダイク:フォモセンサーに反応が。
GM:えー……話を続けよう。
黒炎:「元気そうだな……──アリア」
アリア:「元気ですよ、黒炎──隊長」
ビオ:なんか、微妙な間があったな。
アリア:ほほほ(←フェルチアイア姫であることはみんなには秘密)。
ヴェルティナ:「隊長〜、この子ら、ちゃんと待ってなかったんですよー」
黒炎:「ああ……まあ、そうだろうな」
アリア:「あのー……お知り合いですか?」
黒炎:(タバコを吹かして)「……そうか、お前たちは初対面か」
アリア:「会ったことないでーす」
ビオ:「一度もねえよ」
リトナ:「一度くらいはあるかもしれないけど……覚えてないや」
黒炎:「──噂ぐらいは聞いたことがあるだろう。コイツらが『ノイジィ・フォー』こと……『レプス01小隊』だ」
キュア:「ああ、彼女たちが01小隊……」
リトナ:「そうだったんだ……。ついにオレたちよりランクが上の連中が」
ヴァンダイク:うーむ……金髪と銀髪の小さいの(セーヴルとヴィラージュ)がいるのが、信用ならないのだが。
GM:それは第三部の蟲の幻影に捕らわれているからでは。
ビオ:みんな女なのか?
GM:ヴェルティナは明らかに女性だね。セーヴルとヴィラージュは一見線の細い美少年だけど、どっちかよく分からない。ミネルヴォワは……オカマ。
ビオ:オカマか。
GM:そのへんは、黒炎の趣味ということで。
ビオ:やめてくれ〜!
ヴァンダイク:青の世界にいるフ○ーラとは同一人物?
リトナ:ドイツ人、ブツ?
キュア:……ブツは仏の方?
リトナ:(じとーっとキュアを見ている)
キュア:……あう。
GM:?
リトナ:いや、自分で振ったネタのくせに、キュアを「何言ってんだこの人」って目で見てただけ。
GM:何てこと(笑)。……フ○ーラとは関係ないはずです。外見がどことなく似てるのも、気のせいだと信じたい。
ビオ:何かあいまいだな、おい。
GM:んで、ヴェルティナは黒炎にいろいろと報告している。ヴァンダイクが言ってたように、何かしらの任務でボルサオの屋敷に侵入していたようだ。
しばらくして報告が終わり……ヴェルティナが──『ノイジィ・フォー』がアリアたちの方へ近づいてきた。
ヴェルティナ:「私たちはこれから別の任務があるから、ここでお別れね」
アリア:「ぶー。ご不満だよぉ」(←屋敷内でのことを根に持ってるらしい)
ヴェルティナ:「ごめんねー? でも、たまには人を信用しないとね」
アリア:「ぷぅー、してたもん!」
ヴェルティナ:「うんうん、分かってるから。……あんまりふくれてると、カワイイお顔が台なしよ?」
キュア:お姉さん、そういう趣味の人ですか?
ヴァンダイク:実は一見して分かるオカマ(ミネルヴォワ)と一見して分からないオカマ(ヴェルティナ)だったりしてな。
キュア:そうすると……このお姉さんも実はオトコ?!
GM:可能性は否定できないな。
アリア:……否定してよ。
ヴァンダイク:まあ、夢だよ、夢。
リトナ:……夢?(笑) 誰の、何の夢……?
ヴァンダイク:さあ。
GM:そんなワケで、レプス01小隊の面々は去っていくよ。
ヴァンダイク:レプス隊全員が<真なるアルカディア>へ向かっているわけではないようだな……。
アリア:「まだまだ元気ですけど……?」
黒炎:「ならいいことを教えてやろう。──ここから更に西南に向かったところに、通称<プラント>と呼ばれる場所がある。<プラント>はボルサオが統括している工場であり──武器や防具、食料の製造から魔法の儀式まで……何でもやっている」
キュア:「魔法の儀式……ってのが、気になるな」
リトナ:魔法銃の弾丸造りじゃないの?
黒炎:「光の竜──『ヴリトラ』が飛び去った方角も西南。そして……黒巫女の娘も、<プラント>にいる」
ビオ:「黒巫女って沙夜のことか!? ……なぜ、そんなことが分かる?」
黒炎:「ヴェルティナからの情報だ。十中八九間違いないが……信じるかどうかはお前の勝手だ」
ビオ:「くっ……あのアマぁ……」
キュア:(小声で)「黒巫女と魔法の儀式とやらが、関係ある……?」
黒炎:(ふーっと煙を吐き出す)「──さて、どうする?」
ビオ:「いくぜ!」
リトナ:「いきまっしょい」
アリア:「いきます!」
黒炎:「いいだろう……。──ならば、ここに食料を全て置いていけ」
リトナ:「断る」(即答)
アリア:「……なぜ?」
黒炎:「少しぐらい腹が減っている方が、やる気も出るだろう」
ヴァンダイク:「ここからどれほど距離があるかも分からぬのに」
黒炎:「2、3日もあれば着く」
キュア:「2、3日もあるのに食料を置いていけって……」
リトナ:「そうしなくちゃいけない意味が分かりません」
アリア:「それは……向こうで、奪えということですか?」
黒炎:「もう一度だけ言う──食料を全て置いていけ」
ビオ:「置いていくぐらいなら、全部ここで食ってやるッッ!」
キュア:「飲まず食わずで2、3日って……」
アリア:「せめて片道分の食料ぐらい……」
ヴァンダイク:「『ヴリトラ』が『プラント』を焼き払っている可能性も……」
黒炎:「ゴチャゴチャうるせぇ。──俺の言うことを、聞くのか? 聞かないのか?」
アリア:「……分かりました、置いていきます。……ぶー」(←メチャメチャふくれてる)
一同:「ブーブーブー」(←ブーイング)
ビオ:「がつがつがつ」(←食べてる)
ヴァンダイク:「向こうに着くまでの間に、どんどん士気が下がるのでは」
アリア:「やる気出ないよ〜」
キュア:「一体何がさせたいんだ……?」
黒炎:「──さっさといけ!」
一同:「は〜〜〜〜い」
不本意ながらも、食料を全て置いて西南へ歩き始めるレプス04小隊。
遠ざかっていく彼らを見送り──黒炎は、タバコを足元に投げ捨てた。無造作に転がる食料が、少しずつ炎に包まれていく。
黒炎:「──この世界の真の姿を、その目で確かめてこい」
リトナ:仕方ないじゃん。猫であるオレは自分で食料を運べないんだから、置いていくと言われたらそれに従うしかない。
キュア:人型になって運べば?
リトナ:それは猫としてのプライドが許さない。
キュア:………………。
アリア:でもさ、あの扱いはないよね〜。……ちょっとメモっとこ。
GM:父上(帝国皇帝)にチクっちゃうメモ?
アリア:そうそう。