GURPS・EDO―薩摩編―(七)

GM:で? 具体的にどのへんをまわるのかな?

彩:とりあえず磯の、町なか風のところ?

大内:俺は賭場に行きたいんだが。

GM:賭場、ね。わかった。

桂川:<賭博>技能持ってるの?

大内:持ってねえよ。ただ遊びに行くだけだから。

トン:藩の金で(笑)。

大内:じゃ、そういうことで(くるっと後ろを向いて立ち去る)。

桂川:あら、行ってしまわれたわ。

GM:あとの面々は?

トン:ワタシは療養所に行ってみますかな。

桂川:私らは街路に出て聞き込みかな?

彩:娘さんたちに話を聞く。

ヤン:お店とかね。

GM:分かった。それじゃあ、と……

GM:さて、時は流れて夕刻だ。どんな収穫があったのかな?

旭海:聞かせてもらいますかな(←聞き込みに行けなかった)。

トン:ではまずワタシから。

彩:トン和尚は療養所だったね。

トン:最近ケガをしたゴロツキは来ませんでしたか? って聞いてみたんだが――

GM/医師:「怪我したゴロツキ? 別に珍しいことじゃねぇなぁ。そんなのが来るのは」

彩:うーん。

旭海:町なかはどうでゴワした?

彩:そうねえ、情報としては……。

レモン:一つだけ。最近藩のえらい役人がちょこちょこ来てるみたいだ、ってことかな。

旭海:はっは〜、なるほど。

桂川:かどわかしの調査か何かかな、って言ってたけど。

彩:ふふん、みんな、どう思う〜?(←なんだか嬉しそう)

旭海:何か見えて来たでゴワスなぁ。

大内:……ていうか、家老……。

ヤン:黒幕――

彩:それ言っちゃダメ。

桂川:ダメダメ(笑)。

GM:……………。

彩:賭場はどうだったの?

レモン:勝った?

大内:いや〜、それがサッパリで。

ヤン:負けた……のね?

大内:ちょっとだけ。銀百枚(現在の価値にしてざっと十万円)くらい。

一同:なにいいいいいいい!?

旭海:御坊、藩の金を……。

大内:そうそう、例の銀次とかいうチンピラに会ったな。

レモン:ほー。

彩:で?

大内:で……とは?

桂川:追跡とかしなかったの?

大内:いや〜、気づいたらいなくってさぁ(笑)。

レモン:いなくなったって分からなかったの?

大内:全っ然(判定にファンブルした)

ヤン:役に立たないわねぇ!(ゲシゲシ←蹴り)

彩:まったくもう!(ゲシゲシ)

大内:ふん。

彩:じゃ、そろそろ囮(オトリ)捜査開始する?

一同:うん。

彩:という訳でケイねぇ、行ってらっしゃーい。

桂川:ナゼ私?

GM:ん? いきなり実行?

トン:さらわれるのは昼間じゃなかった?

大内:役人はそうは言ってなかったぜ?

ヤン:でも囮捜査するとして……。

彩:どうするかだよね。発信機なんて便利なものはないし。

旭海:桂川殿に囮になってもらって、我々がそれを物陰から見ているというのは?

レモン:で、さらわれたのを見届けてから帰っちゃう。

桂川:おい(怒)。

彩:こっそりついて行かなきゃ。

ヤン:誰が?

トン:力士が。

彩:目立ちすぎ(笑)。

トン:空から見張るっていうのは?

旭海:そりゃ和尚はできるでゴワしょうが……(笑)。

彩:体力持つの?

トン:(当然のように)しばらくしたら落ちて来るんだよ。

彩:(笑)。

桂川:誰かいる? そういう技能持ってるの。

大内:空を飛ぶ?

桂川:違〜う(笑)。尾行とか。

旭海:そりゃあヤン殿が忍者でゴワスから。

ヤン:でも<忍び>くらいしかない。

彩:あ、レモねぇも持ってるね。

旭海:では、ファン殿とヤン殿に忍んでもらって……。

桂川:女だけで行くの?

大内:うーん、もしものときになぁ。

旭海:いやぁ、見つかってもいいんでゴワしたらワシも行くでゴワスが……。

レモン:(冷たく)君は働いててね。

旭海:えっ?

桂川:働いててくれ、ってさ(笑)。

旭海:ううううううぅー(涙)。

大内:じゃあ俺は外に飲みに行くかな。

彩:また……?

GM:じゃあ囮捜査、するんだね?

彩:けど、あたしらがこういうこと(かどわかしの捜査)してるってのはみんなに知られてるワケよね?

桂川:そうだね。

ヤン:で?

彩:てことはここは……変装だねっ☆

トン:そうか、変装か(といって頭髪をはずす)。

ヤン:はずれるんだ、それ(笑)。

桂川:あら、和尚はどこへ?(笑)

トン:笠もはずして、顔はゴムか何かで……。

GM:ゴムってあんた、時代が……。

彩:<変装>技能持ってる?

トン:あるわけがない。

ヤン:ダメじゃん(笑)。

彩:で? どうするの? 飲みに行くの?

大内:俺はね。

彩:お付き合いしまーす。

大内:そりゃあどうも(ニヤニヤ)。

GM:ちょっと待った。囮は? 飲みに行くの?

大内:俺はね。

GM:わかっとるわい。他に行くヤツは……。

ヤン:はーい。

桂川:別のところに飲みに行きまーす。

レモン:じゃああたしは桂ちゃんについていこっと。

GM:……今までの長い話し合いは何だったんだ?

大内:てことは俺は、この二人(彩とヤン)と一緒に行けるわけ?

桂川:そうそうそうそう。

大内:くなー!(←意味不明。とりあえずニヤニヤしてる)

レモン:あたしと桂ちゃんは別の店に飲みにいくから。

旭海:あの………ワシは?

ヤン:自分で決めなさい。

桜岳屋:(階下から)「関取ぃ、マキが足りなくなったんですがぁ」

桂川:はい、行ってらっしゃい。

旭海:しくしくしくしく……。

レモン:和尚は?

トン:宿に残ろう。飲みに行くのは不自然だしね。

桂川:連絡役だね。

トン:そうだね。宿でヨガっとく。

GM:……結局囮捜査はナシか……。