MOND REPLAYV


Lastchapter

[愛は静かな場所へ降りてくる]

―finale―

HEAVEN ONLY KNOWS

愛はいつも
静かな場所へ
降りてくる

神々と 話する
その夢の中に

「──結局、どうなんだ?」

「来るよ、彼らは───『願い』を、叶えるために」

「そうか……」

「……怒ってる? それとも、あきれてる?」

「どっちでもねえよ。……ハガイにウソついたのは、やりすぎだと思うがな」

「……ごめん……」

「まあいいさ。……『想い』を止めることは、誰にもできないからな。──助けたい。守りたい。傍にいたい。どれも大切だ」

「ありがとう……」

「お互い様だよ。……俺は10年もこのまんまだ。お前には随分とフォローしてもらった」

「うん……」

「さ、あと少し、見守ることにしようぜ──子供たちの、行く先を……」

 ニャルラトホテプ──『最後の楽園』と呼ばれた場所。

 アルバスは再びその地に、足を踏み入れた。

 かつては、高い建物が整然と建ち並ぶ光に満ちた都市だったのだろう。

 くすみ、崩れ、木が生い茂り──今はその面影は、もうない。
 

 楽園──か
 

 10年前、タナトスと過ごした場所。過ごした日々。
 

「いい場所だろ? 昔は人がいっぱいいて、幸せそうに笑ってた、素敵な街だった」

「でも、自然にあふれた今の街も、これはこれでいいものだ。空気がおいしいし。目にやさしいし……なんてね」
 
 

「楽園は──どこにでもあるんだよ」





 その記憶は今──リューセと共にある。

 そして、『黄金の林檎』はアルバスのもとに戻ってきた。
 

サリース:「なんか……歩きづらいとこね。木の根がジャマで……」

アルバス:「帰ってもいいんだぞ。というかむしろ帰れ」

サリース:「アンタねー……」

リューセ:「あ」

ゼナ:「どうかしました?」

リューセ:「あの、ぽっこり建物が消えちゃってる場所、私の──アルバスの『力』が暴走した痕だ」

アルバス:(覚えてる……いや、オレたちの記憶の中で『見た』な)「来たばかりの頃は、『力』の制御なんてできなかったからな」
 

 寝泊まりした場所。足を滑らせて転んだ場所。食事した場所。逃げようとして、捕まった場所。

 そんな場所を通り抜け、奥へ──『ソフィア』のところへ。
 

アルバス:(空を見上げ)「……懐かしいな」
 

 『黄金の林檎』は、禁断の果実。あらゆる『知識』が、王家の『記憶』が、『思い出』が、流れ込んでくる。
 

リューセ:「何を見てるの?」

アルバス:「ふるさと」
 

 崩れた天井から見える、青い空と白く細い『月』
 

リューセ:「『月』?」

アルバス:「その、ずっと向こう」
 

 ……見えるか?

 今はここが、オレたちの楽園だぞ。

 ニャルラトホテプ中央部──

GM:生い茂る木々をかき分けて、君たちは『ソフィア』のところへたどりついた。
 

 ところどころ崩れた天井から光が差し込む古びたホール。

 ルーン文字が掘られた壁の一角。巨大な扉にもたれかかるようにして、『ソフィア』はそこにいた。
 

GM:リューセと同じ翼を両肩に生やした彼女は、うつろな目で君たちを見ている。

サリース:リューセ、翼の数負けたわね……。

リューセ:彼女は、『ソフィア』なの?

GM:『ソフィア』という名の破壊衝動──とでも言うのかな。『終焉<デッド>』の力に、憎しみとか悲しみとかいった負の感情が人格化したものが付与し、『ソフィア』となった。

リューセ:私の──ソフィアの中の「殺してやる〜」とか「なんで私が〜」とかって部分が独立して、『消滅』の力を手にしたってことね。

オードー:それって、めちゃめちゃヤバイんじゃないだか?

サリース:だからあたしたち、ここまで来たんでしょ。

アルバス:(『ソフィア』が、これ以上苦しまないようにするために……)
 

 『ソフィア』はアルバスたちを見据え……その思いを、告げた。
 

『ソフィア』:「ああ……私……あなたたちのこと、愛してるよ……」
 

  「そして……憎くてたまらない」
 

アルバス:(『ソフィア』の中にあるのは、裏切られ、傷ついて、信じることができなくなった『かなしみ』……。お前は……もうこれ以上誰かを憎む必要はないんだ……)「覚悟はいいな」

オードー:相手は『消滅』の力そのものだべ? まともに戦って勝てるだか?

GM:精神力の削り合いにしてもよかったんだけど、それもなんだかなァ〜って気がしたのでボツ。普通に戦ってくれたらいいよ。ダメージを負わせるというより消耗させるというかんじで。

シェオール:なるほどな。

GM:んじゃ、イニシアティブ振ろうか。(コロコロ)29。

アルバス:(コロコロ)61。

オードー&シェオール:よし!

ユナ:にゅ、作戦を考えよう〜。まずは防御を固めないとね。

トパーズ:クックルックルーフ以外の人たちに防御魔法を……って、あたし、MPほとんど回復してない……。

ユナ:ぬな!?

マフィ:わたし、いっぱい残ってるよ〜。(計算して)それでも補助魔法かけたら、もうやることないや。……全員に、3レベルの防御魔法かけるね〜!
 

 ファンブルを連発しつつ(笑)、防御を固め、攻撃力を上げ、前衛キャラを中心に強化していく。
 

アルバス:あ、オレも前衛の3人に魔法かける。魔法防御にプラス20%な。

シェオール:アルバスが魔法……? ……ものすごい恐怖を感じるんだが。

アルバス:(コロコロコロ〜)ん、ぎりぎり成功してる。

シェオール:やっぱりギリギリか。

オードー:倍速行動可能で、命中率にプラス70%、ダメージにプラス35点、物理攻撃回避率プラス30%、物理ダメージ減少プラス15点、魔法回避率プラス20%、魔法ダメージ減少プラス10点、とゆーとんでもないことになっただ。

GM:オードー、一般人なのにな(笑)。

トパーズ:【複数回魔法】とか使ったから、回復魔法はあんまり期待しないでね。

オードー:それじゃいくだ! うなれ『オラクル★ミラクル』ゥゥ〜!!! (コロコロ)マイナス132成功だべ。

GM:当たってる当たってる(笑)。

オードー:ダメージが……(コロコロ)60点!

一同:ろ、ろくじゅう……(笑)。

シェオール:(コロコロ)お、01でクリティカル! ダメージは(コロコロ)106点!!

オードー:これは、案外早く決着つくかもしれねえだ。

GM:おそろしいヤツらめ……。
 

 ゴーヴァ、サリースの攻撃ははずれ。ゼナは銃で狙いをつける。
 

GM:『ソフィア』の番だね。まずは(コロコロ)オードーとビッケに物理攻撃。

オードー:(ダメージを聞いて)チクッと痛いだ。

ビッケ:……まだ何とか生きてる。
 

 続いて攻撃魔法がオードーを、精神攻撃魔法(食らうとMPが減る)がビッケを襲う。
 

オードー:なんでおらたちばっかり〜!

ビッケ:きっと、見た目が怪しかったんだな。……クックルックルーフ・ビッケと分離しそうなので、今はあまり不死身じゃないんだ。死ぬかもしれんな。

GM:では第2ターン。(コロコロ)こっちは23。

アルバス:おりゃ。(コロコロ)……19。

一同:あうう……。
 

 キュゴゴゴゴゴゥゥ……!!!
 

 まずは小手調べ。前衛後衛関係なく、『ソファア』の物理攻撃・攻撃魔法・精神攻撃魔法が襲いかかる。

 この攻撃で、ユナのHPが残り1点となった。



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