そして話は、メインである(はずの)離れの方へ。
GM:鍵番から奪った鍵で扉を開けると、中に盛親がいる。
盛親:「よお」
僧ドットコム:「よお」
空雅堂:じゃ、と言って鍵をかけよう。さらに<悪臭>の呪文で……
GM:やめろって。
僧ドットコム:ギャグをしたい気はやまやまだけど、ここはシリアスにいくネ。
出水屋(天の声):殿は、怪我とかはしてないのか?
GM:大丈夫、元気なもんだよ。
盛親:「約束を守ってくれたようだな」
僧ドットコム:「??? なんのはなしネ?」(←こいつとは約束してない)
盛親を連れた僧ドットコムと空雅堂は、お雪・絵夢と合流し離れの裏の方へ。
絵夢がついさっき使ったロープを僧ドットコムが登り、塀の向こうの様子を伺う。
絵夢:さっきの三人、まだいる?
GM:あれから時間が経ってるから増えてる可能性もあるぞ。(コロコロ)……二人に減ってしまった。
お雪:ひとりが人を呼びにいったんですかね?
空雅堂:作戦を立てよう。
絵夢:どんな?
空雅堂:まず、<土を空気>(土を空気に変える呪文)で塀の壁に1メートル四方の穴を開ける。次に<閃光>で相手の目をくらませる。
GM:うまいこと敵がそっちを見てるといいけどな。横にいたら、ただ壁から光がもれるのが見えるだけだぞ。
僧ドットコム:じゃあボクが塀の上にのって、敵がいるばしょをおしえるネ。
GM:なるほど。
空雅堂:では作戦の復習を。「僧ドットコムが塀を越える」→「<土を空気>で塀に穴を開ける」→「僧ドットコムが驚いて振り向く」→「そこにすかさず<閃光>」
僧ドットコム:それだとボクの目がくらんじゃうヨ〜!
お雪:作戦が全然違うじゃないですか。
空雅堂:一歩間違うと一生目が見えなくなる命懸けのネタだね。
GM:ネタなのか。
空雅堂:本当は「僧ドットコムが塀の上から敵の位置を示す」→「<土を空気>で塀に穴を開ける」→「そこにすかさず<閃光>」という作戦。――では<土を空気>の呪文を。(コロコロ)成功。これで体力は残り2。
GM:んじゃ、上に乗ってる虚無僧の重さで塀が崩れないかどうか判定しようか。これは運だろうから……偶数が出たら崩れる、奇数が出たら崩れないってことにしよう。
僧ドットコム:(コロコロ)……偶数ネ(笑)。
GM:ぼこっと崩れたね。
僧ドットコム:両足をひろげてふんばるッ! (コロコロ)ちょっとずりおちたけど、ふんばったヨ〜!
お雪:そこへ<閃光>! (コロコロ)ぴかぴかー!
丁度僧ドットコムの広げた股間から光があふれる形となる。
その何だかいやーんな光は、武士二人の目を焼いた。
GM:片方は抵抗に成功してるけど……目を押さえてるだろうな。
僧ドットコム:目をおさえてるなら、くびすじに毒矢うちこむネ! (コロコロ)ファンブル(笑)。
GM:(ルールブックを見て)ファンブル表によると……「武器を落とす」だ。
僧ドットコム:尺八をおとしてしまったヨ〜!
僧ドットコムは尺八を拾い、その間に武士1は刀を構えた。武士2は目が見えず何もできない。
その間に、まずは盛親が塀の穴から外へ。
次のターン。僧ドットコムは立ち上がり尺八を構える。そしてその手首を切りつける武士1。それを紙一重でかわす僧ドットコム。この間に絵夢が外へ。お雪が空雅堂に体力付与。
第3ターン。またも先制した僧ドットコムは目を狙いそのまま毒矢を放った。毒矢は見事に武士1の目を貫き、武士1は悶絶しながら絶命した。目が見えない恐怖と武士1の断末魔を聞いた恐怖で恐慌状態に陥った武士2は、逃走した。
終わってみれば、いつも通りの戦闘だった。
GM:………………。やっぱりこの吹き矢の全力ゼロ距離射撃は納得がいかないぞ。いくら飛び道具が「標的との距離が0.5センチ以内のときはプラス14の修正」とはいえ、これはあんまりだ。
お雪:……何かルール的に間違ってる気がしますよね……。
僧ドットコム:てゆーか、ふつう正義のPCが毒の吹き矢なんてつかわないネ〜! HAHAHAHAHA〜!
GM:──ま、そういうわけで、君達の方は脱出に成功した、と。
GM:では、追いかけっこの方に話を移そう。
唯樹:(コロコロ)あぶないあぶない、1成功だよ〜。
椎名:(コロコロ)こちらも1成功です。
GM:またも追い抜けなかったか(笑)。(コロコロ)あ、しかもまた引き離された。
椎名:あの……そろそろ転ぼうかと思ってるんだけど。
唯樹:なんで? もちょっとがんばれば、塀にロープがあるところ(今は穴が開いてるのだが)にたどり着くのに。
椎名:でも、ロープ登ってる間に攻撃されるかもしれないし……。
僧ドットコム(天の声):これだけの人数だと、ひとりがころんでも全員がとまるわけじゃないから、あまりイミがないとおもうヨ。
椎名:でも、金になるのはこちらだし。ちょっとは距離が離れているから……。
GM:ワザと捕まると?
椎名:うむ。
空雅堂(天の声):でも誰も助けに来ないよ?
椎名:……うむ(笑)。
GM:そうか……(でも……烏丸なら……烏丸のプレイヤーなら、自分も立ち止まって椎名を助けるだろう)分かった、転ぶんだね。
椎名:うむ。ばたーんと。
GM:影武者に殺到する武士たち。烏丸は──
唯樹:(サイコロを振って)ん? 7成功だけど?(笑)
GM:(逃げるのか──!?)
唯樹:……助けてほしい?
椎名:別に。
唯樹:そうか──じゃ!(走り去る)
椎名:最後にアイコンタクトで、『逃げろ! ……ふ、今日の晩飯、何だったんだろうな……(意味不明)』
唯樹:では同じくアイコンタクトで『転んでんじゃねーよ、バカ!』(笑)
振り返ることもなく……唯樹は走り去った。
こうして……ひとりの尊い犠牲があったものの、盛親救出作戦は成功した。
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