GM:「だーいじょうぶ。ちゃんといるって」
グレン:「ふん、くだらん」
ラズリ:「なによー、グレンにだってカレンがいるじゃない」
グレン:(にべも無く)「こいつは関係ない」
GM:さて、もう少しで森ってところで、グレン、ちょっと知力判定してみて。
グレン:(コロコロ)成功してる。
GM:君の頭の中にいくつかの映像がフラッシュバックする。記憶の一部のようだ。
指についた赤い血──
白い髪の女──
カレン──
グレン:ぐ……(頭を抱え込む) ごんっ!(頭を録音用のマイクにぶつけるプレイヤー)
ぐおおお……ホントに頭が……(笑)。
GM:……何やってんだか。
ラズリ:知力判定するぅ。(コロコロ)ん、成功。グレンの様子が変なことに気づいていい?
GM:いいよ。
ラズリ:「大丈夫?」
グレン:(強がって)「な……何が」
カレン:(グレンの顔をのぞきこんで)「ホントにどしたの? 顔が変よ」
ラズリ:「……カレンちゃん、それは何か違うと思う」
カレン:「そうそう、わたしは顔色が変って言いたかったの!(笑)」
グレン:(カレンの頭の上に手を置いて、やさしく)「何でもない」
カレン:「グ、グレンが殴らなかった!? ──やっぱり変よ。絶対変だわ!」
ラズリ:見たことない顔だね。でもなんか──カスタさんに似てる?
GM:よく気づいた。カスタにすごくよく似てるよ。
ラズリ:「どうしてあの人たちがここに……?」
GM/カスタ似の女:「やっほー、ラグランジェ。オヒサシブリね」
アユモ:「ミューズさん!」
ラズリ:「し、知り合いなの?」
アユモ:(ラズリの方を向いて)「紹介します、昔の仲間のひとり、ミュスカディさんです」
ミュスカディ:「はじめまして。あなたがラズリね?」
ラズリ:「は、はあ。よろしく。(小声で)何であたしのこと知ってんの?」
グレン:また恋のライバルが増えたな(笑)。この女も魔族なのか?
GM:そうだよ。
オルディネール:「森の中には入れませんよ──我々魔族はね。誰が言ったのか知りませんが、正体がばれちゃったみたいで……」
ラズリ:「入れないって……どういうこと?」
ミュスカディ:「どうもこうも、ここの人たち──ヴァルト=ラィヒ族だっけ──はずいぶんと魔族のこと嫌ってるみたいよ」
ラズリ:「そんな……」
オルディネール:「ラグランジェ、ちょっとこっちへ」
ミュスカディ:(アユモの顔をのぞきこんで)「なんか雰囲気変わったねぇ〜。よっぽどこっちの水が合ったのかしら」
オルディネール:「ラグランジェ、そろそろ決心はつきましたか?」
ラグランジェ:「決心……たって……」
ミュスカディ:「あんた、まだそんなこと言ってたの?」
アユモ:「………」
ミュスカディ:「そりゃね、あんたが『ラーヴ』に恐怖を抱いているのは知ってるわよ──戦うのがイヤなことも。
その理由もね。でもね、ラージェ。このまま一番大切なものを失ってもいいの?」
アユモ:「大切な……もの……?」
ミュスカディ:「『精神体』が不安定な存在なのは知ってるでしょ? そろそろロゼも危ないわ。
それにあの娘も──ラズリ=ルルーも狙われている」
アユモ:「でも、もういやなんだよ! 戦うのも、殺し合うのも! どうせ……」
ミュスカディ:(ぱんと頬をひっぱたいて)「いいかげんにしなさいよ!
あんた、傷つくのがいやで逃げ出したんでしょ?
でもこのままじゃ、あんたもあの子たちももっと傷つくことになる……。あんたが……、
ラグランジェが守ってあげなさいよ、ね?」
アユモ:「ボクが……守る……?」
ミュスカディ:(小さな水晶球を取り出して)「『剣』、返しとくわ。──ラージェ……一緒に、ガンバロウよ」
アユモ:「………分かった」
ミュスカディ:「……よし」
オルディネール:「相変わらずラグランジェには甘いですね、ミューズは」
アユモ:「──で、何をしたらいい? ボクに何ができる?」
ミュスカディ:「そうね──まずロゼの方から解決しましょ。それから……なまってるアンタの腕を鍛え直さないとね。
でしょ、オルディ?」
オルディネール:(笑って)「ま、そんなとこですかね」
アユモ:(水晶球を握り締めて)「ボクが……守る……」
ラズリ:「……お別れ?」
アユモ:「ええ……しばらく、お別れです」
ラズリ:「……ど、どうして?」
アユモ:「それは──」
オルディネール:「ロゼの『本体』を探しにいくんです。ラグランジェには、その手伝いをしてもらいます」
ラズリ:「ほんたい?」
クロヌシ:そーいえば俺たちのとこでも話に出てたな。『本体』って何なんだ?
ラズリ:この場にいない人は発言しないように(笑)。で、何なの?
GM:今のロゼは『精神体』──魂のようなもの──と『本体』──肉体──が分離してしまっているのだ。
で、その『本体』を求め、ロゼとオルディネールはこちらの世界に来た。
オルディネール:「そしてその『本体』のありかがもう少しで分かりそうなんです」
GM:ついでに補足説明ね。
魔界から人間界に来る方法はいくつかあるんだけど、だいたい4つに分けられる。
1つ、魔界の方に『本体』を置いて、『精神体』だけこちらに来る。
2つ、逆に『本体』がこちらの世界にある──ロゼがこのパターンだね。
3つ、強引に空間のはざまを通る──オルディネールはこの方法で来たため、目と足が不自由になった。
反作用が大きい、非常に危険な方法なのだ。
4つ、何らかの理由でつながった両界の『門』を通ってくる。
ラズリ:オルディさん、そんな危険を冒してまでどうしてこっちに来たんだろ……。
GM:さーてね(にやにや)。で、話を戻して──お別れなのだよ、ラズリ君。
ラズリ:んーと、つまり──魔族さんには魔族さんの用事があって、しばらく別行動をとるってこと?
GM:ま、そんなとこかな。
ラズリ:でも、何で突然アユモ君までついて行くことになったの?
アユモ:「えっと、それは……(小さく)今は言えませんけど……」
ラズリ:「また……会えるよね? 絶対会えるよね?」
アユモ:「ええ……(視線をそらして)多分、会えると思います」
GM:そう言ってラズリのおでこに──
ラズリ:む(ちょっとにらむ)。
GM:(苦笑して)分かったよ。──ラズリの唇にそっとキスをする。
ラズリ:初めて向こうからされちゃった(笑)──これで3回目だっけ?
グレン:このあいだ海でしてたよな……。あと1回は?
ラズリ:だいぶ前に。そういう裏設定があるの(笑)。
アユモ:「グレンさん、ラズリさんのこと……頼みます」
グレン:「ああ……任せておけ」
ミュスカディ:「じゃ、行こうか、ラグランジェ。──ラズリちゃん、じゃあ〜ねぇ」
オルディネール:「では、族長さんによろしくお伝えください」(そう言って瞬間移動する魔族3人)
ラズリ・グレン:「……便利なヤツら」
GM:さて、君ら3人はラピスの森に到着した。
ラズリ:「うーん、ひさしぶりねぇ」
GM:そのとき、通りがかった森の民のオヤジが──
ラズリ:なっ、なぜこんなところに父様がぁ!?(笑)
GM:ちっ、ちがうちがうっ、ラズリの親父さんじゃなくて、どっかのおじさんだよ。
GM/おじさん:「こんにちわぁ、ラズリ様」
ラズリ:??? ……なんか5年ぶりにしては反応が軽いわね。──ま、いっか(笑)。
ラズリ・グレン・カレン:ちゃんちゃちゃちゃちゃんちゃちゃちゃちゃん♪(奥へ進む一行)
GM:今度は若いねーちゃんが声をかけてくる。
GM/娘:「あらラズリ様、今日はノーメイクですか?」
ラズリ:「………は? (ちょっと考えて)ねえ、ちょっと、聞いていい?」
娘:「はい」
ラズリ:「あたし、なんか見た感じ変わってない?」
娘:「そういえば……なんとなく顔付きが幼くなったような……」
ラズリ:ふ、ふーん……。(平静を装って)ちゃんちゃちゃちゃちゃん♪(さらに奥に進む一行)
GM:ラズリ、君んちの前に着いたよ。中から話し声や笑い声が聞こえてくる。
ラズリ:(ばたんと扉を開けて)「ただいまぁ〜☆」
GM:中にいるのはペリダート(祖父) マラカイト(父) サードニクス(兄)
ガーネット(義姉)トパーズ(姪) ライム(従姉妹)
そして──この人だぁ!(どんとコマを置く)
ラズリ:ああああああああああああああ!!!
グレン:あの時の〜〜!
ラズリ:「な、な、な、な、なんであんたがこんなとこにいるのよぉぉぉ〜!?」