唯樹:さ、エピローグかな?(笑)
GM:エピローグだよ。
捕らえられた椎名は、長曽我部盛親として門前にさらされた。
僧ドットコム:夜にこっそりたすけるってのは……ムリそうなのネ〜。
GM:確かに、難しいだろうな。
空雅堂:ニヤニヤしながら前を通り過ぎるしかできないね。
一同:ニヤニヤって……(笑)。
GM:では……そうやって「何もできないなー」とか思ったり、ニヤニヤしながら前を通ったりしてるうちに、処刑の日になるわけだ。処刑の場所は六条河原という河原だね。……見にいく?
僧ドットコム:みにいくネ、せっかくだから(笑)。
唯樹:ちょっと変装してね。こちらの正体がバレたらヤバイし。
お雪:ニヤニヤしながら見物ですか?
GM:……俺はよもや、こんなパーティになるとは思ってなかったよ……。
出水屋:逃げてる最中に転ぶような人ではねえ……。
空雅堂:彼は依頼主でしかなかったし。依頼は達成したし。
僧ドットコム:最初のほうで、『我が命惜しまぬ』といってたネ(←大嘘)。
唯樹:最後にアイコンタクトで『我が人生に一片の悔いなし!』って言ってたし(←大嘘)。
GM:では、刑場である。ゴザが敷いてあって、ここに首が落ちるんだろうなって穴がある。そこまで駕籠が運び込まれて、ちょっとぐったりした盛親──だと言われている人物が引きずり出される。で――
その場で、ストーンと首を斬り落とした。
GM:有無を言わさず斬り落とす。身体がぐらりと倒れ……首が穴に落ちる。
お雪:パチパチパチパチ。
僧ドットコム:ニヤニヤしながらみてるのネ〜。
お雪:最悪ですね……。
僧ドットコム:でも史実ともあってるのネ〜。歴史をかえたらダメなのネ〜。
空雅堂:どっちかが死ななければいけなかったと考えると、これでよかったと思えるね。
僧ドットコム:依頼完了、OK!
出水屋:いやいや、もらうもんもらうまでは終わってないぞ。
GM:では場面を移して京の都から北に出る道のところ。旅装束に身を包んだ盛親と真の依頼主である女性──盛親の奥さんが立っている。そしてそれを囲むようにしている坊さんたち。
盛親:「世話になったな」
GM:報酬は後日払うから伏見まで出向いてくれ、とのことだ。
僧ドットコム:ホントに金なのネ〜?
GM:間違いなく金だよ。
唯樹:「また用があるときはいつでもどうぞ」
出水屋:「それから……彼も本望であったでありましょうよ」
盛親:「それが影の仕事であるから仕方あるまい。──では、さらばだ」(頭を下げ、去っていく)
こうして……物語は終わる。
絵夢:後味悪い〜……。
GM:みんなはこれからどうするのかな?
空雅堂:江戸にいくかも──お金もらってから。
GM:後のみんなは……まだ決まってないか。
それから数日後、一行は林豪の屋敷に呼び出された。
林豪:「なかなかうまくやってくれたようだな。さすがである、素晴らしい」
GM:お褒めの言葉の後──報酬の金を持って、この人が部屋に入ってくる。
一同:泰蔵ー!!!
僧ドットコム:キミ今までどこいってたネー!?
GM:この金、どうやって手に入れたと思ってるんだい?
僧ドットコム:知らないのネー!
GM:隠し財産もない盛親が、どうやって報酬の金を用意したのか。
林豪:「それからもうひとり……働いてもらった者を呼んである」
その言葉とともに奥から姿を現したのは──影武者・椎名一盛。
一同:………………。
GM:さて。まず、どうやってお金を手に入れたかというと……盛親と話し合った末、泰蔵が盛親を蜂須賀に売ったんだな。
一同:……はあ?
GM:君達を雇ってしばらくして、どうやらこのメンバーで大丈夫そうだと思えてきた。で、報酬の金をどうしようかという話になり……「俺を売ったら結構な金になるという話だったな」と盛親。
出水屋:げ……じゃあ……。
GM:狂言誘拐……というのとは違うけど、まあそんなかんじで泰蔵が情報を売ったんだね、蜂須賀に。「どこどこにいつ盛親が来る」っていう情報を売って、泰蔵はその報酬である金五百枚を手に入れた。これはGMの本音でもあるんだけど──最初は、椎名を捕らえさせるつもりだった。だがこれがあまりに頼りない。で、仕方がないから盛親自身が捕まることとなった。
一同:………………。
僧ドットコム:影武者は何で生きてたのネ?
唯樹:首を斬られたのは影武者のまた影武者だったってこと……?
GM:まあそんなとこだ。
唯樹:でもそれじゃ……どこで入れ代わったんだろう……?
GM:椎名が入れ代わったのは、君達が椎名のところに行かなくなった後だよ。
唯樹:影武者の影武者はどこで手に入れたの?
GM:影武者自体が何人もいることは珍しいことではないよ。
空雅堂:たくさん出てきて『殿でーす』ってやられたら嫌だね。
GM:影武者は元々三人いた。椎名はその三人目だったわけだね。ひとり(影A――鏡政直)は土佐で何かあったときの抑えとして土佐に残り、ひとり(壁B――吉良正親)は関が原の戦いで命を落とした。この時点で影武者はふたりいることになる。で、最後のひとり──椎名が藤堂家にいくことになり、もうひとりの影A──土佐にいたヤツが大阪城に呼ばれた。
出水屋:ほほう。
GM:でも君らが助けにいったときはもういなかったでしょ? あのとき影Aは既に大怪我をしていたか死んだかしていたのだな。
唯樹:てことは首を斬られたのは──
GM:影Aの『死体』だ。できたてほやほやの死体を吊るし、そのまま死体の首を斬った。死んでいるということがバレないための小細工もいくつかしてるんだけど……――てことで、ここから少し、椎名の回想シーンね。
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