第二部のキーワードは「盲目の愛」で、隠しテーマは「ゲームと言えど現実は思い通りにいかない」でした。
第三部のキーワードは「封印魔法」、それから「永遠の命」です。
そのへんを頭に入れて読んでもらえば、「ああ、なるほど」と思っていただけるのではないかと思います。
永遠の命を持つものは幸せなのか?
なぜ人は永遠を追い求めるのか?
そんなテーマが、この第三部には隠されていたのです。(ホントか?)
余談ついでにばらしてしまいますが、第三部[月の天使]には「looking for
happiness」という副題がついてます。
「しあわせまだかい」ってことで、「第三部は絶対ハッピーエンドにするぞ」というGMの決意の表われであったワケです。
「ハッピーエンドって何だろう?」……第三部開始直後からずっと考えてました。
事件が解決すればいいのか。
主人公とヒロインが生き残ればいいのか。
それとも結婚すればいいのか。
それとも「幸せな人生だった」と主人公が天寿を全うするまで物語を描いて、はじめて到達できるものなのか。
「ハッピーエンドとは何だろう?」という問いかけはいつしか「しあわせってなんだろう」となり……
結局、答えは出ませんでした。
幸か不幸か、この物語はTRPGです。
結末を決めるのはプレイヤーです。
だから、託してみることにしました。「幸せな結末」は、自分の力でつかんでもらうことにしました。
『大いなる遺産』という「何でもアリ」を手に入れたとき、PCたちはどうするのか。その後、どのような選択をするのか。
結果は……読んでもらっての通りです。
ハッピーではあったけど、エンドではなかった。そういうことみたいです。
物語は終わっても人生は続いていく。
今を幸せだと思い、もっともっと幸せになれると信じ、大切な人たちと幸せを探しながら生きていけること。
それがたぶん、ハッピーエンドへの道なんじゃないかと思います。