出水屋:そっちか……。
地図を描いて位置を説明するGM。
唯樹:城のどこらへん、ってぐらいは分かるよね?
GM:そのくらいは。──引っ立てられて、適当に作られた柵組の中に押し込められたと思いねえ。
武士:「盛親殿に使いを出す。真偽を確かめた後、お前達の処分を決める」
椎名:正座して、ぼぉーっとしていよう。
出水屋:食事ぐらい出ないものか。
空雅堂:なんてずうずうしい(笑)。
唯樹:非常食でも食べておくか。
出水屋:何でそんなものを持ってるいるのだ?
唯樹:ふつー、持ってるでしょ。
GM:武器とかは取り上げられてるけどね。
僧ドットコム:仮面と尺八は?
GM:それは大丈夫。
絵夢:てゆーか、こわがって誰も近づかないんじゃ……?
出水屋:手足は縛られていない、が――
椎名:脱走は無理だろう。大変なことになるぞ。──てことで、正座してぼぉ〜。
唯樹:暇だから、お雪さんでも口説いておこう。
GM:口説くならそれなりの判定しておいてね。
唯樹:(……がんばれ、僕)「ここ逃げられたら、メシでも食べにいこうよ」
お雪:「ん〜、どうしましょう」
絵夢:もう、こんなとこで発情しちゃって……。
GM:発情、って……。
絵夢:発情期と思春期を履き違えちゃ駄目よ?
そうこうしているうちに、明け方となった。柵の入り口が開き、一行を捕らえた武士と……新宮行友本人が入ってきた。
出水屋:ほほう、これはこれは……。
行友:「城の外でうろちょろしとったというのはお主らのことか?」
椎名:「はあ」
お雪&絵夢:「そーでーす!」(手を振る)
GM:……アピールされてもな……。
行友:「あんなところで何をしておった?」
椎名:「あの……長曽我部家が危機と聞き、これは是非加勢をせねばと馳せ参じたワケで、その……」
出水屋:「この面子で加勢もあったもんじゃないが……」
空雅堂:(人形の口をパクパクさせて)『お経をあげる虚無僧と、慰安婦』
出水屋:「おいおい……」
椎名:「いや、でも、しかし……」
行友:「加勢……今更、か」
唯樹:実はこの娘たちは長曽我部の隠し子で(笑)。
お雪:そこには聞くも涙、語るも涙の物語が……。
出水屋:そういう嘘は、やめておけって。
行友:「分かった分かった。お前達が土佐守殿の手の者だということは信用するとしよう。……で、誰がそのことを証明してくれるのだ?」
唯樹&お雪:「これ」(と言って椎名を指差す)
GM:阿呆か。これが本物かどうか調べとるのに。
絵夢:「向こうに引き渡してくれれば分かります」
行友:「それはできん」
絵夢:なんで? ぶぅ……(ふくれる)。
行友:「まずはお前達が本物であるということが分かってから、だ。誰か長曽我部の近くの者にそういう知り合いとかはおらぬのか?」
椎名:心当たり、ある?
GM:椎名は早い段階で藤堂家に引き取られたから、今誰が殿の周りにいるのか分からない。
唯樹:……ホント、使えないヤツだね〜……。
椎名:うー……。しかも、土佐の者は結構東軍に引き取られているから、下手に名前を上げるとジ・エンドだ。(←江戸時代)
一同:うーん……。
行友:「……こちらから、心当たりがないか尋ねてやろう。……なんでお前らごときにここまでしてやらねばならんのだ……(苦笑)」
空雅堂:「性的魅力」が効いたかな?
椎名:「か、かたじけない……」
GM:しかし……長曽我部の助けにと言うワリに、なぜ誰がいるのかすら知らんのだ?
椎名:だって……だって……。
行友:「(ため息をついて)で、この中の誰の名を出せば、向こうに分かる?」
椎名:「拙者……かな。名は──椎名一盛」
行友:「椎名、か。……しばらく待て」
しばらく待つと、再び行友が入ってきた。
行友:「よかったなぁ、お前達を知っているという者がおったぞ」
椎名:「マジ……?」(←くどいようだが江戸時代)
GM:泰蔵が、いかにも「私は西軍です」という顔をして、ニコニコしながら入ってくる。
唯樹:やっぱり、彼か……。
空雅堂:こちらはもっとニコニコしておこう。
泰蔵:「ここにおられましたか椎名殿。あの戦の後姿が見えぬのでよもやと思いましたが……お姿を見られて安心しました。お供の方も御無事で……」
GM:すごーくいやらしい演技をしてくる(笑)。
椎名:ではこちらも──「おお、泰蔵殿、まさか貴殿と再びこうしてあいまみえることができるとは……」
お雪:とりあえずもらい泣きしておきます。
唯樹:(小声で)「ここまで来られたの、僕たちのおかげだよね……」
絵夢:「ねー……」
椎名:熱い抱擁を……ってそんな習慣はないし……固い握手を……ってそんな習慣もないか……。
GM:何やってんだか……。
泰蔵:「行友殿には大変ご迷惑をおかけしました。間違いなくうちの者ですので、お引き取りします。後ほど盛親から何かしら礼をしますので」
情けなくもNPCに助けられた一行は、泰蔵に連れられ城の中へ。
GM:廊下を歩いていると、外から雷のような音が聞こえてくる。
お雪:おへそ隠さなきゃ……。
GM:なんでそうなる……。──戦が始まったようだね。鉄砲と大砲の音だ。
出水屋:これからが、汚名返上のチャンスだな……。
GM:とりあえずどうする?
唯樹:ごはんを食べよう。
僧ドットコム:(突然)ボク故郷につまとむすこいるネ〜! きゃわいいネ〜!
お雪:いきなり何ですか。帰りたいなら早く帰ってください(笑)。
出水屋:盛親殿に会わないことには、どうしようもないと思うが。
絵夢:そうだね。
GM:では、盛親のところへ案内しよう。
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