DAY6 【バイブレーション】 01



DAY
イブレーション】

西暦2000年12月31日(Sun.)

GM:では、誰か10面ダイスを1個振るのだ。

チャーリー:誰かってそんな(笑)。

小鈴:指名してっ。

チャーリー:じゃーここはひとつ、小鈴に。

GM:小鈴ちゃんに御指名入りましたー。

小鈴:で、では。(コロコロ)9っ。

トム:またか。

チャーリー:またデスかっ。

GM:9時間が過ぎた(笑)。

利迎院:……そのダイス振る意味あるのか?

GM:午後9時ぐらいになって、吹雪がおさまってきた。

金太郎:9時でようやく外に出ても、ってくらいか。

小鈴:このぶんなら、明日には普通に下山できそうだね。

GM:テレビのチャンネルを切り替えてた育郎が、ニュースでテーマパークに人が集まってきていると伝えている、と言っている。

育郎おじさん:「ふもとの方の天気はすっかり回復しているようだねえ。イベントが中止にならなそうで安心したよ」

チャーリー:「もう少し早くおさまってくれたらよかったんデスけど、仕方ありませんネ」

金太郎:「……みんなのん気やなぁ」(ビクビク)

育郎おじさん:「我々はここで21世紀を迎えることになりそうだねえ」

小鈴:「色々ありすぎて、良いか悪いかはわからないけど、思い出にはなりそうですー」

チャーリー:「色んな意味で滅多にできない年越し、デスネ」

金太郎:「…………」

育郎おじさん:「真琴くんに年越しソバでも打ってもらうか。見張りをしてもらっているお坊さんも呼んできた方がいいかなあ」

小鈴:「見張りはそのままにしておきましょうー 差し入れはアリかもですが」

金太郎:見張りってなんの? みんなここにおるわけではないんや。

GM:隔離してんじゃないの、梅中エンジを。

金太郎:拘束はしたけど、隔離もしてんのか。

GM:トムはきっと紅白見てるんだろう。「チャンネル変えないでください」とか言って。

小鈴:幸子を見ているのね。

浩之介:紅白より格闘技の方がよいなあ。この頃はまだ曙とかでてないのだっけ。

利迎院:うむ。

GM:利迎院と浩之介はエンジの見張りかも。――さ、金太郎も幸子を見てリラックスしなされ。

チャーリー:舞台セットとしか思えない衣装と主張される何かを見て笑うがいいデスヨ。

金太郎:見てはいるがそれどころではなかったり。

GM:そんなこんなで紅組の勝ちで紅白も終わり……ゆく年くる年が始まり――

小鈴:ずずー(茶飲

チャーリー:ずぞー(蕎麦啜

GM:殺人事件なんてなかったかのようなまったりした雰囲気になってきた(笑)。

小鈴:まるで遠い過去のような感覚に。

マコ:実は夢オチ。

浩之介:まさか坊さんと2人で年越す羽目になるとはな。

利迎院:まったくだ。昨年とは雲泥の差だな。

金太郎:「死体あのままなんやけど……今夜怪光線が……」(ぶつぶつ)

GM:そのとき、窓の外を見ていた真琴が、「あ」と声をあげる。

小鈴:声につられてそっちを見てみます。

金太郎:びくっとなってそっちを見よう。

チャーリー:あえて天邪鬼に部屋の中を注意。

GM:窓の外を見ると、ものすごい速さで雲が晴れていく。

金太郎:「うおおお……来た、来よったでぇぇぇ……」

GM:しかも風で流されるのではなく、別荘の真上を中心に円を描くように雲が消えていく。

チャーリー:ただの自然現象じゃないみたいデスネ……。

小鈴:「わわわ、なに? なんなの?」

GM:あっという間に雲が消え、満天の星空が見えるようになる。

真琴:「すごいですね……。外いってみます?」

金太郎:「あ、アカン!」

真琴:「え?」

金太郎:「アカンねん……このあととんでもない事態に!!!」

小鈴:「金太郎君落ち着いて、大丈夫だから」

チャーリー:「まるでテレビの煽りみたいデスネ」

金太郎:「そのとき特派員が見たものは!」

小鈴:「ずいぶん余裕あるじゃない(笑)」

GM:ネタが古い時点で余裕がないのかも。

小鈴:外には出ないけど、窓から外を見てみよう。

GM:雪は白く、吸い込まれるような闇の中に星が輝いている。そしてテレビから除夜の鐘が響くなか、きーんと耳が痛くなってくる。
チャーリー:……気圧の急激な変化があった時みたいな?

GM:そんなかんじ。

金太郎:「何も見えん! 何も聞こえん!」(←自分に言い聞かせてる)

GM:ざざ……とテレビの画像が乱れ――天空から、ゆっくりと、巨大なひかりの柱が降りてくる。

金太郎:「ほれ……ほれ来たでぇぇぇぇ!!!」

西暦2001年1月1日(Mon.)

小鈴:「わわ、何なんだろうね、あれ」

チャーリー:大きさは? 別荘を包み込むくらい?

GM:山を包むくらい。

小鈴:うはー

金太郎:もちろん別荘も含まれとるし。

チャーリー:ということは、光の範囲から逃げるのも今となっては無理、と。

金太郎:(せやから助けを呼びにいった方が――)

GM:世界から音が消え、突き上げるような衝撃を感じる。――ほい、『心』判定。全員ね。

金太郎:(コロコロ)74。

チャーリー:(コロコロ)あ、珍しい19。

小鈴:(コロコロ)やばい、さっきからかたっぽ9しか出ない。92。

マコ:(コロコロ)成功してる。

浩之介:(コロコロ)わしも。

利迎院:成瀬どのと小鈴どのが失敗したならワシも失敗した方がつじつまは合いそうだな。(コロコロ)86。問題なく失敗だ。

GM:金太郎と小鈴、そして利迎院は、視界がすうっと暗くなり、全身が冷たい感触に包み込まれる。

小鈴:ぞわぞわっ。

GM:さらに今までの人生の記憶がフラッシュバックする。

小鈴:(ひょっとしてこれが走馬灯……)

金太郎:視界は光に包まれとるんかな?

GM:視界は光に包まれてる。

金太郎:(大丈夫か! 小鈴! その他!)

GM:判定に成功したチャーリーは、いつの間にか、黒いコートの男が金太郎の前に立ってるのに気づく。

チャーリー:……あれ、黒いコートって……ちょっと待って、エンジに腕切られたのって黒コートの方デスっけ?

金太郎:赤や。黒は窓の外に一瞬見えたきり。

コートの男:『さあ、いこうか』

金太郎:わいはその男が見えるんか?

GM:金太郎はもう視界が暗くなってるから、声がかろうじて聞こえたぐらい

利迎院:それはワシの方にも?

GM:うん、利迎院の前にもコートの男は出現している。判定に失敗した利迎院にはよく分かんないだろうけど、浩之介にはばっちり見えてる。

浩之介:と言われても……何もできんだろうなあ。

金太郎:「……なんや、誰や自分……?」

チャーリー:動けマスカ? 動けるのならコートの男を突き飛ばそうとするけど。(コロコロ)身体は動いたデース!

コートの男:(突っ込んでくるチャーリーに気づいて)『見えてる!? バカな』

チャーリー:「ばっちり見えてマスヨ! 金ちゃんに何……を?!」

GM:んで。チャーリーはするっとコートの男をすり抜ける。勢いついてるなら、転んでしまうかも。

チャーリー:すり抜けて……え〜っと、転ばないけどたたら踏んで態勢崩すくらいはいきそう。

コートの男:『なんだこいつ。……おい、急げよ』

GM:その言葉に反応するように、小鈴の前にもコート男出現。

小鈴:きゃあ。

金太郎:わいはなんも出来んのかいな。

GM:身体はかろうじて動くけど、自分のものでないように冷たい。

金太郎:手を振り回してみるか。

チャーリー:ボクは踏ん張って、態勢立て直してもう一回突き飛ばそうとしたとこで、というところデショウカ。

トム:俺も殴りかかる。(コロコロ)失敗だ。

コートの男:『よし、OKだ』

GM:そう言うと男ふたりはばさっとコートをふりかざして……チャーリーたちの目の前で、ふっと消える。

チャーリー:「な……?」と一瞬呆然。

GM:金太郎は急速に意識が遠のき、手を前に突き出しだまま倒れる──のがチャーリーには見える。それからちょっと遅れて、小鈴も床に倒れる。

金太郎:ごん。

小鈴:ぱたっ。

マコ:……イッてしまったか。

GM:ひかりの柱は徐々に消えて、テレビが正常に戻る。耳鳴りもおさまる。

チャーリー:我に返って、「金ちゃん! 小鈴!」と2人に呼びかけて肩をゆする。

トム:金太郎はチャーリーに任せて小鈴の方へ。

GM:金太郎と小鈴の意識はない。

チャーリー:周囲を見回して、他の人はどうなってるか見マス。

GM:他の人は無事みたい。育郎が突然倒れた2人にびっくりして駆け寄ってくる。

育郎おじさん:「どうしたんだ、急に倒れたように見えたが」

チャーリー:「今、何か見えマシタか……? 耳鳴りがしたりとか……」

GM:耳鳴りとテレビには気づいたようだけど、コート男を見たのはPCだけみたい。

チャーリー:あ〜、やっぱし……。説明しても、納得はされないだろうし……。

チャーリー:「あの時何か起こったみたいデス。……とにかく二人を病院へ運ばないと」

GM:そんななか、使用人の竹上が部屋へ入ってくる。「旦那様、電話が、携帯電話が使えるようになりました!」

金太郎:タイミングよすぎ。アヤシイな竹上。

マコ:もうみんなが怪しい。

チャーリー:今は言ってても仕方ないデス。

小鈴:今できることをするしかないと、寝顔で訴える。

金太郎:ナユんに注意しろ、と寝顔で訴える。

小鈴:おなかが空いたと寝顔で訴える。

GM:別にケイ(ナユ)は怪しい行動をとったりはしてない。突然倒れた2人に驚いて、心配してる。

金太郎:(ホンマかなぁ)

GM:――んで。この後育郎によって警察と救急用ヘリが呼ばれ、金太郎と小鈴、そして見張りをしていて同じように倒れていた利迎院は病院に運ばれる。

金太郎:あとは今まで聞いた通り、やな。

GM:残った人たちは警察に保護(?)され一応事情を聞かれることになる。警察のヘリで運ばれることになるんだけど、ケイは育郎たちと同じヘリに乗る。チャーリーとは別のヘリね。

チャーリー:……なぜ僕は違うヘリデスカ?

金太郎:チャーリーだけ特別扱い。

GM:言い方が悪かったな。チャーリーはトム、マコ、浩之介と一緒。

金太郎:ち。

チャーリー:PCとNPCで分かれた形デスネ。

GM:だね。で、警察で話を聞かれることになるんだろうけど……。

チャーリー:事件が表に出ることはないんデスよねえ……。

GM:警察で事情を聞かれ、疲れ果てて家に帰って、寝て、起きると……チャーリーは1月4日にいる。

金太郎:すっ飛ばしたな。

チャーリー:……はい?!

金太郎:え。当然やろ。

GM:"2度目"の1月2日と1月3日は来ない。その後は、正常な時間に戻るけどね。

チャーリー:今回のは繰り返しじゃなく、飛び飛びになるんデスネ……。

GM:正確には、1月1日を中心に"揺れる"の。

チャーリー:なるほど、だからああいう飛び方だったんデスネ。

金太郎:今分かったのか。

チャーリー:めんぼくないデース。

金太郎:――うーん。さて、わいらはこのあとどうなるんやろうか。

GM:1月4日以降、金太郎、小鈴、利迎院が目を覚ます様子はない。

小鈴:うんうん。

金太郎:なんや、わいらはまた寝たんか。

GM:はたからみたら、1月1日に倒れて、1月2日と1月3日は目を覚ましたけど、それ以降また意識を失った……という状態。

利迎院:ふむ。

小鈴:なるほど。

GM:そして金太郎、小鈴、利迎院がどうなったかというのは――
 

 ――新たな物語へと、続く。
 

<DAY6 END>

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