MONDREPLAY第三部[月の天使] あとがき

というワケで、3年続いた第三部も、これで終了です。
本編24話にぺけぺけ3本。予定通り第二部のほぼ2倍の量となりました。
ここまでつきあってくれたプレイヤーたちに、まずは感謝の言葉を。
プレイヤーたちの感想とかは、座談会の方でゆっくりと語ってもらうことにします。

第二部のキーワードは「盲目の愛」で、隠しテーマは「ゲームと言えど現実は思い通りにいかない」でした。
第三部のキーワードは「封印魔法」、それから「永遠の命」です。
そのへんを頭に入れて読んでもらえば、「ああ、なるほど」と思っていただけるのではないかと思います。

永遠の命を持つものは幸せなのか?
なぜ人は永遠を追い求めるのか?

そんなテーマが、この第三部には隠されていたのです。(ホントか?)
余談ついでにばらしてしまいますが、第三部[月の天使]には「looking for happiness」という副題がついてます。
「しあわせまだかい」ってことで、「第三部は絶対ハッピーエンドにするぞ」というGMの決意の表われであったワケです。
「ハッピーエンドって何だろう?」……第三部開始直後からずっと考えてました。
事件が解決すればいいのか。
主人公とヒロインが生き残ればいいのか。
それとも結婚すればいいのか。
それとも「幸せな人生だった」と主人公が天寿を全うするまで物語を描いて、はじめて到達できるものなのか。
「ハッピーエンドとは何だろう?」という問いかけはいつしか「しあわせってなんだろう」となり……

結局、答えは出ませんでした。

幸か不幸か、この物語はTRPGです。
結末を決めるのはプレイヤーです。
だから、託してみることにしました。「幸せな結末」は、自分の力でつかんでもらうことにしました。
『大いなる遺産』という「何でもアリ」を手に入れたとき、PCたちはどうするのか。その後、どのような選択をするのか。
結果は……読んでもらっての通りです。

ハッピーではあったけど、エンドではなかった。そういうことみたいです。
 

物語は終わっても人生は続いていく。
今を幸せだと思い、もっともっと幸せになれると信じ、大切な人たちと幸せを探しながら生きていけること。
 

それがたぶん、ハッピーエンドへの道なんじゃないかと思います。

2000年6月
「愛は静かな場所へ降りてくる」(ZABADAK)を聞きながら

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