GURPS・EDO―薩摩編―(六)

GM:は〜い。じゃ、仙巌園にある代官所に着いたよ。門番に止められるけど。

トン:身分証がある。

GM:で、これこれこういう者だと……誰か日本人が説明してね。

旭海:ではワシが。

大内:おまえが?(笑) ……まぁいいか。

GM:(笑って)……ま、そういうことで通してくれる。奥に案内されるよ。

彩:べつに怪しい目で見られてはいないよね?

GM:見られてるよ。

桂川:めちゃめちゃ怪しいじゃない(笑)。

ヤン:沖縄人とか、琉球人とかいるし(←同じでは?)。

トン:格好も変だし。

GM:ぞろぞろと怪しい集団が……。

トン:百鬼夜行とはこれを指すんだね。

GM:奥に通され、座って待つように言われる。数分後――

GM/役人:「お待たせいたしました。あなた方のことは……」

大内:「面倒くせぇアイサツは抜き、抜き」

彩:(ずいっと前に出て)「じゃあ、色々聞かせてもらおうかな」

トン:(ずずいっと前に出て)「うむ、聞かせてもらおうじゃないか」(と、役人の顔前に近づく)

旭海:「なんでそこまで近づくでゴワスか、和尚」

トン:「ん?」

ヤン:「和尚!!」(と言って手を引っ張る)

トン:びよ〜ん!(手が伸びる)
 

 一同、苦笑。
 

役人:(苦笑しながら)「とりあえず、何からお話しましょう?」

ヤン:「一から」

彩:「そんな………。――じゃまず、この事件がいつごろから始まったか教えてもらえます?」

役人:「始まったのは……そうですねぇ、ざっと二ヶ月くらい前ですね。そっから人数は二十人……正確には十七人、ですな」

トン:ではその全員のリストを……。

ヤン:リスト?

トン:下さい、GM。

GM:はっ? む……無茶を言わないで下さい(笑)。

旭海:「ところで、その娘さん達に共通点とかはないのでゴワスか?」

役人:「う〜ん……まず、未婚であるという点」

トン:あと、みんな薩摩に住んでいるという点。

彩:女性であるという点。

桂川:生きているという点。

レモン:力士ではないという点。

ヤン:さらわれてしまったという点。

役人:まぁ、こんなところですね。

旭海:ほとんど役に立たんでゴワスな。

トン:あと、この人たちの家にも共通点が。

レモン:なに?

トン:地球の中心からほぼ等距離だ。

ヤン:当たり前だー(笑)。

彩:「事件は定期的に起こってるんですか?」

役人:「いや、何と言いますか、こう……ゲリラ的ですね」(←適当な日本語が思いつかなかった)

旭海:「その手口とかは?」

役人:「さぁ、それもまちまちですな」

彩:「目撃者とかはいないんですか?」

役人:「そりゃいるでしょうよ」

ヤン:「探してないんですか?」

彩:「事情とか聞いてないんですか?」

ヤン:「役所は何をやってるんですか?」

役人:(むかっ)「かっ……帰って下さい! 我々も安い給金で……え〜い、出ていけ貴様ら!! 俺らが……」

彩:「まっ……まぁまぁ、抑えて抑えて」

大内:「どうどうどうどう」

役人:「ふぅ……(肩で息をしながら)目撃証言は勿論聞いてますよ。ただ使える情報はほとんどないですがね」

彩:「そうですか……」

役人:「とりあえず、我々が提供できる情報はこんなものですが?」

桂川:「ありがとうございますぅ」

大内:「ん? 終わったのかい?」

レモン:「あんた、話聞いてなかったでしょ?」

トン:ではさっそく、囮捜査を。

桂川:おとり?

トン:そう。しかも三回も失敗できるぞ。

ヤン:失敗が前提か(笑)。

旭海:では未婚ということで……。

彩:行き遅れのケイねぇからやってみましょう。

桂川(十九歳):えー、わたしよりまだ上がいるよー。

レモン(二十二歳):はて、誰のことかしら?

GM:NPCに頼っちゃいかんだろう。

大内:その前に町なかでの聞き込みをしねぇか?

桂川:そだねー、夜までは。

大内:役人からリストもらってんだろ? それ見ながらさ。

ヤン:そだね。

彩:じゃあ女性陣は二人一組になって聞き込みにまわろっか。

レモン:そうね。

旭海:男どもは各々単独でやりますかな。

GM:男どもは単独でやるのか?

桂川:あ、怪しい〜。

ヤン:捕まるぞ。

レモン:「あ、そう言えば」

桂川:「うに?」

レモン:「旭海さんには働いてもらわないといけないんだった」

旭海:「う〜〜(涙)」

大内:「男に二言はねぇよなぁ?」

ヤン:「頑張ってねぇ〜〜」

彩:「じゃあ夕飯時に宿に戻るということで」

一同:「は〜い」