MNN Presents
MOND REPLAY 第一部
『緑の守り神』
守り神:"滅んだか……"
クレリア:「お願いします! 人間だってこんな人たちばかりじゃないんです! 街の破壊をやめてください」
クロヌシ:「俺からも、頼む!」
ウィル:「わしもだ」
フローラ:「やめないと痛い目見るわヨ」
オペリオ:「♪脅してどうする。おねがいし〜ま〜〜す♪」
ガルフ:「ここで街を破壊するのは正義に反してるぞ!」
ラズリ:「お願い、破壊をやめて……」
守り神:"ククク……。ハハハハハハ………"
一同:「!?」
守り神:"ヴァルト=ラィヒの族長殿も人が悪い。孫娘に頼まれては断れんではないか。フハハハ……"
ラズリ:あたしのこと?
GM:そうだよ。
守り神:"月並みな台詞だが人間も捨てたものではないということか……。
………………。
よかろう、防衛装置をストップさせよう"
ラズリ:「ホント? あー、よかった。――あ、お礼言った方がいいのかな。どうもありがとう」
守り神:(苦笑)
GM:さて、守り神の木の後ろに行ってみると地面が盛り上がって扉が現れるよ。シェルターへの扉のようだ。
そして中から子供たちが出てくる。もちろんセカラシカもいるよ。
クレリア:「よかった、無事だったんですね」
ガルフ:無事じゃなかったらただじゃすまさねーけどな(笑)。
ウィル:さて、風の種が3つ揃ったけど……どうする?
フローラ:食べる。
守り神:"そこに黒い石碑があるだろう。はめて見ろ"
ガルフ:「いいの?」
守り神:"かまわんよ"
ガルフ:ガチャン。
GM:風の種をはめると子供たちのいたところの奥にあった装置が動き始めるよ。
クロヌシ:なんの装置?
オペリオ:♪ぶら下がり健康機♪
GM:ちがわい。これは『天への道』を作る装置。早い話が月の船への転送装置だよ。
一同:おお〜〜!
GM:さてクロヌシには選んでもらおうか、残るのか帰るのか。
クロヌシ:うぅ〜結構悩むなぁ。
GM:じゃ、しばらくみんなで話し合ってよ。
アユモ:「なんです。風の種って薬草の封印を解く鍵じゃなかったんですか?」
守り神:"フフン。あのくらいの仕掛けであの場所の封印が解けるものか。
薬草はともかくアレが目覚められてはかなわん……"
アユモ:「そうですか……」
ガルフ:「アレ、ねぇ。全く、四季王様に管理されてないところは何があるか分かったもんじゃないな」
守り神:"ほぉ、貴様……"
アユモ:(う……なんだろう、 この感覚……。悲しいような、それでいて懐かしいような……)
ラズリ:「ねー、何やってるの? 早くこっちにおいでよ〜」
アユモ:「はい、今行きます!」
守り神:"………………"
クレリア:「何してたんです?」
ガルフ:「なんでもねーよ。――ところで、決まった?」
クロヌシ:「いや、まだだ。うーーん」
GM:そういや他の人もいけるんだよね、月の船に。
ガルフ:「オレは、パス。キャンバスでまだやることがあるから」
ラズリ:「自然がなさそうだし……」
GM:確かに、ないね。
クレリア:「私は行きません」
フローラ:「アタシは行こうかしら。家族もいないし、恋人も、もういないし」
クロヌシ:「今思い出したんだが、家のローンが残ってたんだ(笑)。帰らないといかんな」
クレリア:残忍な男が急にマイホームパパに(笑)。
GM:じゃあ、結局クロヌシとフローラが月の船に行くのね。
クレリア:このふたり、いいコンビになってしまいましたね。
GM:焚き火で語り合ってからね。
クロヌシ:でもふたりで帰ると誤解されるかも(笑)。
フローラ:化粧落ちてるし。
GM:愛人ですって連れて帰ればぁ?(笑)
転送装置が作動していく。
クレリア:「月並みですけど、お元気で」
ウィル:今までの給料として2000バール払う。
ガルフ:「じゃ!」(ちゃっとポーズを決める)
クロヌシ:「じゃな!」
フローラ:「バァイ☆(投げキッス)」
ラズリ:「行っちゃったね」
GM:さて、他の人たちはどうするのかな?
オペリオ:♪この冒険で出来た歌でコンサートを……。それともストリップ?(笑)♪
ウィル:1枚しか着てないって(笑)。わしは屋敷に戻らないと。後始末で忙しいからな。
クレリア:私も修道院に戻ります――……ないけど。竜もいますし。
ラズリ:私は……また旅に出ようかな。……アユモ君も一緒に来る?
アユモ:「いいんですか? うわぁ、生きてて良かったぁ(涙)」
守り神:"人の子よ……。私はこれからも『沈黙』を守り続ける……。
だが…………
そうだ、お前たちに贈り物をやろう"
ラズリ:贈り物?
GM:水晶が強く輝き、それに呼応するように花が辺り一面に咲き始める。
ウィル:「見事だな……」
クレリア:「春が来たんですね」
オペリオ:♪さて、また歌を作るとしよう!♪
竜:『クゥゥ〜〜〜!』
「綺麗ね、ガルフ」
ラズリは隣に立っているはずの少年に声をかけた。
「ガルフ……?」
ガルフの姿はもう、そこにはなかった。
それは森が教えてくれた唄。風が教えてくれた唄。
遠い──遠い音楽。
「不思議なメロディですね」
アユモの声にラズリは振り向いた。
「うん。……知らないはずの、遠い遠い唄」
そして空を仰ぐ。
「ああ、空が高い……」
アユモも空を見上げた。赤紫色の髪が揺れる。
ラズリは思う。
ほんの十日前空を見上げたとき、隣にはガルフがいた。
ガルフ……どこに行ったんだろう……
オレにはキャンバスでやることがある。
そう言ってた。
きっと、どこかで元気にやってるよね……
涙が出そうになる。それと同時に思い出した。
あの時はお腹が減って倒れちゃったんだっけ……
「くすくすくす」
「何がおかしいんです?」
「ん〜ん、なんでもないよ」
そしてラズリは歌い始める。願いを込めて、祈るように。
歌声が流れていく。風に乗って、流れていく―――