最終話「最後から二番目の真実」

GM:闇が天を覆い、怪物や下級魔族が跋扈する。言ってなかったけど、今、世界はそんなかんじっス(笑)。

ガルフ:それはオレたちのせいじゃ……ないよな?

GM:違うよ。今まさに宇宙で戦っている『闇』の神が原因だ。
   空が真っ暗なのは『闇の結晶(メデューム)』が覆っているからで、そのせいで世界には闇の力が満ちている。

ガルフ:今『扉』が開くととんでもないことになるってことか……。

GM:いや、そうとも限らない。

ガルフ:あらぁ?(笑)

フローラ:それよりこっちはこっちで大変なんだから。

GM:そうそう。いよいよ最終回だよ。思い残すことはない?

ラズリ:今から死ににいくような言い方だね(笑)──笑い事じゃないか。

GM:さあね、どういう結末になるのかはGMにも分からない。

フローラ:思い残すこと──レイナとレミーラ。レイナが妹を殺したのは自分だって知ったら──

GM:そうか……そうだねぇ……。

クロヌシ:思い残すこと──妻の魔族化が治ったのかどうか。あと自分の体もできれば治したい。

ティンベル:思い残すこと──妹のこと、かな。

オペリオ:♪思い残すこと──ディナーショーができなかったこと♪

一同:ををっ!?

フローラ:生きてたのか!(笑)

オペリオ:♪とーぜん。なんてったってオペラ時空の使い手だから(笑)♪
 


ラズリ:「大丈夫だよ。みんなで生きて帰れば何にも問題ないって! ──絶対に、生きて帰ろうね」

一同:「おう!」

GM:では、始めよう。
 



GM:アラバスターの主砲により<空の鏡>の『結界』は消滅した。

ガルフ:ならば突撃あるのみ!

GM:──と、君たちが<空の鏡>に入ろうとしたとき、後ろの方から「ちょっと待った」コールがかかる。

ガルフ:それはぐるっと振り向こう。──誰だ!?

GM:この間の戦闘でとんずらしたツェラー(青)だよ。
   んで、その後ろには、真っ黒の──つまり縁取りがない──量産型ツェラーが100体ほどずらっと並んでいる。

クロヌシ:「そいつはまた大人数で来たもんだな」

ツェラー(青):「──この間はいろいろとお世話になりました。おかげでストレスがたまってたまって……」

ガルフ:「そいつは悪かったな(笑)」

ツェラー(青):「それで、ちょっとうっぷんを晴らしてきました」
 


ラズリ:「………!」

ツェラー(青):「ずいぶんとあっけなかったですよ。ほとんど抵抗もしなかったし」

ラズリ:う゛〜、あたしがあんな態度を取ったから──なのかなぁ……。……落ち込んじゃうよね。

ツェラー(青):「まだありますよ、おみやげ」

GM:もうひとつぽんと放り投げたのは──ミュスカディの首だ。

一同:「………」

ガルフ:「──ブチ切れたぜ。お前は、ずたぼろに、ぶっ殺す!」

クロヌシ:(刀の鞘でこめかみをどつきながら)「落ち着け、阿呆が」

ガルフ:「ぬわにすんだよ、痛てーじゃねーか!」

クロヌシ:「今はこんな雑魚にかまってるときではないだろうが。『儀式』を中断させるのが先だ」

ラズリ:「それはそうだけど……。あたしも一発ぶん殴ってやりたい!」

クロヌシ「お前たちは先に行け──雑魚は、俺ひとりで十分だ」

ラズリ:をををっ、かっこいいぞクロヌシぃ!  じゃ、ここはお願いね。

ツェラー(青):「──いいんですか?  後悔することになりますよ」

クロヌシ「それは貴様の方だということを教えてやろう。
      (すっと刀を構え)──もっとも、貴様ごときの命では授業料にもならんがな」

GM:<空の鏡>に足を踏み入れた瞬間、そこは異世界に変わる──どこまでも続く『水』の世界だ。君たちは水面の上に立っている。

ラズリ:海の真ん中に立ってるみたいな?

GM:そうだね、そんなかんじだ。上を見ると空が見えるし。

ラズリ:姉さんはどこ?

GM:落ち着けい。順に説明していくから。
   えーとね、一番手前に見えるのがたくさんの連なったカプセルだ。その数、100あまり。中に魔族ハーフたちが眠っている。
   で、それぞれのカプセルからチューブが伸びていて、真ん中のカプセルにつながっている。
   んで、さらにそこから伸びた太いパイプが奥の方に向かっている。

フローラ:魔族ハーフたちのエネルギーを集めてどこかに送っているんだな。

GM:そゆこと。──ついでに言っておくと、真ん中のカプセルに入っているのはミシェルだ。

ラズリ:こんなとこに!  なんで?

GM:ナタリーを殺そうとして返り討ちにあったみたいだね。で、逆にそのエネルギーを利用されるハメになってしまった、と。

ティンベル:(無言でカプセルに向かってダッシュ)

GM:ティンベルはカプセルの方に行くんだね。──んで、奥の方。
   水面がザワザワと波立っていて、そこに見えるのがナタリーとオニキス。

ラズリ:「姉さん!」(ダッシュ)

ガルフ:「オレたちも行くぞ!」

オペリオ:♪なんかよく分かんないけどついて行こう。ついて行ってもこれっっぽっちも役に立たないと思うけど(笑)♪

GM:そんなことないよ。君にもちゃーんとお仕事あげるから覚悟しとくように(笑)。
 


GM:オニキスは『朔夜』にもたれかかってぐったりしてる。ナタリーは君たちに背を向けて立っている。
   ちょうど彼女が立っているところから波が発生してるみたいだね。

ガルフ:う、イヤな予感がするぞ。もしかして──

ナタリー:(振り向きながら)「『儀式』は終わりました」

ガルフ:「やっぱりそうか!  くっ、間に合わなかった」

ラズリ:「姉さん!」 (オニキスに駆け寄る)

オニキス:「ラ……ラズリ……か。ごめん、『扉』開くの、止められなかったよ……」

ナタリー:(歩み寄りながら)「ずいぶんとてこずらせてくれましたけどね。
      その娘が素直だったら、もっと早く『この時』が訪れていたのに……」

オニキス:「けっ、ざまーみやがれ……」

ナタリー:「まあいいでしょう。『時』は、来たのですから」
 


GM:ずざざざざざーと水面を割り、ついに『魔獣』登場!

フローラ:で、でかい!

ガルフ:こいつがラスボスか!  もう出てくるのか!?

【竜】の『長』:「とにかく『命の祭り』の準備を!  あの化け物ごと何とか封じるのだ!

ガルフ:封じることができるのか?

GM:『魔獣』──ロゼと区別するため『超魔獣』って呼ぶよ──『超魔獣』はまだ水面から完全に姿を現してはいない。
   だから何とかなるかもしれないってのが『長』の意見だ。

フローラ:あくまで「しれない」なワケね。

オニキス:「それでもやるしかねーだろ。私が──ぐっ」(ふらつく)

ラズリ:「姉さん、しっかり!」

オニキス:「くっそ……」

ラズリ:「姉さん……後はあたしがやるから──そこで見ててね」

GM:では『命の祭り』についてのルールを説明しよう。
   ──まずラズリ。地水火風の土地神4人が君の周りに立って力を送りこむから、祈りを捧げて『扉』を閉じてくれ。

ラズリ:祈ればいいのね。

GM:ただし、毎ターン生命力で判定して、もし失敗したら……

ラズリ:し、死ぬのぉ!?  ……生命力、12しかないんだけど。

GM:んで、普通に『儀式』をやったんじゃまず失敗する。祈りの力を何倍にも高める必要があるのだ。

ガルフ:魂を燃やすしかない、とか。

GM:違うよん。──さて、歌には不思議な力があります(笑)。

オペリオ:♪はうぅ!? (笑)♪

GM:てことでオペリオには歌ってもらうよ──増幅装置としてね。で、2ターンに1回生命力で判定して、失敗したら……やっぱり

オペリオ:♪死ぬのかぁぁぁ! 生命力、10(笑)♪

ガルフ:ヒーローアクションを駆使したら何とかなるんじゃないか?

オペリオ:♪ううう……♪

GM:では、始めよう。
 




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