出水屋:「確かに、このままでは金も手に入らんしな。……西側の人間を助ける義理はないが、ここまで足を突っ込んでしまったし」
僧ドットコム:「おかねといのち、どっちが大事ネ?」
出水屋:「そりゃ、命だろ」
唯樹:「でも、命をつないでいくためには金がいる」
出水屋:「それもまた正しいな。だから、多少の危ない橋は渡らんといかん」
盛親を助けるという任務はふりだしに戻ってしまった。一行は今後の方針を話し合うことに。
出水屋:どこに連れていかれたのかは分かるのか?
GM:場所は分からんが、捕まえたのが蜂須賀家の人間であることは分かっている。
唯樹:(しぶく)蜂須賀……またしても私の前に立ち塞がるか……。
お雪:なんでやねん(ツッコミ)。
唯樹:これでもがんばってんだよぉ〜。
お雪:はいはい、それは認めてあげますから。──カラス丸、何歳?
唯樹:二十二歳。
お雪:年上ですか──こちらが(←二十三歳)。
唯樹:……いきおくれ?
お雪:神と結婚したんですッ!
唯樹:そうだった。――で……どういう手筈でいく?
椎名:蜂須賀の者が連れていったということしか分かってないのか……。
唯樹:てことは情報収集が先、か……。……本物の盛親はこっちだという噂を流すのはアリ?
椎名:本物が捕まっているのに?
唯樹:それでも確認のために君を捕まえにくるかもしれないだろ〜?
椎名:で……そんな拙者の後を、誰か尾行してくれるのかな?
唯樹:死の商人がね。
出水屋:ワタシのことか?
椎名:だが……殿を探しているのは蜂須賀だけではないのだろう? 他の連中に捕まる可能性もあるぞ。
空雅堂:我々が蜂須賀のところに連れていけばいいんだよ。そうすれば中に入れるかもしれないし、入り口で「はいありがとう」と門前払されるかもしれないけど。
一同:(ぽんと手を打って)それ、いいかも。
唯樹:最悪でも椎名は潜入できるし、その後情報収集して脱出してくればいい。
椎名:……やっぱりこいつらハイエナだ……。
出水屋:蜂須賀が捕まえた武将をいつまでも自分のところに置いておくメリットはあるのかね?
GM:えっとね、基本的に捕まった武将は片っ端から斬られていく。町の噂では、八歳の豊臣国松(秀頼の子供)まで斬られたらしい。例外もあるけど、名のある武将はさらされたりはりつけられたりした後に首を斬られる。
唯樹:……さらされるの、待つ?
椎名:それはさすがに……。てことはやはり、急がねばならないな……。
GM:あ、それから……どうも君らはアテにならないので、泰蔵は単独行動をとりたいらしい。──てことで泰蔵はいなくなるから。
椎名:あ〜、捨てられた(笑)。泰蔵ぅぅ〜!
唯樹:えーっと……追っ手は蜂須賀の者だけ?
GM:今捕まえにきたのはそうだけど、それだけではないだろうな。手配書出回ってるし。
唯樹:教会は……お菊ちゃんは無事かなぁ……。
GM:さあねぇ。
絵夢:何にしても、情報収集からだね。
町へ戻った一行は、情報収集を開始した。
出水屋:下っ端のヤツらが集まるような酒場はあるかい?
GM:あるだろうね。
唯樹:ケンカ売りにいく?
出水屋:危ないぞ。
唯樹:僕にまかせておけば、ドントウォーリーだよ〜。
僧ドットコム:それ、ボクのセリフネ〜!
出水屋:飲み屋に行って、さりげなく話を聞いていればよかろう。
椎名:うう……最近胃がシクシク痛くて……。
出水屋:お前さんにまでついてこいとは言わないよ。
てことで、飲み屋である。
GM:どういうメンバーで来てるの?
唯樹:椎名以外、かな。
出水屋:僧ドットコムも置いていきたいぞ。飲んだらうるさそうだ。
僧ドットコム:(尺八でちゅーっと酒を飲んで)「っっくはぁ……」
出水屋:もう飲んでるし……。
椎名(天の声):すまんみんな。今は……今は何もできない……。
お雪:……ずっと何もできてないじゃないですか……。
椎名(天の声):アイタタタ……。──でも、脱走のときひとり斬ったぞ!
唯樹:……絵夢でも魔法で倒してたけど……?
椎名(天の声):う……。
GM/客:「徳川の世になって、これからどうなるのかねぃ……」
空雅堂:三百年平和。
客:「うちの殿様(蜂須賀)は早いうちに取り入ったから何とかなったものの、明日からどうなることやら……」
出水屋:(酒を手に近づいて)「やあやあみなさん……」──というのも変か?
僧ドットコム:やあやあ我こそは!
絵夢:名乗りを上げてどうするのよ。
GM:YAH〜YAH〜YAH〜YAH、YAH〜YAH〜YAH〜♪(CHAGE&ASKA)
出水屋:「最近景気はどうですかね?」
客:「まあまあだな」
出水屋:……あっさり返されたな。
客:「どっかに景気のいい話は転がってないかねえ……」
唯樹:「そうだね〜。僕もそう思うよ〜」(と言いつつ酒をちびり)
出水屋:ほとんど似たようなもんだろうけど……偉そうなヤツはいる?
GM:今日は俺のおごりだ、って言ってるのがいるね。
空雅堂:そいつの頭の中を探ってみよう。
空雅堂が魔法で頭の中を探った結果、『盛親はもう蜂須賀の屋敷にはいない』こと、『駕籠(かご)に乗せられてどこかへ連れていかれた』ことが分かった。
空雅堂:……今の呪文だけで体力がほとんど残ってないよ……。ふらふらだね。
唯樹:ど〜した〜? 悪酔いしたか〜い?
空雅堂:誰かに体力(精神点)を分けてもらって、もう一回やってみようかな。
お雪:では、私のを。
空雅堂:これでもう一回できる。
再度頭の中を探り、『どこの駕籠だったのか』を聞き出してみる。
GM:駕籠の家紋とか、知ってるかなぁ……(しばらく悩んだ後)『家紋……よくは分からんが、うちのものではないな』ぐらいしか分からんな。
一同:うーん……。
結局、蜂須賀の屋敷にいないことしか分からなかった。仕方なく酒場を出た一行は、椎名と合流した。
唯樹:泰蔵が情報を仕入れてくるのを待つ?(笑)
お雪:それは……PCとしてかなり腐ってますね。
出水屋:長曽我部を運んだ先として可能性があるのは……井伊、藤堂、徳川、所司代、松倉、松平……。……恨みとかじゃないからな、捕まえた原因が。
GM:豊臣とつながりがあるヤツは片っ端から斬っていこうという考えだからね。
椎名:徳川の常套手段だ。
お雪:つまっちゃいましたね。……椎名さんがおとりになるの嫌だって言うから。
椎名:それは最終手段。
唯樹:今が、その最終手段を使うときだと思うけど?
僧ドットコム:『男にはやらねばならないときがある。今がやらねばいけないときだ。そして君は男である』 ──さあ、漢をみせるときネ!
椎名:うー……。
僧ドットコム:『捕まったのは偽者だ、本物はのうのうと暮らしている』というネタをまくのはアリだと思うネ。
唯樹:椎名が「とっので〜す!」と言いながらそのへんを走り回るの……?
絵夢:おでこに『殿』って書いて?
一同、大笑い。
お雪:バ、バカ殿……。
唯樹:僕たちにはもう、それぐらいしか思いつかないよ。
お雪:じゃ、それでいきましょう。
本当にそんな作戦でいいのか?
そして盛親の運命は?
つーか、椎名の立場は……?
というところで以下次号。
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