GURPS・EDO―薩摩編―(四)

旭海:「さて銀次くん。もう二度とこんなことはしないでゴワスか?」

銀次:「……けっ」

旭海:「ふんっ!!」(絞める)

銀次:「はう〜〜〜〜! わかった、もぉしねー、しねぇよぉー!!」

旭海:では、こいつを縛り上げて……

桂川:縛るの?

彩:逃がしてやろうよ。かわいそうじゃん。

旭海:そうか? 捕まえて情報収集を……(突然)いや、待て!

ヤン:ん?

旭海:ここは放して、『覚えてろよ〜!』って逃がさなきゃ時代劇じゃない!!

GM:(苦笑)

大内:あ、そうか。

ヤン:よく気付いたね。

トン:いやー、危なかった(笑)。

彩:……何が?

旭海:では改めて、「もう二度と、こんなことはするでないでゴワスよ」

ヤン:セリフがぎこちないぞ〜。

旭海:……と言って放してやる。

GM:銀次、三太を肩に担いで、

銀次:「覚えてろよーーーー!!(笑)」 すたこらさっさ。

旭海:OKっ!!(←江戸時代)

ヤン:ざまぁ見なさいっ!

大内:しゃらーん。

GM:さて、娘は助けたね。

一同:おう!

GM:娘は軽〜く気を失ってるみたいだけど……。

ヤン:やっぱり後ろに怖いひと(トン)が急に来たから(笑)。

GM:(笑)。……それが原因で気を失ってるよ。

旭海:じゃあ気付けの方は女性陣にまかせて……介抱してくだされい。

彩:そういえばレモねぇは?

GM:いるよ。

桂川:何もしてなかったみたいだけど……

ヤン:してないって言うか……

大内:するまでもねーや。

レモン:何ができるって言うの、あたしに。

トン:(PCの配置をみて)さぁ、娘さんはすごいピンチだよ。

地獄の三角形

一同:(笑)

旭海:地獄の三角形でゴワスな(笑)。

ヤン:じゃあそこに割って入ろう。「アンタ達、邪魔」

桂川:「ほら、どいてどいて」

レモン:で、手当てする、と。

GM:(コロコロ)……さて、起きました。

GM/娘:「どうも皆さん、ありがとうございました」

ヤン:『実は私は……』って急に自己紹介しだしたりしてね。

娘:「実は私は……」

桂川:やっぱり(笑)。

娘(以下お花):「実は私はこの近くの『桜岳屋』というところの娘で、お花といいます」

GM:ちなみに桜岳屋っていうのは宿屋で、一緒にぢゃんぼ餅(鹿児島市の伝統的和菓子)屋もやってる、そこそこ大きな店ね。

お花:「もう時間も遅いことですし、ぜひぜひうちに泊まって……」

大内:「えらく手の込んだ営業だな」(グイッ…と酒を飲む)

お花:(ややムッとして)「お金はいりませんよ。両親からもお礼を言ってもらうので、ぜひ……」

彩:「ホント?」

桂川:「ラッキー」(←江戸時代)

旭海:「そりゃもう、こちらこそ喜んで」

お花:「では、御案内いたしましょう」

彩:「あ、男どもは厩でいいですから」

お花:「わかりました」

大内:「おいおい」
 

GM:さてこの桜岳屋。お花さんの話だと、主に切り盛りしてるのはお花さんの両親。お花さんと、そのほかに兄が一人いる。で、お花さんが出迎えに来た両親に事情を話すと――

GM/桜岳屋:「ええっ、そんなことが!? いや、それはどうも……ささ、こちらへ」

GM:って、彼らの住まいの方の客間に通してくれる。んで、へこへこと頭を下げてくる。

桜岳屋:「どうもどうもこの度は……」

GM/おかみさん:「お陰様で娘が助かりました……」

桂川:「いやいや、当然のことをしたまでですよ」

桜岳屋:「この時期は客も少ないですから、一等、いい部屋を空けときます」

おかみさん:「どうぞ、おくつろぎ下さいませ」

桂川:「それはそれは、お心遣い感謝しますぅ」

彩:「そんなにお気を使わずに……」

桜岳屋:「いえいえ、これは私どものほんの気持ちですから」

大内:(小声で)「よい心がけじゃ」

レモン:「こらこら(笑)」

GM:さて、案内された部屋だが……すごいよー。豪華だよー。床の間付きの十五畳。それも二部屋。

一同:おお〜う(喜)。

ヤン:三十畳か。

桂川:でも一人で三畳くらい使いそうなのもいるしね。

彩:じゃ、男どもはあっちの部屋ね。

旭海:ちょっと待てぇ〜い。誰が一人で三畳でゴワスかぁ〜?

レモン:そのツッコミ、ちょっと遅い。

ヤン:しかしあの三人(旭海、大内、トン)が同じ部屋とは(笑)。

旭海:はは、すっごい暑そう。

トン:しかも三人とも、この時代にしちゃすごい大男だぞ。

GM:いいじゃん。十五畳もあるんだぞ。――さて、じゃ落ち着いたところで……食事かな。

彩:その前に、フロに入る〜。

桂川:フロぉ〜。

GM:フロフロって……もっと上品に言えんのかね。

大内:ワシもフロに……。

トン:もちろん、この時代は混浴だね。
 

 ……………しばし沈黙。
 

彩:……か、かかって来なさい(笑)。

GM:いや、確かに風呂場はひとつかも知んないけどね。普通は別々でしょ。入るのは。

大内:え〜、だってぇ〜。

レモン:別です。

桂川:絶対に。

男ども:ちっ。

GM:じゃ、とりゃ〜えず風呂からだね。どっちが先?

彩:レディファースト(←江戸時代)。

旭海:いや、しかしこの時代は……。

レモン:あんたが入るとお湯が減る。

旭海:しくしくしく……。

桂川:私は後からひとりで入ろっかな。

ヤン:ひとり? 寂しいな。

レモン:せっかくだから一緒に入ろ。

桂川:ん〜、でも主人から情報聞いたり……。

彩:そういうのはあと、あと。

トン:まずは今日の垢を落とさねば。

ヤン:そ。きれいサッパリ(といって足袋を脱ぐ)。

彩:あー、ツバメねぇ足くさぁい。

ヤン:そっそっそれはっ。

旭海:いきなり色気のない話でゴワスな。

ヤン:あんただってワキくさいじゃないのっ!

彩:そんなことないやい!

大内:あ〜、ぷにぷにしてるぅ。

レモン:触んなぁ、クソ坊主!
 

 と、まあ、そんなこんなで入浴と、あいなりまして。

 若い娘同士、楽しく賑やかに入ったようであります。
 

大内:こういうのを蛇の生殺しっていうんだよなー。

レモン:声だけで我慢しなさい。

彩:「あ、ケイねぇ結構胸おっきー」くらいは言ってあげるから。

トン:そういうのに聞き耳を立てているのはアリなんだね。

桂川:………やだ。