GM:逃げたはいいけど……これからどうする?
僧ドットコム:死体あさり。
出水屋:ワタシも。
空雅堂:君がやるべきことは、一週間で怪我を治すことでは?
出水屋:ぐ……。
僧ドットコム:彼(椎名)はやさしいから、きっと看病してくれるネ。われわれは極悪だから、死体あさるネ。
空雅堂:(うんうん、とうなずく)
出水屋:では一週間の間、ワタシの家に身を隠すということで。
GM:没落したとはいえ、まだ家(ただしボロ)ぐらいは残ってるだろうしな。──じゃ、影武者・椎名は商人のフリをして生活しててくれ。
椎名:うー……仕方ないか……。
一方こちらは、本物の盛親と泰蔵、そしてお雪、絵夢、唯樹である。
唯樹:(お雪と絵夢にはさまれて)んー、天国かも。
GM:君たちも椎名たちと同じように、抜け道に向かっている。──出発したときは反対方向に進んだけど、目的地は一緒だ。
盛親:「そこを右だ」「そこを左だ」「そこで3回回ってワン」
一同:ワン!
椎名(天の声──その場にいないはずの者の発言):……最後のは一体?
GM:いくら盛親が敵の少ない場所を選んでいるとはいえ、遭遇しないはずはない。
唯樹:そりゃそうだ。
GM:そんなわけで、君らの前に立ち塞がる兵士たち! その数……(コロコロ)……ひとり。
お雪:ひとりですか(苦笑)。
椎名(天の声):おうおう、瞬殺見せてくれよぉ〜? ──って、柄悪くなってどうする拙者。
GM:イニシアティブ、このパーティは誰が振る?
唯樹:お雪さん。
お雪:そうなんですか? それじゃ……(コロコロ)1。
絵夢:かわいらしいね。
GM:(コロコロ)こっちも1だ(笑)。そっちからでいいや。距離は5メートルね。
唯樹:まずは「足がすくむ」かどうかの判定だね(唯樹は「足すくみ」という特徴を持っているので、判定に成功しないと戦闘行為などができないのだ)。──判定は問題なく成功してるから、駆け寄って「大振り」! (コロコロ)走りながらの抜刀(『準備』技能で判定)は成功。
GM:「大振り」の場合、目標値は最大9だからね。
唯樹:それはさすがに……(コロコロ)当たってないな。
GM:そうそう当てられてたまるか。
絵夢:魔法の集中。
お雪:補助魔法は何もいりません?
唯樹:今のとこいいかな。
お雪:それじゃ、武器を構えるだけ構えます。
GM:こっちはもう武器は抜いていることにして──(コロコロ)攻撃は外れ。
第2ターン、イニシアティブはGMが取った。
GM:烏丸に刀を振り下ろす。
唯樹:「受け」るよ。目標値はどうなるんだっけ?
椎名(天の声):刀技能値の3分の2。
唯樹:それならばッ! (コロコロ)ガキィッと受け止めた。
GM:チッ! ──そっちの番だ。
唯樹:んじゃ、いくよ〜。こっちも斬りかかるッ!
GM:それは「受け」──(コロコロ)られてないな。ダメージは?
唯樹:(コロコロ)「切り」の6点。
GM:防護点を引いて1.5倍だな……。まだ大丈夫だ。
唯樹:「お雪さんは下がってるんだ!」
お雪:「言われるまでもなく、下がって全力防御です(笑)」
絵夢:<火球>の発動。(コロコロ)ポッと手のひらに火の玉が出現。このターンは狙いをつけるね。
第3ターン――
GM:イニシアティブだね。
唯樹:お雪さん、がんばってね。
お雪:(コロコロ)3。
GM:(コロコロ)……また1だ。
椎名(天の声):さっきまでそんなGMにイニシアティブで負けっ放しだった拙者って一体……。
お雪:全力防御です。
唯樹:今度は刀を横になぎ払う! (コロコロ)当たりかけているよ。
GM:(コロコロ)受け切れてない!
唯樹:(コロコロ)さっきと同じくバッサリと6点ダメージ。
GM:(コロコロ)……それで気絶した。
椎名(天の声):………………へ?
唯樹:よし! (勝利のポーズをキメて)「こ〜んなかんじで、どう?」
絵夢:……この火球、どうしよう……(笑)。
GM:殿や泰蔵が出るまでもなかったな。
あっさりと敵を切り伏せ、一行は抜け道の方へ向かう。
GM:では盛親組の方も抜け道の入り口付近にたどり着いた。(コロコロ)人影が四つ見える。抜け道に気づいているみたいだ。
空雅堂(天の声):それって我々?(笑)
GM:いやいや、普通の侍だよ。
お雪:<閃光>の呪文に集中します。
絵夢:そっか、それがあった。
唯樹:それに、僕はサングラスしてるから大丈夫だよ〜。
GM:そのサングラスにそういう効果があるなら、全ての行動にマイナス修正つけるぞ、夜だし。
唯樹:それは困る。
お雪:後ろの方で光るから、大丈夫ですよ。
唯樹:四人か……。もしものときは、回復よろしくね。
絵夢:まかせて〜。
GM:んじゃ、イニシアティブね。(コロコロ)──4。
お雪:(コロコロ)……また1(笑)。
GM:ではまず、前の二人が接近して「大振り」だ。(コロコロコロ)かたっぽ当たりかけている。
唯樹:それは受け止めた。今度はこっちだね。
唯樹の反撃の刃が、まず5点のダメージを与えた。そのままイニシアティブを取り、続けて7点の「切り」ダメージだ。
GM:うお、気絶はしてないけど、ボロボロだ。
絵夢:そこへ<火球>をたたき込む! (コロコロ)……2点だけ。
お雪:さらに<閃光>発動です。
<閃光>は、抵抗に成功すると敏捷力にマイナス3の修正(持続時間1分)、失敗すると3ターンの間は目が見えなくなり、その後敏捷力にマイナス3の修正という強力な魔法だ。
GM:前の二人は何とか抵抗したけど、後ろの二人が目がくらんでしまった。
絵夢:<閃光>強いね……消費も大きいけど。
GM:これはたまらん。前衛の二人は何とかマイナス3の修正だけで……ひとりは烏丸に斬りかかって……(コロコロ)それだけ修正受けてりゃ攻撃が当たるワケないな。もうひとりのダメージ受けてるヤツは……逃亡。残り二人は目が見えないから何もできない。
お雪:ひとり逃げたから、残り三人ですね。
唯樹:体を半回転させて、攻撃してきたヤツを斬り上げるよ。──当たってる? ダメージは6点ね。
次のターン。イニシアティブはPC側が取った。
唯樹:そのまま振りかぶった刀を振り下ろす!
GM:(コロコロ)駄目だ、修正があるのが痛すぎる。
唯樹:(コロコロ)──よし、ダメージ最大値12点の「切り」!
僧ドットコム(天の声):つ、つよいネ……。
GM:それはもう、気絶してる。……ギリギリ死にはしなかったけど。
絵夢:「スゴイッ!」
唯樹:「ま〜かせて!」
これで残るは目が見えない二人だけ。そこへ絵夢の<火球>が飛ぶ。
絵夢:またダメージはちょびっと。2点だけ。
お雪:あの……目が見えないんだったら、このまま放っておいて逃げませんか?
唯樹:そう……だね。じゃ、ドーンと突き飛ばして、逃げよう。
GM:逃げるか。……問題は、ないね。──とういうわけで、君たちは敵を蹴散らし、抜け道へ逃げ込んだ。その後も二、三度戦闘があったかもしれないけど……その度蹴散らしていったんだろう。
一同:わーい!
GM:で、城の外へ脱出できた。
僧ドットコム&椎名(天の声):早ッ!
GM:全く同じことをやってるのに、なぜこんなに違うんだ……?
絵夢:あたしたち、強いね〜。
僧ドットコム(天の声):仕方ないネ、つよいのがそっちあつまってんだから。
出水屋(天の声):こちらは、唯一前衛に立てるはずのヤツが火縄銃とか使っておるからねぃ。
僧ドットコム:火縄銃つかうなら、銃でなぐるぐらいしてほしいネ! こっちは「技能なし値」で尺八ふるってんだから。
GM:……その椎名(のプレイヤー)はどこにいったんだ?
僧ドットコム(のプレイヤー):塩カルビ(ポ○トチップス)買いにいった。
GM:パシリにいかせたのか……? 主役なのに………。
僧ドットコム(のプレイヤー):俺の塩カルビをひとりでバクバク食べる方が悪いッ!
GM:……話を戻そう。──そんなわけで、君たちは無事城から脱出した。
振り返ると──夜の闇の中に燃え上がる、天守閣が見えた。
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