――翌日。鶴丸城前庭。
彩/今日は太鼓:ドン……ドン……ドン…ドン…ドンドンドンドドドドドドドドドドッ…ドドン。
ヤン/そして書役:「薩摩藩家老、有園盛義さま、おなぁーりぃー」
トン:そして不当な裁判を行うわけだ。
ヤン:そりゃまずいっしょ。
大内:で? 言い分は?
GM:錦江屋とオランダ人の話をまとめるとこうだ。
オランダ人の引き取った娘をまとめて買い上げてるのが長崎に住んでるトニー・ブルーリッジという商人。
彩:ブルーリッジ置くだけ?(←それはブルーレット)
GM:で、こいつらは直接その商人に会ってる訳じゃあない。娘を捕まえては届けて、屋敷のものから金を貰っていた、と。
ヤン:ふむ。
GM:彼女らがどうなったかは知らないけど、恐らく、オランダかポルトガルかの商船にでも乗せられて、現地に売られてるんじゃないかな、とのことだ。
桂川:となると……もう行方は分からないねぇ。
大内:どうかな。海外に運ぶコストを考えたらまだ長崎あたりでくすぶってる可能性もあるんじゃねえか?
レモン:娘の専売だったら間違いなくいるでしょうね、日本に。
桂川:ナゼ磯で?
GM:ブルーリッジの指示。以前一度来たことがあって、その風土や人柄がいたく気に入ったらしい。
彩:気に入ったからって、ねぇ……。
桂川:何とか助けられないかなぁ。
有園:「とりあえず藩から幕府を通じて長崎奉行に調べてもらうよう上申しておこう」
大内:「時間かかりそうだな」
彩:「あたしらでやってみる?」
GM:そういう相談はこの後飲み屋ででもやってくれ。
有園:「しからばこれにて裁きを終える。引っ立てぇい!」
侍ども:「はっ!」(錦江屋らを連行する)
有園:「その方ら、今回の働き御苦労であった」
彩:「はぁ……」
有園:「恩賞は追って、その方らに届けよう」
桂川:「長崎の方はどうなるでしょうか」
有園:「長崎奉行が動くことを祈るほかあるまい」
大内:「役所はなかなか動かねーからな」
トン:「外国人には弱そうだし」
桂川:「どうでしょう、我々がこの先も調査を続けるというのは」
有園:「それはならん。長崎の問題に当藩が口を出すことは許されん」
桂川:「やっぱり……」
大内:「ま、そんなもんだわな」
有園:「とはいえお主らはまだ正式な藩の役人ではないわけだし、長崎旅行をしたいという庶民を規制する理由も、今は、ない」
トン:「島原で乱に参加しようかな」
ヤン:「何する気なの、アンタは(笑)」
有園:「それは許可できん。行き先はきちんと関所の通行手形に書いておくからな」
桂川:「ということは娘さんたちに関する調査をしてもよい、ということですね?」
有園:「そんなことは一言も言っとらんぞ」
レモン:「建前、ってのは大事よね」
彩:「どうする? 行く?」
桂川:「もちろん」
有園:「では私はこれにて失礼する。あとは自分たちで考えるがよい」
一同:「ははぁーッ」(平伏)
講釈師:磯のかどわかしの元凶をついに捉えた和尚たち。しかし裏には更なる黒幕が。港町長崎に、今日も力士の汗が飛ぶ!
次回、『長崎で今日も飴買った』。運命は月の導きのままに。
GM:行くの? 長崎。
一同:おう!
GM:シナリオ、ないんだけど。
彩:待つから作ろうよ。
GM:………考えとく。