ビッケ:「だから……お前は存在してはならない存在なのだ」
サリース:「ぐ……」
リューセ:ヒドイ……。誰がそんなヒドイことを。
アルバス:オレ。
リューセ:ちょっとちょっとォ……。
アルバス:お前がサリースである以上、どうして存在していい理由がある。
サリース:それ言われると、かなりツライんだけど。あたしの存在理由に関わるから。
アルバス:そんなの、オレの知ったことじゃない。
サリース:「あ、最後にひとつだけ……。──あたしたちのお母さんて、どんな人?」
ビッケ:「エターナルマザー──クレリア」
GM:美しい方だった……とか言ったりして(笑)。
アルバス:仲間の信頼も厚く。
フローラ:「クレリアって誰だっけ?」
ガンバ:誰にでもやさしく。
クレリア:「そういうこと言うと、右手から腐らせますよ?」
アルバス:損得勘定などない方だった。
クレリア:「で、いくらだします?」
はてさて、いったい誰の話をしているのやら(笑)。──閑話休題。
GM:とまあそういうワケで。ボロボロのエスペルプレーナは、未だに虚数空間をさまよっているのだな。
サリース:『船』だけじゃなくて、ヒトの方もボロボロだけどね。
リューセ:んー、でもまだまだこれから奈落のどん底に突き落とされるんじゃないかなァ?
サリース:このGMだしねー……。
アルバス:エンディングではきっと、ふたりしか生き残ってないだろうな──サリースとガンバだけ。
サリース:ゴメン、それは勘弁して。
ガンバ:あ、わたいは第四部に出演することが決まってるからダイジョーブ。
一同:うわ〜、ずっる〜(笑)。
GM:(第四部、あるのか……?)んで、リューセが通信機を通してサリースの秘密を聞いてしまった、と。
リューセ:私、そもそもGシリーズって何なのか理解できてるのかな?
サリース:ビッケが説明してたじゃない。それを聞いてたんだから。
アルバス:G──ゲオルグシリーズかもしれないぞ。
ガンバ:ま、素直に解釈すればガンバシリーズなんだけどね。
アルバス:ガッチャマンシリーズってのもあるな。
GM:(無視して)サリース、ブリッジにいく?
サリース:ん〜、あんまり他の人と顔を合わせたくないんだけどなァ。
アルバス:玄関シリーズでもいいかも。
サリース:(笑いをこらえながら)い、いちいち話の腰を折らないで……。
アルバス:ギガフレアシリーズってのもあるか。
サリース:アルバスぅ……。
ガンバ:こうやって、話がどんどん長引いていくんだね。
アルバス:まったく……誰のせいなんだか。
サリース:……アンタでしょ。
アルバス:あ、ゴマ油シリーズってのはアリ?
GM:カロリーを半分にする研究をしてたりするんだろーか……。──で、サリースはどーするの?
サリース:晩ごはんの用意をしないといけなかったことを思い出して、キッチンに戻ることにする。……気を紛らわすために。
GM:了解。──次はゼナね。ゼナはアルバスママことニーヴェことネメシスがいなくなって、ちょっとさみしい。彼女に母親の影を重ねていたのだな。
ゼナ:そーなの?
GM:セッション始まる前に自分で言ってたじゃないか。覚えてないの?
ゼナ:いや、だって……恥ずかしいじゃないですか。
アルバス:そーいやゼナってバラバラになったんだっけ?
GM:まだなってないよ(笑)。右腕と左手人差し指が取れて、腹部とかに細かいヒビが入ってる。
ゼナ:なんかもう、ヒトでなしなんです。
リューセ:種族のところに「一般人」って書いてあるけど、絶対そうじゃないよね、私たちって……。
アルバス:前のキャラシー見たら、種族のとこ「あるばす」って書いてあったんだけど。
一同大笑い。
リューセ:それってあるイミ正しいかも……。
GM:特に心理描写とかないなら、次にいくよ。と言ってもまだゼナに関係あることなんだけど──ゼナツーが目を覚ましたらしい。
ゼナ:え、本当?
アルバス:スゴイな。今までずーっと気絶してたんだ。
GM:気がつきそうになったらエノクがみぞおちとか殴ってたんだよ、きっと。
アルバス:殴られて気絶する機械人形なのか?
GM:『フーリー』の構造の謎はおいといて……ゼナ、会いにいく?
ゼナ:そりゃいきますけど……どうしよう? 何を話せばいいんだろう?
エスペルプレーナ 医務室──
GM:ゼナツーはベッドにおとなしく寝てる。で、ゼナが入ってるくるとギロッとにらむ。
ゼナ:う……。
GM:銃を腰に下げてるなら、奪おうとするけど?
ゼナ:大きい銃を背中にしょってるだけだから大丈夫です。
GM:(それはそれで問題ある気もするが……)そっか。ではしばらく沈黙が続く。
ゼナ:(さんざん悩んだあげく)「……勝負の結果は覚えているよね?」
サリース:ゼナ、口調がワルっぽい……(笑)。
ゼナ:「知ってることを全部話してほしい」
ゼナツー:「やだ」(即答)
ゼナ:がっくし。
一同:よ、弱い……(苦笑)。
ゼナ:やだって言われた……(落ち込んでいる)。
ゼナツー:「いつかリベンジしてやるからな」
そう言ってそっぽを向いてしまったゼナツー。ゼナは……どうすることもできない。
GM:医務室を出ると……今度はエノクがやってくる。
エノク:「ゴーヴァの治癒システムがなんとか直ったんですけど……試してみます?」
ゼナ:「それは是非! お願いします」
GM:ではゴーヴァの中に入ってダイヤルを回して5分待たれよ。
ゼナ:……電子レンジ……?
アルバス:中でゼナがぐるぐる回ってたりしてな。
GM:取れた腕とか保存してたよね?
ゼナ:うん。
ガンバ:少しかじったけどね。
ゼナ:こらこら。
GM:では12時間ばかり経過して……腕も指も元通りになった──
ゼナ:(指を動かして)治った治った!
GM:──んだが数時間経つと、またボロッと。
ゼナ:あらァ?
サリース:イ〜ミな〜いじゃ〜ん。
エノク:(しばらく考えて)「……これは仮説に過ぎないのですが……モトで『メフィストフェレス転換法』をかけられてから、あなたたちに『変化』が現れはじめた気がします。リルルの『ヒーメル』としての覚醒、ゼナ君の覚醒と身体の崩壊、リューセ君のアザの進行、アルバス君のおしりのアザ……」
サリース:そして先生の知らないところで、あたしの魔族化……。──そういや魔族化すると何かいいことある?
GM:本当は戦闘能力とか飛躍的に高くなるはずなんだけど……不公平だから空が飛べるぐらいにしようかな、と。特にMP(メイキングポイント)を費やしてるわけでもないしね。
サリース:ええ〜(御不満)。
アルバス:分かった。じゃあ、『牙』をやろう。
サリース:どんなメリットがあるわけ?
アルバス:口が閉まりにくくなる。
サリース:デメリットだけかァ〜!
ガンバ:強い子供が産めるとか。
サリース:それじゃクレリア<おかあさん>と一緒だし。
ゼナ:丈夫な子供が産めるようにおしりが大きくなるとか。
サリース:全然メリットじゃないよゥ……(泣)。
エノク:「おそらく、『メフィストフェレス転換法』そのものは失敗だったのでしょう。そして、それが一種の『ディスペルマジック(魔力消去)』として作用した結果……」
ゼナ:「ボクたちの『封印』が解けた……ってことですか?」
オードー:逆に言えば、みんな何かしら『封印』されてたってことだべな。
エノク:「ヒトには、その『身体』を維持するための魔法がかかっているそうです。これは《魔力感知》でもほとんど感じ取れない微量なものなんですが……ゼナ君の場合、この魔法が完全に消えてしまったために身体が崩壊してしまったと考えられます。大司祭様が言っていた『魔法力が感知されない』とは、そういう意味だったのでしょう」
ゼナ:つまり……ATフィールドが消えて身体が維持できなくなったってこと?
GM:ま、そんなもんだ(元ネタは違うけど)。
オードー:てことは、その魔法とやらを元に戻せば治るだな。
GM:理論上はそうなるけど、まずどうすればその魔法をほどこせるかが分からない。
リューセ:なんで私たちにそういう『封印』がされていたのかは──
GM:分からないねェ。ただ、リューセは最初から『精神体』だったと考えられる。
リューセ:ラブホテルでのほほんとしてた頃からそうだったのね……。
サリース:でも……肉体が崩壊したのってゼナだけよね?
ゼナ:ひとりひとり違う『封印』だったってことじゃないですか?
サリース:でもそうすると──
アルバス:(突然)なあ、ゴキブリシリーズってのはどうだ?
一同:まだ考えてたんかいッッ!(笑)
そんなことがありつつ、時はだらだらと流れていったのだった──